認知症対応型通所介護とは|単独型・併設型・共用型の違い、定員12人以下、人員基準と基本報酬【2026年】

要点
認知症対応型通所介護は、認知症である居宅要介護者を老人デイサービスセンター等に通わせ、入浴・排せつ・食事等の介護その他の日常生活上の世話と機能訓練を行うサービスです(介護保険法第8条第18項)。地域密着型サービスの1つで(同条第14項)、単独型・併設型は1単位の利用定員が12人以下、共用型はグループホームの場合ユニットごとに1日3人以下です。事業所数は令和6年10月1日時点で3,370か所です(令和7年12月19日公表の調査。2026年11月5日に確認)。この記事では、3つの類型、定員、人員基準、基本報酬、令和9年度改定の論点を、法令と厚生労働省の資料の原文から整理します。
- 12人以下単独型・併設型の利用定員単位ごと
- 3人以下共用型の1日の利用定員ユニット型の地域密着型特養は別
- 994単位単独型・要介護1の基本報酬7時間以上8時間未満
- 3,370事業所数令和6年10月1日時点
認知症対応型通所介護とは
認知症対応型通所介護とは、利用者を認知症の人に限ったデイサービスです。介護保険法第8条第18項が定義し、指定地域密着型サービスの基準(平成18年厚生労働省令第34号)第41条は、認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者を対象から除いています。
同条は事業の目的として、利用者の社会的孤立感の解消、心身の機能の維持、利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を挙げています。地域密着型サービスなので、指定するのは市町村長です(第42条の2第1項)。同じ地域密着型のデイサービスである地域密着型通所介護とは、対象者と定員、報酬が違います。
3つの類型:単独型・併設型・共用型
類型は、事業所をどこに置くかで単独型・併設型・共用型の3つに分かれます(基準第42条・第45条)。
単独型
1単位12人以下
- 特別養護老人ホーム等に併設されていない事業所
併設型
1単位12人以下
- 特別養護老人ホーム等に併設されている事業所
共用型
原則1日3人以下
- グループホームなどの居間や食堂で、入居者とともにサービスを受ける
「特別養護老人ホーム等」は、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、社会福祉施設、特定施設を指します。
共用型は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の居間・食堂、地域密着型特定施設や地域密着型介護老人福祉施設の食堂・共同生活室で、その利用者・入居者とともに行う形です(第45条)。
類型別の割合は次のとおりです(第258回介護給付費分科会資料1、令和7年4月審査分、介護予防を除く)。
定員:単独型・併設型は12人以下、共用型は原則1日3人以下
単独型・併設型の利用定員は、単位ごとに12人以下です(基準第42条第4項)。共用型は、本体の事業所の種類によって数え方が違います(第46条第1項)。
| 本体の事業所 | 共用型の利用定員 |
|---|---|
| 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 共同生活住居(ユニット)ごとに1日当たり3人以下 |
| 地域密着型特定施設、地域密着型介護老人福祉施設(ユニット型を除く) | 施設ごとに1日当たり3人以下 |
| ユニット型の地域密着型介護老人福祉施設 | ユニットごとに、入居者との合計が1日当たり12人以下 |
共用型を行う事業者には、指定居宅サービス事業等の運営について3年以上の経験が求められます(第46条第2項)。
人員基準と設備(単独型・併設型)
単独型・併設型は、生活相談員、看護職員または介護職員、機能訓練指導員を置きます(基準第42条)。
| 職種 | 必要な数 |
|---|---|
| 生活相談員 | 提供時間帯を通じて専従で1以上 |
| 看護職員または介護職員 | 単位ごとに専従で1以上。加えて提供時間数に応じて1以上(常時1人以上が従事) |
| 機能訓練指導員 | 1以上 |
生活相談員、看護職員、介護職員のうち1人以上は常勤でなければなりません。
設備は、食堂、機能訓練室、静養室、相談室、事務室を備えます(第44条)。食堂と機能訓練室を合わせた面積は、3平方メートルに利用定員を乗じた面積以上です。
共用型の従業者は、本体のグループホームなどの利用者数と共用型の利用者数を合計した数について、本体の事業の人員基準を満たす数以上を置きます(第45条)。
管理者:常勤専従で、研修の修了が要る
管理者は常勤専従で(管理上支障がなければ兼務できます)、厚生労働大臣が定める研修を修了している必要があります(基準第43条)。共用型の管理者も同じです(第47条)。
計画と運営推進会議
管理者は、利用者ごとに認知症対応型通所介護計画を作ります(基準第52条)。すでに居宅サービス計画が作られているときはその内容に沿って作り、利用者または家族に説明して同意を得たうえで交付します。従業者は、計画に沿ったサービスの実施状況と目標の達成状況を記録します。
地域密着型サービスなので、運営推進会議も開きます。地域密着型通所介護の規定(第34条)が準用され、おおむね6月に1回以上開いて、記録を作成し公表します(第61条)。
基本報酬:通所介護より高い
基本報酬は、単独型・併設型・共用型で違い、単独型が最も高くなっています。7時間以上8時間未満の単位数は次のとおりです(第258回介護給付費分科会資料1)。
| 要介護度 | 単独型 | 併設型 | 共用型 |
|---|---|---|---|
| 要支援1 | 861単位 | 773単位 | 484単位 |
| 要支援2 | 961単位 | 864単位 | 513単位 |
