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地域包括支援センターとは|役割・4つの業務・職員配置基準・設置数を法令で解説【2026年】

介護ツールナビ編集部公開

要点

地域包括支援センターは、市町村が設置し、高齢者の総合相談・権利擁護・ケアマネジャーへの支援・介護予防のケアマネジメントを担う機関です(介護保険法第115条の46)。設置は市町村の直営か、社会福祉法人・医療法人などへの委託で行われ、全国に5,487か所(ブランチを含めると7,374か所。令和7年4月末時点)あります。職員は、担当区域の第1号被保険者おおむね3,000人以上6,000人未満ごとに、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員の3職種を常勤専従で1人ずつ置くのが基準です。介護事業所から見ると、総合事業の利用者のケアプランを受け取る相手であり、地域密着型サービスの運営推進会議に職員が参加する相手でもあります。

地域包括支援センターとは

地域包括支援センターは、介護保険法第115条の46第1項で「地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設」と定められています。実施する事業は次の3つです。

  • 第一号介護予防支援事業: 総合事業の対象者に対する介護予防ケアマネジメント(居宅要支援被保険者に係るものを除く)
  • 包括的支援事業: 介護保険法第115条の45第2項第1号から第6号に掲げる事業(次の節で説明します)
  • 厚生労働省令で定める事業: 要支援1・2の人の介護予防ケアマネジメント、一般介護予防事業の一部、任意事業(施行規則第140条の64)

設置できるのは市町村です(同条第2項)。市町村から包括的支援事業の委託を受けた法人も、市町村長に届け出てセンターを設置できます(同条第3項)。厚生労働省は、地域包括ケアを実現する「中核的な機関」と位置づけています。

名前が似ている「居宅介護支援事業所」は、要介護者のケアプランを作る指定事業者で、別のものです。居宅介護支援事業所側のソフト選びはケアプラン作成ソフトの選び方にまとめています。

4つの業務(包括的支援事業の中身)

センターの中心業務は、介護保険法第115条の45第2項に並ぶ「包括的支援事業」です。この記事では、条文の第1号から第3号と第6号を「4つの業務」として説明します。

数字地域包括支援センターの4つの業務
  • 総合相談支援心身の状況や生活実態を把握し、保健・医療・福祉の情報提供と関係機関との連絡調整を行う(第1号)
  • 権利擁護虐待の防止・早期発見、その他の権利擁護に必要な援助を行う(第2号)
  • 包括的・継続的ケアマネジメント支援専門職がケアプランを検証し、ケアマネジャーを支える(第3号)
  • 認知症総合支援認知症の早期の悪化防止など、認知症の人への総合的な支援を行う(第6号)

このほか、第4号の在宅医療・介護連携の推進、第5号の生活支援体制の整備も包括的支援事業に含まれます。第4号から第6号は、他の包括的支援事業と切り離して別の法人に委託できます(第115条の47第2項)。ただし、第4号から第6号だけを受託した法人はセンターを設置できません(第115条の46第3項のかっこ書き)。

介護予防ケアマネジメントでは、要支援1・2の人や総合事業の対象者のケアプランを作ります。通所型・訪問型の総合事業を受けている事業所は、センターからサービス提供の依頼と計画を受け取る側になります。

職員の配置基準(3職種)

職員の基準は、市町村が条例で定めます。その条例は、介護保険法施行規則第140条の66の基準に「従う」ことになっています。

担当区域の第1号被保険者数置くべき常勤・専従の職員
おおむね3,000人以上6,000人未満ごと保健師1人、社会福祉士1人、主任介護支援専門員1人(それぞれ「準ずる者」を含む)
おおむね2,000人以上3,000人未満保健師等1人と、社会福祉士等または主任介護支援専門員等1人
おおむね1,000人以上2,000人未満3職種のうち2人(1人は常勤専従)
おおむね1,000人未満3職種のうち1人または2人

表の2行目以降は、第1号被保険者がおおむね3,000人未満の市町村にセンターを置く場合、合併市町村・一部事務組合・広域連合の場合、地理的条件などから特定の生活圏域に1か所置く必要があると運営協議会が認めた場合に使える特例です(同条第1号ハ)。条文は「保健師その他これに準ずる者」のように、各職種に「準ずる者」を認めています。また、運営協議会が効果的な運営に資すると認めるときは、複数のセンターの担当区域を1つの区域とみなして3職種を合算して配置できます。この場合も、各センターには3職種のうち2人以上を置きます(同条第1号ロ)。

