介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)とは|対象者、サービス・活動A〜Dと従前相当、単価と利用料、継続利用要介護者、実施状況【2026年】

要点
介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)とは、市町村が、被保険者が要介護状態等になることの予防、要介護状態等の軽減・悪化の防止、地域における自立した日常生活の支援のための施策を総合的かつ一体的に行うために、地域支援事業として実施する事業です(介護保険法第115条の45第1項)。要支援1・2の人(居宅要支援被保険者)と、基本チェックリストで該当した65歳以上の「事業対象者」を対象に、訪問型サービス・通所型サービス・その他の生活支援サービス・介護予防ケアマネジメントからなる「サービス・活動事業」と、65歳以上の全員を対象にする「一般介護予防事業」を行います。サービスは、旧介護予防訪問介護・通所介護にあたる「従前相当サービス」と、基準を緩和した「サービス・活動A」、住民主体の「サービス・活動B」、保健・医療の専門職が3〜6か月の短期集中で行う「サービス・活動C」、移動支援の「サービス・活動D」に分かれ、単価と利用料は国の定める額を勘案して市町村が決めます。令和6年4月1日からは、要介護認定を受けた後も継続して使う「継続利用要介護者」が、サービス・活動A・B・Dとその他の生活支援サービスを使えるようになりました。令和7年3月末時点で、従前相当サービスは訪問型で1,621市町村(93.1%)、通所型で1,616市町村(92.8%)が実施し、サービス・活動Aは訪問型887市町村(50.9%)、通所型921市町村(52.9%)です。
- 93.1%従前相当(訪問型)の実施率1,621市町村・令和7年3月末
- 50.9%サービス・活動A(訪問型)の実施率887市町村・令和7年3月末
- 3〜6か月サービス・活動Cの期間保健・医療の専門職が短期集中
- 2,285人継続利用要介護者215市町村・令和7年3月末
- 426,813人訪問型サービスの利用者(実人数)令和7年3月の実績
- 804,229人通所型サービスの利用者(実人数)同上
総合事業とは:法律上の位置づけ
介護保険法第115条の45第1項は、市町村が地域支援事業として行う総合事業を、次の2つで構成しています。
サービス・活動事業(第1号事業)
法第115条の45第1項第1号
- 第1号訪問事業(イ): 居宅要支援被保険者等の居宅で行う日常生活上の支援
- 第1号通所事業(ロ): 施設で行う日常生活上の支援または機能訓練
- 第1号生活支援事業(ハ): 配食・見守りなどその他の生活支援
- 第1号介護予防支援事業(ニ): 介護予防ケアマネジメント(指定介護予防支援を受けている人を除く)
一般介護予防事業
法第115条の45第1項第2号
- 第1号被保険者(65歳以上)全員と、その支援のための活動に関わる人が対象
- 介護予防把握事業・介護予防普及啓発事業・地域介護予防活動支援事業・一般介護予防事業評価事業・地域リハビリテーション活動支援事業
- 住民主体の通いの場の充実、住民主体の介護予防活動の育成・支援など
「サービス・活動事業」は、令和5年度まで「介護予防・生活支援サービス事業」と呼ばれていたものです。令和6年の「総合事業の適切かつ有効な実施を図るための指針」(令和6年厚生労働省告示第168号)の全部改正で名称が変わりました。現行のガイドラインでは、各類型も「サービス・活動A〜D」と表記されています。
総合事業は介護給付・予防給付とは別の「事業」ですが、財源の構成は給付と同じ(国・都道府県・市町村・第1号保険料・第2号保険料)です。事業費には上限があり、介護保険法施行令第37条の13に基づき、原則として「事業開始の前年度の予防給付(介護予防訪問介護・介護予防通所介護・介護予防支援)と介護予防事業の総額」に「75歳以上の高齢者数の伸び」を乗じた額が基本の上限額になります(ガイドライン第7)。
対象者:要支援者、事業対象者、継続利用要介護者
介護保険法施行規則第140条の62の4は、サービス・活動事業の対象者を次の3つに定めています。
| 区分 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 居宅要支援被保険者 | 要支援1・2の認定を受けている人 | 施行規則第140条の62の4第1号 |
