介護テクノロジー導入支援事業とは|介護ICT・介護ロボット補助金の対象・補助率・上限額【2026年】
介護ツールナビ編集部公開 更新

要点
介護テクノロジー導入支援事業は、介護ソフト・タブレット・インカムなどのICTと、見守り機器などの介護ロボットを導入する費用を補助する事業です。介護ロボットの補助金だった「介護ロボット導入支援事業」と「ICT導入支援事業」を令和6年度に統合してできたもので、国の地域医療介護総合確保基金や補正予算を財源に、都道府県が実施します。令和7年度補正予算(220億円)の事業では事業者の負担が5分の1とされ、令和8年度の大阪府・兵庫県の募集も補助割合は4/5ですが、対象機器・上限額・受付期間は都道府県と年度で違うため、所在地の都道府県の実施要綱で確認してください。
介護テクノロジー導入支援事業とは
厚生労働省の資料では、令和6年度に「介護ロボット導入支援事業」と「ICT導入支援事業」を統合し、支援メニューを組み直したと説明されています。「介護 ICT 補助金」と呼ばれてきた補助は、いまはこの事業の中にあります。
- 財源: 地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)。国が2/3を負担します
- 実施主体: 都道府県。事業者は国ではなく、都道府県(または都道府県から補助を受けた市町村)の募集に応募します
- 補正予算の事業: 基金とは別に、年度ごとの補正予算でも同じ趣旨の事業が組まれています。令和6年度補正の「介護テクノロジー導入・協働化等支援事業」と、令和7年度補正の「介護テクノロジー導入・協働化・経営改善等支援事業」です
- 国基金・補正予算
- 財源を出す
- 都道府県事業を実施し、募集する
- 応募・補助
- 介護事業所導入費の一部を負担する
| 予算 | 規模 | 補助の割合(国の資料) |
|---|---|---|
| 地域医療介護総合確保基金(令和7年度当初) | 97億円の内数 | 補助率は要件を満たす場合3/4、それ以外は1/2を下限 |
| 令和6年度補正 介護テクノロジー導入・協働化等支援事業 | 200億円 | 国・都道府県3/4、事業者1/4(要件によっては1/2ずつ)。協働化の取組とあわせて行う場合は国・都道府県4/5 |
| 令和7年度補正 介護テクノロジー導入・協働化・経営改善等支援事業 | 220億円 | 国・都道府県4/5、事業者1/5 |
令和8年3月の全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料では、令和7年度補正の事業は基金の事業と比べて国庫補助率を2/3から4/5に引き上げ、事業所の負担を1/2から1/5に引き下げたと説明されています。あわせて、令和8年度当初予算案の基金(介護従事者確保分)は86億円の内数(前年度97億円の内数)とされ、都道府県には令和7年度補正予算の活用を優先して検討するよう求めています。
- 220億円予算の規模
- 4/5国・都道府県の補助基金の事業の国庫補助率は2/3
- 1/5事業所の負担基金の事業では1/2
令和7年度補正の事業では、業務時間の削減効果が確認されている見守り機器・介護記録ソフト・インカムを集中的に支援するとされています。導入と一体で行う業務改善の費用(介護記録ソフトの導入前後の定着を促す費用やWi-Fi環境の整備費用を含む)も補助の対象です。
補助の対象になる事業所
国の資料では補助先を介護施設等としており、令和7年度当初予算の資料には「養護老人ホーム等を対象に追加」と書かれています。令和8年度の大阪府・兵庫県の対象は次のとおりです。
| 府県 | 対象 |
|---|---|
| 大阪府 | 介護保険法に基づくサービスを提供する府内の事業所、老人福祉法に基づく府内の養護老人ホーム・軽費老人ホーム |
| 兵庫県 | 介護保険施設、介護保険法に基づく介護サービス事業所(有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅は特定施設入居者生活介護の指定を受けているもの)、養護老人ホーム・軽費老人ホーム |
補助の対象になる機器と経費
国の資料(令和7年度当初・令和6年度補正)で補助対象とされているものです。
- 介護ロボット: 「介護テクノロジー利用の重点分野」に当てはまる機器。令和6年度補正の資料では、テクノエイド協会の福祉用具情報システム(TAIS)で「介護テクノロジー」として選定された機器は原則として補助対象とされています。重点分野の中身は介護テクノロジー利用の重点分野で整理しています
- 介護ソフト: 記録・情報共有・請求の業務を一気通貫で行えるもの。機能は厚生労働省の「介護ソフト機能調査」の結果で判断されます
- 居宅介護支援・居宅サービスの介護ソフト: 上の条件に加えて、「ケアプランデータ連携標準仕様」に準じたCSVの出力・取込ができ、ケアプランデータ連携システムの活用を支えるサポート体制があること(国保中央会のベンダー試験結果等で確認)。詳しくはケアプランデータ連携システムと対応ソフトの選び方へ
- ICT機器: タブレット端末、インカム、クラウドサービス、業務効率化のためのバックオフィスソフト(転記などの業務が発生しない環境ができている場合に限る)
- パッケージ型導入: 見守り機器など複数のテクノロジーを連動させて導入する場合の経費
- 業務改善支援: コンサルティング会社や介護生産性向上総合相談センターなど、第三者から業務改善の支援を受ける費用
介護ソフト機能調査の結果は、厚生労働省の介護テクノロジーの利用促進のページに載っています。
補助率と上限額
国の資料にある上限額
| 区分 | 令和7年度当初(基金) | 令和6年度補正 |
|---|---|---|