センターの設置者には、法律で次の義務もあります(第115条の46第4項〜第10項)。

  • 事業の質の評価を自ら行い、質の向上を図る
  • 介護サービス事業者、医療機関、民生委員などと連携に努める
  • 設置者(法人なら役員)と職員は、業務で知った秘密を漏らしてはならない(退職後も同じ)
  • 市町村は定期的にセンターの事業を評価し、センター設置時などに事業内容と運営状況を公表するよう努める

直営と委託の違い

センターは市町村の直営のほか、法人への委託で運営できます。委託先は介護保険法第115条の47第1項と施行規則第140条の67で定められています。

比較直営と委託

直営

市町村が自ら設置

  • 市町村が示す方針に沿って運営する
  • 介護予防ケアマネジメントと包括的支援事業を直接行う

委託

法人が届け出て設置

  • 市町村が方針を示して包括的支援事業を委託する
  • 委託先は老人介護支援センターの設置者、医療法人、社会福祉法人、一般社団法人・一般財団法人、NPO法人など

どちらでも、市町村が運営方針を示し、地域包括支援センター運営協議会(介護サービス事業者・利用者・権利擁護団体・学識経験者などで構成)がセンターの運営を点検します。事業所の立場では、相談や委託の窓口が市町村なのか法人なのかが変わるだけで、センターが担う業務は同じです。

全国の設置数

厚生労働省の「地域包括ケアシステム」のページでは、令和7年4月末時点で全国に5,487か所、ブランチ(支所)を含めると7,374か所が設置されているとしています。最新の数と内訳は厚生労働省の同ページで確認してください。

介護事業所との接点

センターは相談窓口であると同時に、介護事業所と制度上の接点を持っています。実務の流れは次のとおりです。

関係事業所とセンターの接点(実務の流れ)
  1. 地域包括支援センター総合事業のケアプラン
  2. 依頼・計画を渡す
  3. 通所・訪問の事業所サービスを提供
  4. 実績を報告
  5. 地域包括支援センター評価・モニタリング
  • 総合事業(第1号事業)の利用者: 要支援者のケアプランはセンターまたは居宅介護支援事業所が作ります(介護保険法第8条の2第16項)。実務では、事業所はサービス提供票や実績の報告をセンターと取り交わします。報告の書式はサービス提供票の記事で、総合事業の対象者・サービス類型・単価の決め方は総合事業の記事で説明しています
  • 地域密着型サービスの運営推進会議: 地域密着型通所介護などの事業所が設ける運営推進会議には、市町村の職員または地域包括支援センターの職員が構成員として入ります(指定地域密着型サービス基準第34条)。会議の中身は地域密着型通所介護の記事にまとめました
  • 地域ケア会議: 包括的・継続的ケアマネジメント支援の一環で、個別事例の検討にケアマネジャーや事業所が呼ばれることがあります

センター側の事務(介護予防ケアマネジメントの計画作成・給付管理・総合事業の請求)は、介護ソフトのうち地域包括支援センター向けの機能を持つ製品で扱います。対応製品は地域包括支援センター向け介護ソフトで一覧にしており、主任介護支援専門員の立場からの探し方はケアマネジャー向けの一覧にあります。

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よくある質問

地域包括支援センターと居宅介護支援事業所は何が違いますか

地域包括支援センターは市町村が設置する機関で、要支援者の介護予防ケアマネジメントと、総合相談・権利擁護・ケアマネジャー支援・認知症支援を担います(介護保険法第115条の46)。居宅介護支援事業所は、要介護者のケアプランを作る指定事業者です。実務では、要支援から要介護に変わると、担当がセンターから居宅介護支援事業所に移るのが基本の流れです。

地域包括支援センターの職員は何人必要ですか

担当区域の第1号被保険者がおおむね3,000人以上6,000人未満ごとに、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員(それぞれ準ずる者を含む)を常勤専従で1人ずつ置くのが、介護保険法施行規則第140条の66の基準です。第1号被保険者がおおむね3,000人未満の市町村などには、人数を減らす特例があります。実際の人数は市町村の条例で決まります。

地域包括支援センターは全国にいくつありますか

厚生労働省のページによると、令和7年4月末時点で5,487か所、ブランチ(支所)を含めると7,374か所です。

民間の法人が地域包括支援センターを運営できますか

できます。市町村から包括的支援事業の委託を受けた法人が、市町村長に届け出てセンターを設置します(介護保険法第115条の46第3項、第115条の47第1項)。委託先になれるのは、老人介護支援センターの設置者、医療法人、社会福祉法人、一般社団法人・一般財団法人、NPO法人などです(施行規則第140条の67)。

出典

  1. e-Gov法令検索「介護保険法(平成9年法律第123号)」
    https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123
  2. e-Gov法令検索「介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)」
    https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100036
  3. 厚生労働省「地域包括ケアシステム」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/index.html
  4. e-Gov法令検索「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)」
    https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100034

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月27日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

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