更新情報11/5(木)

小規模多機能型居宅介護とは|登録定員29人・通い15人・宿泊9人の仕組み、人員基準、月額の報酬、事業所数、看多機との違い【2026年】

介護ツールナビ編集部公開

要点

小規模多機能型居宅介護とは、居宅の要介護者が1つの事業所に登録し、その事業所が「通い」「訪問」「宿泊」を本人の状態や希望に合わせて組み合わせて提供する、市町村が指定する地域密着型サービスです(介護保険法第8条第19項)。登録定員は29人以下、通いサービスの利用定員は15人まで(登録定員が26〜27人なら16人、28人なら17人、29人なら18人)、宿泊サービスは9人までです。報酬は利用回数ではなく要介護度ごとの月額で、令和6年度改定後は要介護1で10,458単位、要介護5で27,209単位(同一建物に居住する人以外)です。事業所数は令和6年10月1日時点で全国5,478か所、月の受給者数は約10万人です。

数字小規模多機能型居宅介護の定員と運営の数字(基準第66条・第88条)
  • 29人登録定員の上限サテライト型は18人
  • 15人通いサービスの利用定員登録26〜29人は16〜18人
  • 9人宿泊サービスの利用定員通いの定員の1/3から9人まで
  • 2月に1回運営推進会議おおむね2月に1回以上

小規模多機能型居宅介護とは

介護保険法第8条第19項は、小規模多機能型居宅介護を、居宅要介護者について「その者の選択に基づき、その者の居宅において、又は厚生労働省令で定めるサービスの拠点に通わせ、若しくは短期間宿泊させ、当該拠点において、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省令で定めるもの及び機能訓練を行うこと」と定めています。訪問介護・通所介護・短期入所を別々の事業所と契約するのではなく、1つの事業所の同じ職員が3つのサービスを担うのが特徴です。要支援1・2の人には、介護予防小規模多機能型居宅介護(同法第8条の2第14項)があります。

運営の基準(指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準。以下「基準」)第62条は、基本方針を「家庭的な環境と地域住民との交流の下で」介護と機能訓練を行い、「利用者がその有する能力に応じその居宅において自立した日常生活を営むことができるようにする」こととしています。地域密着型サービスの9つの種類と、都道府県が指定するサービスとの違いは地域密着型通所介護の記事にまとめています。

登録定員と利用定員:登録29人・通い15人・宿泊9人

基準第66条は、登録定員を29人以下(サテライト型の事業所は18人以下)とし、通いと宿泊の利用定員をその範囲で次のように定めています。

区分定員根拠
登録定員29人以下(サテライト型は18人以下)基準第66条第1項
通いサービスの利用定員登録定員の1/2から15人まで。登録定員が26人または27人なら16人、28人なら17人、29人なら18人まで(サテライト型は12人まで)基準第66条第2項第1号
宿泊サービスの利用定員通いサービスの利用定員の1/3から9人まで(サテライト型は6人まで)基準第66条第2項第2号

登録者数は定員を超えてはいけません(基準第82条。過疎地域などの特例があります)。一方で基準第73条第8号は、通いサービスの利用者が登録定員に比べて「著しく少ない状態が続くものであってはならない」とも定めており、登録だけして使われない状態も認められていません。通いを利用しない日は、訪問サービスの提供や電話連絡による見守りなどを行います(同条第9号)。

人員基準:日中は通い3対1と訪問1人以上、看護職員と介護支援専門員

従業者の配置は基準第63条、管理者は第64条、代表者は第65条で定められています。利用者数は前年度の平均値で計算します(新規の事業所は推定数)。

職種配置基準
日中の通いサービス利用者3人またはその端数を増すごとに1人以上
日中の訪問サービス1人以上
夜間・深夜夜勤を行う者1人以上と、宿直に必要な数以上。宿泊の利用者がいない夜は、連絡体制があれば置かないことができる
看護職員従業者のうち1人以上は看護師または准看護師
介護支援専門員居宅サービス計画と小規模多機能型居宅介護計画の作成に専ら従事する者を置く。厚生労働大臣が定める研修を修了していること
管理者専ら職務に従事する常勤の者(支障がなければ兼務できる)。特別養護老人ホームや老人デイサービスセンターなどで3年以上認知症の人の介護に従事した経験があり、厚生労働大臣が定める研修を修了していること
代表者認知症の人の介護に従事した経験、または保健医療サービス・福祉サービスの経営に携わった経験があり、厚生労働大臣が定める研修を修了していること