| 事業対象者 | 基本チェックリストの結果が厚生労働大臣の定める基準(平成27年厚生労働省告示第197号)に該当する第1号被保険者 | 同第2号 |
| 継続利用要介護者 | 要介護認定を受ける前から総合事業のサービスを使っていて、認定後も継続して使う人で、市町村が必要と認める人 | 同第3号 |
基本チェックリストは25項目の質問で、「1〜20番のうち10項目以上に該当」「6〜10番のうち3項目以上」「11・12番の両方(12番はBMI 18.5未満)」「13〜15番のうち2項目以上」「16番に該当」「18〜20番のいずれか」「21〜25番のうち2項目以上」の7つの基準のどれかに該当すると事業対象者になります。40〜64歳の第2号被保険者は基本チェックリストではなく要介護認定の申請が必要です。
継続利用要介護者が使えるサービスは、令和6年4月1日施行の介護保険法施行規則の改正(令和6年厚生労働省令第61号)で広がりました。それまでは市町村が補助するサービス・活動B・Dに限られていましたが、改正後は従前相当サービスとサービス・活動Cを除く訪問型・通所型のサービス(サービス・活動A・B・D)とその他の生活支援サービスが対象です。介護給付を受けられることに変わりはなく、本人の希望で総合事業を使い続ける仕組みです。令和7年3月末時点で、継続利用要介護者がいる市町村は215(16.1%)、人数は合計2,285人で、要介護1が1,371人と最も多くなっています。
サービスの類型:従前相当とサービス・活動A〜D
ガイドライン第2「サービス・活動の類型」は、訪問型・通所型サービスを次のように分けています。この分類は地域支援事業交付金上の分類です。
| 類型 | 内容 | 実施方法 | 基準・単価 |
|---|---|---|---|
| 従前相当サービス | 旧介護予防訪問介護・通所介護に相当 | 指定事業者 | 国が定める基準(旧指定介護予防サービス基準)と国が定める額(第1号事業費告示) |
| サービス・活動A | 基準を緩和したサービス。事業者・NPO法人などの多様な主体 | 指定または委託 | 市町村が定める |
| サービス・活動B | 住民主体による支援 | ボランティア団体などへの補助・助成 | 市町村が定める |
| サービス・活動C | 短期集中予防サービス。保健・医療の専門職が3月以上6月以下の期間を定めて提供し、3か月を経過した時点で評価して最大6か月まで | 直接実施または委託 | 市町村が定める |
| サービス・活動D | 移動支援(訪問型のみ)。通院等をする場合の送迎前後の付き添い支援や、通所型サービス等の送迎を別の主体が行う場合の送迎など | 補助・助成 | 市町村が定める |
従前相当サービス
旧介護予防訪問介護・通所介護と同じ基準
- 指定事業者が行う
- 人員・設備・運営の基準は国が定める
- 単価は国が定める額(市町村が変えることもできる)
サービス・活動A
基準を緩和したサービス
- 指定または委託で、事業者・NPO法人など多様な主体が行う
- 人員などの基準は市町村が定める
- 単価は市町村が定める(従前相当を上回る額や定額も可)
その他の生活支援サービス(施行規則第140条の62の7)は、配食、定期的な安否確認・緊急時の対応(見守り)、訪問型・通所型サービスに準じる自立支援に資する生活支援です。
介護予防ケアマネジメントは、指定介護予防支援と同じプロセスで行う「ケアマネジメントA」、基準とプロセスを緩和した「ケアマネジメントB」、サービス・活動B・Dの利用者などに初回のみ行う「ケアマネジメントC」の3つがあります。令和7年3月末時点の実施市町村は、Aが1,690(97.1%)、Bが425(24.4%)、Cが383(22.0%)です。実施主体は地域包括支援センターで、居宅介護支援事業所への委託もできます(令和7年3月の実施件数660,030件のうち、居宅介護支援事業所への委託は291,282件)。地域包括支援センターの役割は地域包括支援センターの記事、委託を受ける側の事業所の基準は居宅介護支援事業所の記事にまとめています。
単価と利用料の決め方