| 要介護1 | 994単位 | 894単位 | 523単位 |
| 要介護2 | 1,102単位 | 989単位 | 542単位 |
| 要介護3 | 1,210単位 | 1,086単位 | 560単位 |
| 要介護4 | 1,319単位 | 1,183単位 | 578単位 |
| 要介護5 | 1,427単位 | 1,278単位 | 598単位 |
同じ時間区分の要介護1で比べると、地域密着型通所介護(定員18名以下)は753単位、通常規模型の通所介護は658単位です。第270回介護給付費分科会資料1は、認知症対応型通所介護について、小規模であることや、認知症の利用者を対象とした専門的なケアを提供するサービスであることから、通常型通所介護や地域密着型通所介護より高い基本報酬としていると説明しています。
主な加算には、若年性認知症利用者受入加算(60単位/日)、入浴介助加算(40単位/日・55単位/日)、個別機能訓練加算(27単位/日)、科学的介護推進体制加算(40単位/月)があります。サービス提供時間に送迎の時間は含まれず、送迎を行わない場合は片道47単位が減算されます。
事業所数:3,370か所で、減少が続く
事業所数は、令和6年10月1日時点で3,370か所です(令和6年介護サービス施設・事業所調査の概況)。令和5年の3,505か所から135か所、3.9%減りました。令和2年からの推移は、3,868、3,753、3,701、3,505、3,370か所です。介護予防認知症対応型通所介護は3,117か所です。
第258回介護給付費分科会資料1によると、請求事業所数は平成27年度まで増加し、その後は減少しています。利用者は要介護1が最も多く、次いで要介護2です。
令和9年度改定の論点
令和9年度改定では、基本報酬の在り方そのものが検討の対象になっています。第270回介護給付費分科会資料1(令和8年10月14日)の対応案は次の2点です。
- 地域密着型通所介護の報酬体系やその単位数も参考にしつつ、基本報酬の在り方、認知症高齢者の日常生活自立度からみて重度な利用者を多く受け入れている事業所を評価すること等を検討する
- 地域住民をはじめとした多様な主体と連携しながら、例えば、認知症の人が自ら意思決定して地域における多様な社会参加の機会等を確保する事業所などを評価するための、新たな報酬設定を検討する
どちらも「検討してはどうか」という案の段階で、単位数や要件は決まっていません。改定全体の日程は令和9年度介護報酬改定の記事で追っています。
計画・記録・請求に使う介護ソフト
認知症対応型通所介護計画の作成、実施状況と目標の達成状況の記録、国保連への請求は、通所系に対応した介護ソフトで扱います。通所系に対応した介護ソフトは次のとおりです。
対応製品は通所介護向け介護ソフトの比較と通所系の立場からの探し方で絞り込めます。掲載データの対象サービスは「通所系」でまとめているので、認知症対応型通所介護(地域密着型サービス)の請求に対応しているかどうかは、各製品の公式サイトで確かめてください。
認知症の人のケアを支える機器は認知症ケア支援のカテゴリに載せています。
よくある質問
認知症対応型通所介護と通所介護の違いは何ですか
対象者、定員、指定する自治体、報酬が違います。認知症対応型通所介護は認知症の人が対象で、単独型・併設型の定員は単位ごとに12人以下、指定するのは市町村長です。基本報酬は通所介護より高く設定されています(7時間以上8時間未満・要介護1で、単独型994単位、通常規模型の通所介護658単位)。
共用型とは何ですか
グループホームの居間・食堂や、地域密着型特定施設・地域密着型介護老人福祉施設の食堂・共同生活室で、その入居者とともにサービスを受ける類型です。利用定員は、グループホームではユニットごとに1日当たり3人以下です。
管理者に必要な研修はありますか
あります。管理者は常勤専従で、厚生労働大臣が定める研修を修了している必要があります(基準第43条。共用型は第47条)。
運営推進会議は開く必要がありますか
あります。地域密着型通所介護の規定が準用され、おおむね6月に1回以上開いて、記録を作成し公表します(基準第61条)。
出典
- e-Gov法令検索「介護保険法(平成9年法律第123号)」
https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - e-Gov法令検索「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)」
https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100034 - 厚生労働省「社会保障審議会介護給付費分科会 第258回 資料1 通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護」(令和8年6月15日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001725439.pdf - 厚生労働省「社会保障審議会介護給付費分科会 第270回 資料1 通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護(改定の方向性)」(令和8年10月14日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001759344.pdf - 厚生労働省「令和6年介護サービス施設・事業所調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/service24/dl/gaikyo.pdf
制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年11月5日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。