従業者のうち1人以上は常勤でなければなりません(第63条第3項)。サテライト型の事業所には、本体の事業所との連携を前提にした緩和があります(同条第7〜9項)。管理者・代表者・介護支援専門員に求められる研修の正式な名称は、所在地の都道府県・市町村の案内で確認してください。

設備基準:宿泊室は1人あたり7.43㎡

基準第67条は、居間、食堂、台所、宿泊室、浴室、消火設備その他の非常災害に必要な設備を求めています。

  • 居間と食堂: 機能を十分に発揮できる適当な広さがあること
  • 宿泊室: 1室の定員は1人(処遇上必要なら2人)。1室の床面積は7.43㎡以上。個室以外の宿泊室は、おおむね7.43㎡に(宿泊の利用定員から個室の定員を引いた数)を掛けた面積以上
  • 立地: 住宅地か、住宅地と同じ程度に家族や地域住民との交流の機会が確保される地域にあること(第67条第4項)

運営の特徴:ケアプランも事業所が作り、運営推進会議は2月に1回

小規模多機能型居宅介護では、登録者の居宅サービス計画(ケアプラン)を、外部の居宅介護支援事業所ではなく、その事業所の介護支援専門員が作ります(基準第74条)。作成は居宅介護支援の基準第13条の方針に沿って行います。あわせて、援助の目標と具体的なサービスの内容を書いた小規模多機能型居宅介護計画を作り、それを基本にしつつ、利用者の日々の様態や希望を勘案して、通い・訪問・宿泊を随時組み合わせます(第77条第3項)。計画は利用者に説明して同意を得て交付します。ケアプランの様式とソフトでの作成の流れはケアプラン作成ソフトの選び方にまとめています。

手順登録から日々のサービスまでの流れ(基準第73・74・77条)
  1. 登録利用者が1つの事業所に登録する。登録定員は29人以下
  2. 居宅サービス計画の作成事業所の介護支援専門員が作る(第74条)
  3. 小規模多機能型居宅介護計画の作成援助の目標と具体的なサービスの内容を書き、同意を得て交付する(第77条)
  4. 通い・訪問・宿泊を組み合わせる日々の様態と希望を勘案して随時組み合わせる。通いを使わない日は訪問や電話で見守る(第73条)

運営推進会議は、利用者・家族・地域住民の代表者・市町村の職員または地域包括支援センターの職員・知見のある人などで構成し、事業所は「通いサービス及び宿泊サービスの提供回数等の活動状況」を報告して評価を受け、要望や助言を聴きます。開催の頻度は、第88条が第34条を読み替えて準用しているため、地域密着型通所介護の「おおむね6月に1回」ではなくおおむね2月に1回以上です。会議の記録は公表します。

このほか、非常災害対策(第82条の2)、協力医療機関(第83条)、生産性向上のための委員会(第86条の2。生産性向上委員会の記事)、記録を完結の日から2年間保存すること(第87条。介護記録の保存期間の記事)が定められています。

基本報酬:要介護度ごとの月額と、主な加算

報酬は1月あたりの定額で、同一建物に居住する人かどうかで2つに分かれます。令和6年度改定後の単位数は次のとおりです(指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準。令和6年厚生労働省告示第86号による改正後)。短期利用の場合は1日あたりの単位数です。

区分同一建物以外(1月)同一建物居住者(1月)短期利用(1日)
要支援1(介護予防)3,450単位3,109単位424単位
要支援2(介護予防)6,972単位6,281単位531単位
要介護110,458単位9,423単位572単位
要介護215,370単位13,849単位640単位
要介護322,359単位20,144単位709単位
要介護424,677単位22,233単位777単位
要介護527,209単位24,516単位843単位

1単位の金額は地域区分で変わります(地域区分の記事)。令和6年度改定の主な変更点は次のとおりです(厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」)。