| 移乗支援・入浴支援の機器 | 上限100万円 | 1機器100万円 |
| そのほかの介護ロボット | 上限30万円 | 1機器30万円 |
| 介護ソフトなどのICT | 職員数1〜10人100万円、11〜20人150万円、21〜30人200万円、31人以上250万円(職員数で金額が変わらない契約は一律250万円) | 介護ソフト250万円(利用者1人あたりのライセンス料で合計が変わる契約は職員数に応じて100万〜250万円)。情報端末は10万円まで |
| パッケージ型導入 | 上限400万〜1,000万円 | 400万円以上1,000万円以下で都道府県が決める額 |
| 業務改善支援 | 上限額の記載なし | 45万円(協働化の取組もあわせる場合48万円) |
令和6年度補正では、ケアプランデータ連携システムで5事業所以上とデータ連携する場合に、介護ソフトの上限額へ5万円を加えるとされています。令和7年度補正の事業は、国の概要資料に機器ごとの上限額の記載がありません。
都道府県の例(令和8年度)
2026年9月時点で公表されている大阪府・兵庫県の令和8年度の募集内容です。ほかの都道府県は金額や対象が違うことがあります。
| 項目 | 大阪府 | 兵庫県 |
|---|---|---|
| 補助割合 | 導入費の4/5 | 対象経費の4/5 |
| 介護ロボット等 | TAISで「介護テクノロジー」として選定された機器等は1台30万円まで。移乗支援・入浴支援・介護業務支援(インカムのみ)は100万円まで | 移乗支援・入浴支援・インカムなどは1台100万円まで、それ以外は1台30万円まで |
| 介護ソフト | 最大250万円(契約方法や職員数で変わる)。端末やWi-Fiなどもあわせて導入する場合は15万円を上乗せ | 職員数1〜10人100万円、11〜20人150万円、21〜30人200万円、31人以上250万円。端末・Wi-Fi・ベンダーのサポート費用が要る場合は15万円を加算 |
| パッケージ型 | 合計1,000万円まで | 介護ロボット等・ICT等・パッケージ型の合計で1事業所700万円まで |
| 業務改善支援 | 48万円まで | 導入支援の要綱には無し(別の「生産性向上支援(業務改善支援)事業」で上限48万円) |
| 募集の方法 | 事前エントリー(令和8年5月25日〜7月13日、受付終了) | 申請見込額調査(令和8年7月6日まで) |
都道府県ごとの記事: 東京都/神奈川県/大阪府/愛知県/埼玉県/千葉県/兵庫県/北海道/福岡県/静岡県/茨城県/広島県/京都府/宮城県/新潟県/長野県/岐阜県/栃木県/群馬県/岡山県/福島県/三重県/熊本県/鹿児島県/沖縄県/滋賀県/山口県/愛媛県/奈良県/長崎県/青森県/岩手県/石川県/大分県/宮崎県/富山県/山形県/秋田県/香川県/和歌山県/佐賀県/山梨県/福井県/徳島県/高知県/島根県/鳥取県
大阪府は府の予算を上回るエントリー(437法人880介護事業所等)があったと公表しています。兵庫県の要綱では、申請総額が予算を超えた場合、これまで補助を受けたことがない事業所を優先し、抽選で選ぶとしています。
補助を受けるための主な要件
国の資料(令和7年度当初・令和6年度補正)で共通して求められているのは次の点です。
- 業務改善計画の作成と効果の報告: 令和6年度補正の資料では、補助を受けた翌年度から3年間の効果報告が求められています。令和8年3月の課長会議資料でも、令和7年度補正予算等で補助を受けた事業所に同じく3年間の報告を求めるとしています
- 第三者による業務改善支援: コンサルティング会社や介護生産性向上総合相談センターなどの支援を受けること
- 施設系(入所・泊まり・居住系): 「利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会」を設置すること。この委員会は生産性向上推進体制加算の要件にも入っています
- 居宅介護支援・居宅サービス: ケアプランデータ連携システムを利用すること(大阪府の令和8年度は、年度中にデータ連携の実績があることが要件)
令和7年度当初の基金の事業では、入所・泊まり・居住系で3/4の補助率を受ける要件に「見守り、インカム・スマートフォン等のICT機器、介護記録ソフトの3点を活用すること」が入っています。
都道府県が独自に要件を加えることもあります。令和8年度では、大阪府は府の介護テクノロジー活用支援セミナーの受講を、兵庫県はSECURITY ACTIONの宣言と厚生労働省の業務改善計画書の提出を求めています。
申請の流れ
令和8年度の大阪府・兵庫県の例です。順番や名称は都道府県で違います。
- 実施要綱を読む都道府県の募集案内と実施要綱を読み、対象の機器と要件を確かめる
- 計画を立てて見積書を取る現場の課題を洗い出し、業務改善計画と導入する機器を決める(大阪府は事前エントリーの時点で見積書が必要)
- 事前エントリー・申請見込額の調査に応募する
- 申請先が選ばれる申請額が予算を超えた場合は、都道府県が優先順位や抽選で選ぶ
- 交付申請をして交付決定を受ける大阪府は10月以降に順次
- 契約・購入・支払をする交付決定の後に行う(兵庫県は、交付決定の前に導入した機器を補助対象外としています)
- 実績報告と効果の報告実績報告をし、翌年度から効果を報告する
どの機器が合うか迷うときは、都道府県が設置するワンストップ型の総合相談窓口(介護生産性向上総合相談センターなど)に相談できます。令和8年3月の課長会議資料では、総合相談窓口は令和7年度までに45の都道府県に設置されたとされています。厚生労働省の「介護現場の生産性向上の取組・普及支援ナビ」の相談窓口一覧では、2026年10月25日時点で47都道府県すべてに設置されたと案内されています。センターの役割と相談の流れは介護生産性向上総合相談センターとはで整理しています。
補助の対象になりやすい機器のカテゴリ
国が集中的に支援するとしている見守り機器・介護記録ソフト・インカムのカテゴリです。一覧は掲載DBの編集部スコア順で、補助の対象になるかどうかは機器ごとに都道府県の要綱で確認してください。TAISに掲載のある製品は、比較表で絞り込めます。
見守り機器
選び方は見守りセンサーの選び方で整理しています。
介護ソフト
選び方は介護ソフトの選び方を参照してください。
インカム・スタッフ間の連絡
スタッフ間連絡のツールは介護のコミュニケーションツールでも扱っています。
よくある質問
ICT導入支援事業はなくなったのですか
令和6年度に介護ロボット導入支援事業と統合され、介護テクノロジー導入支援事業になりました。介護ソフト、タブレット端末、インカムなどのICTは、統合後も補助の対象に入っています。タブレットで記録を取るときの加算の要件と持ち出しのルールは介護記録をタブレットで取る記事にまとめています。
すでに買った機器は補助の対象になりますか
兵庫県の令和8年度の要綱では、交付決定の前に導入した機器は補助対象外です。ほかの都道府県でも、契約・購入してよい時期は実施要綱で決められているため、発注の前に確認してください。
介護ロボットも補助金の対象ですか
対象です。国の資料では、「介護テクノロジー利用における重点分野」に当てはまる介護ロボットが補助の対象とされ、令和6年度補正の資料では、テクノエイド協会の福祉用具情報システム(TAIS)で「介護テクノロジー」として選定された機器は原則として補助対象とされています。国の資料にある上限額は、令和7年度当初(基金)で移乗支援・入浴支援の機器が100万円、それ以外が30万円、令和6年度補正では、移乗支援・入浴支援の機器と、重点分野によらず都道府県が有効と判断した機器が1機器あたり100万円、それ以外の機器が1機器あたり30万円です。実際の補助割合と上限額は都道府県の実施要綱で決まり、令和8年度の大阪府・兵庫県は導入費(対象経費)の4/5を補助します。どの機器が重点分野に入るかは介護テクノロジー利用の重点分野で確かめられます。
補助を受けたあとに何が必要ですか
業務改善計画に沿った取組と、その効果の報告です。令和6年度補正予算や令和7年度補正予算等で補助を受けた事業所は、補助を受けた翌年度から3年間、効果の報告を求められます。
令和8年度の募集はもう終わりましたか
都道府県によって違います。大阪府は令和8年7月13日で事前エントリーを締め切り、兵庫県は7月6日が申請見込額調査の期限でした。受付の時期と方法は、所在地の都道府県のページで確認してください。
出典
- 厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業(令和6年度当初予算)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001258062.pdf - 厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業(令和7年度当初予算)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001476528.pdf - 厚生労働省「介護テクノロジー導入・協働化等支援事業(令和6年度補正予算)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001596362.pdf - 厚生労働省「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料(令和8年3月・高齢者支援課)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001669793.pdf - 厚生労働省「介護テクノロジーの利用促進」
https://www.mhlw.go.jp/stf/kaigo-ict.html - 大阪府「令和8年度大阪府介護テクノロジー導入支援事業」
https://www.pref.osaka.lg.jp/o090100/koreishisetsu/kaigo_technology/tech.html - 大阪府「令和8年度大阪府介護テクノロジー導入支援事業(リーフレット)」
https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/106656/tech-leaf.pdf - 兵庫県「介護業務における介護テクノロジー導入支援事業」
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf05/2024_robo_ict_hojo.html - 兵庫県「介護業務における介護テクノロジー導入支援事業実施要綱」
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf05/documents/jisshiyoukoukakuteiban.pdf - 兵庫県「介護業務における生産性向上支援(業務改善支援)事業【コンサル補助金】」
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf05/r3seisanseikoujou.html - 厚生労働省 介護現場の生産性向上の取組・普及支援ナビ「相談窓口のご案内」
https://www.mhlw.go.jp/kaigoseisansei/pf/soudan/info.html
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