  • 総合マネジメント体制強化加算: 地域包括ケアの推進と地域共生社会の実現に資する取組を評価する区分として(Ⅰ)1,200単位/月を新設し、従来の区分は(Ⅱ)800単位/月になりました。(Ⅰ)の要件には、多職種協働による計画の随時の見直し、地域住民等との交流や地域行事への参加、地域住民等からの相談への対応体制、インフォーマルサービスを含む包括的な居宅サービス計画の作成などがあります
  • 認知症加算: 専門研修を修了した人の配置などを要件とする(Ⅰ)920単位・(Ⅱ)890単位を新設し、従来の(Ⅰ)800単位・(Ⅱ)500単位は区分名を(Ⅲ)760単位・(Ⅳ)460単位に変えて引き下げ
  • 新設の減算: 身体拘束廃止未実施減算、高齢者虐待防止措置未実施減算、業務継続計画未実施減算(いずれも所定単位数の100分の1)。委員会の要件は虐待防止委員会の記事と身体拘束適正化委員会の記事にまとめています

第269回介護給付費分科会の資料によると、総合マネジメント体制強化加算(Ⅰ)を算定している事業所の割合は小規模多機能型居宅介護で68.5%、(Ⅱ)は20.7%、介護予防小規模多機能型居宅介護では(Ⅰ)70.2%・(Ⅱ)22.4%です(事業所ベース、令和7年11月審査分)。処遇改善加算の令和8年度の加算率は処遇改善加算 令和8年度の記事で説明しています。

事業所数と利用の状況

令和6年介護サービス施設・事業所調査によると、小規模多機能型居宅介護の事業所数は令和6年10月1日時点で5,478か所(前年比45か所減・0.8%減)、介護予防小規模多機能型居宅介護は5,037か所です。開設主体は営利法人47.7%、社会福祉法人32.2%、医療法人10.8%、NPO法人5.4%です。

年(各10月1日)事業所数
令和2年5,556
令和3年5,614
令和4年5,570
令和5年5,523
令和6年5,478

令和7年度介護給付費等実態統計では、小規模多機能型居宅介護(短期利用以外)の月の受給者数は98.9〜101.5千人(令和7年5月〜令和8年4月審査分)、年間実受給者数は143.2千人(前年度比1.9%減)、年間の費用額は2,827億6,600万円(前年度比0.9%減)です。

第269回介護給付費分科会(令和8年10月9日)の資料は、請求事業所数が令和元年度以降ほぼ横ばいで直近は3年連続で減少し、受給者数は令和3年をピークに減少、費用額は年々増加していると整理しています。なお、その後に公表された令和7年度の介護給付費等実態統計では、費用額は前年度比0.9%の減少に転じています。利用者の平均要介護度は2.4、要介護3〜5の利用者は42.9%で、独居が約46%、認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ以上の利用者は約37%です。収支差率は令和4年度3.5%、令和5年度5.2%、令和6年度6.0%です。第9期介護保険事業計画では、令和5年度の実績11万人から令和8年度にかけて13万人(13%増)の見込み量が置かれています。

看護小規模多機能型居宅介護(看多機)との違い

看護小規模多機能型居宅介護は、介護保険法第8条第23項の「複合型サービス」のうち、訪問看護と小規模多機能型居宅介護を一体的に提供するものです。通い・訪問・宿泊に加えて、「療養上の世話又は必要な診療の補助」を行う点が違います。

比較小規模多機能型居宅介護と看護小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護

通い・訪問・宿泊

  • 日常生活上の世話と機能訓練(第8条第19項)
  • 従業者のうち1人以上が看護師または准看護師
  • 5,478事業所(令和6年10月1日)

看護小規模多機能型居宅介護

通い・訪問・宿泊+訪問看護

  • 療養上の世話または必要な診療の補助も行う(第8条第23項)
  • 法律上の名称は「複合型サービス」
  • 1,074事業所(令和6年10月1日・前年比8.0%増)

医療的なケアが日常的に必要な人は看多機、介護と見守りが中心の人は小規模多機能型居宅介護が候補になります。認知症の人が共同生活住居で暮らす認知症対応型共同生活介護との違いは認知症グループホームの記事で説明しています。

令和9年度改定に向けた論点(2026年11月4日時点)

令和8年10月9日の第269回社会保障審議会介護給付費分科会で、小規模多機能型居宅介護の改定の方向性が議題になりました。資料2の論点は次の3つです。

論点主な検討事項
① 独居・認知症高齢者への対応中重度者への対応に加え、軽度者の状態維持や重度化防止に資する機能をどう評価するか。現行の要介護度別に設定された基本サービス費の在り方
② 安定的な事業運営のための職員配置と利用者確保利用者数を前年度平均値で計算する扱い、訪問サービスの利用者の有無にかかわらず日中1人以上の訪問従事者を置く配置の在り方、区域外へのサービス提供の評価
③ 住まいの形態に合わせた報酬の在り方同一建物等に居住する利用者への訪問の扱い

改定の全体のスケジュールと他のサービスの論点は介護報酬改定 2027の記事にまとめています。厚生労働省からの新しい通知は介護保険最新情報の記事の探し方で追えます。

小規模多機能型居宅介護の介護ソフト

小規模多機能型居宅介護では、1つの事業所で居宅サービス計画と小規模多機能型居宅介護計画の両方を作り、通い・訪問・宿泊の実績を1人の利用者ごとに記録し、月額の報酬を国保連に請求します。介護ソフトを選ぶときは、対象サービスに小規模多機能型居宅介護(できれば介護予防と看多機も)が入っているか、3つのサービスの予定と実績を1つの画面で管理できるか、運営推進会議の資料になる提供回数の集計が出せるかを確かめます。選び方の全体は介護ソフトの選び方、通所系の比較一覧は通所系の介護ソフトと通所系の立場別ページで見られます。

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編集部スコア順(2026年11月5日時点)。当てはまる49本のうち15本を表示。スコアは機能の優劣ではなく、選ぶための公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

当てはまる49本をすべて見る

見守り機器を宿泊室に入れる場合は見守りセンサーの選び方、導入費の補助は介護テクノロジー導入支援事業の記事を参考にしてください。

よくある質問

小規模多機能型居宅介護を使うと、ほかのサービスは使えなくなりますか

小規模多機能型居宅介護は、通い・訪問・宿泊を1つの事業所が提供し、ケアプランもその事業所の介護支援専門員が作る仕組みです(基準第74条)。併用できるサービスの範囲は介護報酬の算定基準で決まっており、利用者ごとの扱いは登録先の事業所と市町村に確認してください。

通いの定員は何人ですか

基準第66条第2項では、通いサービスの利用定員は登録定員の1/2から15人までです。登録定員が26人または27人なら16人、28人なら17人、29人なら18人まで認められます。宿泊は通いの利用定員の1/3から9人までです。

運営推進会議はどのくらいの頻度で開きますか

おおむね2月に1回以上です(基準第88条で第34条の「六月」を「二月」に読み替えて準用)。通いと宿泊の提供回数などの活動状況を報告し、評価を受け、記録を公表します。

看護小規模多機能型居宅介護との違いは何ですか

看護小規模多機能型居宅介護は、訪問看護と小規模多機能型居宅介護を一体的に提供するサービスで、通い・訪問・宿泊に加えて療養上の世話または必要な診療の補助を行います(介護保険法第8条第23項)。事業所数は令和6年10月1日時点で1,074か所です。

出典

  1. e-Gov法令検索「介護保険法(平成9年法律第123号)」
    https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123
  2. e-Gov法令検索「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)」
    https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100034
  3. 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001230329.pdf
  4. 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示(令和6年厚生労働省告示第86号)新旧対照表」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001227814.pdf
  5. 厚生労働省「令和6年介護サービス施設・事業所調査の概況」
    https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/service24/dl/gaikyo.pdf
  6. 厚生労働省「令和7年度介護給付費等実態統計の概況」
    https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/25/dl/11.pdf
  7. 厚生労働省「第269回社会保障審議会介護給付費分科会(令和8年10月9日)」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76456.html
  8. 厚生労働省「第269回社会保障審議会介護給付費分科会 資料2 小規模多機能型居宅介護」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001763677.pdf

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年11月4日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

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