第1号事業支給費の額(サービス単価)は、施行規則第140条の63の2により、国が定める額か、国が定める額を勘案して市町村が定める額です。国が定める額は「厚生労働大臣が定める基準」(令和3年厚生労働省告示第72号。第1号事業費告示)の単位数に1単位の単価(平成27年厚生労働省告示第93号)の訪問介護または通所介護に係る単価を乗じた額です。従前相当サービス以外は、市町村の判断で1単位10円の単価を用いることもできます。告示の単位数は、訪問型サービス費が週1回程度・週2回程度・週2回を超える程度の月額と1回ごとの区分、通所型サービス費が事業対象者・要支援1と事業対象者・要支援2の月額と1回ごとの区分に分かれています(現行の単位数は厚生労働省の告示の最終改正版で確認してください)。従前相当サービスは原則としてこの単位数を使いますが、市町村の判断で単位数を変える(引き上げを含む)こともできます。サービス・活動Aの単価は市町村が定め、従前相当サービスを上回る額や定額にすることもできます。
利用料は介護保険法第115条の45第10項と施行規則第140条の63により市町村が定めます。従前相当サービスは介護給付の利用者負担割合(原則1割、一定以上所得者は2割または3割)などを勘案して市町村が決め、その下限は給付の利用者負担割合です(施行規則第140条の63の2第1項)。介護予防ケアマネジメントは利用者負担なしです。サービス・活動Aなどの利用料は、サービス内容や時間、基準を踏まえて市町村が定めます。利用料の限度額の管理は区分支給限度基準額の記事で説明しています。
実施状況(令和7年3月末)
厚生労働省の「介護予防・日常生活支援総合事業等(地域支援事業)の実施状況(令和6年度実施分)に関する調査」(全1,741市町村が回答)の主な結果です。
| 項目 | 訪問型 | 通所型 |
|---|---|---|
| 従前相当サービスを実施する市町村 | 1,621(93.1%) | 1,616(92.8%) |
| サービス・活動Aを実施する市町村 | 887(50.9%) | 921(52.9%) |
| サービス・活動Cを実施する市町村 | 記載なし | 742(42.6%) |
| 従前相当サービスの指定事業所数 | 29,058 | 36,058 |
| サービス・活動Aの指定事業所数 | 11,210 | 6,349 |
| 利用者数(実人数、令和7年3月の実績) | 426,813人 | 804,229人 |
| うち従前相当サービス | 314,037人 | 628,906人 |
| うちサービス・活動A | 83,368人 | 113,551人 |
その他の生活支援サービスの利用者は58,255人(うち配食41,556人)です。令和7年12月の介護保険部会の意見書も、実施市町村の割合は訪問型・通所型ともに従前相当サービスが最も高いと述べています。
令和6年度からの見直しと、令和8年8月のガイドライン改正
- 令和5年12月7日「介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた検討会」が中間整理。継続利用要介護者の対象サービスの拡大、住民主体サービスの交付金の扱いなどを提言
- 令和6年4月1日施行規則の改正(令和6年厚生労働省令第61号)が施行。継続利用要介護者がサービス・活動Aも利用可能に。令和6年度の見直しで通所型従前相当の事業所評価加算は廃止
- 令和6年8月まで地域支援事業実施要綱・ガイドラインを改正し、「サービス・活動事業」の名称に
- 令和7年12月25日介護保険部会「介護保険制度の見直しに関する意見」で、効果検証の手法、都道府県の伴走支援、サービス・活動Cのレセプトによる把握などの方向性
- 令和8年8月20日ガイドラインを一部改正(老発0820第2号。令和8年4月1日から適用)。上限の区分に介護情報利活用事業を追加、相談支援連携体制構築事業の新設、通所の利用定員の合算など
介護保険部会の意見(令和7年12月25日)は、総合事業について次の方向性を示しています。2026年10月29日時点で法令や要綱に反映されていないものを含みます。
- 事業の効果検証の手法を具体化する
- 都道府県による市町村への伴走支援を、都道府県介護保険事業支援計画に位置付ける
- サービス・活動Cについて、指定事業者による請求・支払の仕組みを活用し、介護レセプトとして実施状況を収集する新たな仕組みを作る
- 介護予防を主軸とした多機能の支援拠点を検討する
同じ意見書は、介護予防・日常生活圏域ニーズ調査の見直しにも触れています。介護報酬改定のスケジュールは令和9年度介護報酬改定の記事にまとめています。
総合事業の請求と介護ソフト
従前相当サービスとサービス・活動Aを指定事業者として行う事業所は、第1号事業支給費を請求します。市町村は審査・支払の事務を国保連に委託でき(介護保険法第115条の45の3第6項)、令和7年3月末時点で従前相当サービスは訪問型1,534市町村(94.6%)・通所型1,524市町村(94.3%)、サービス・活動Aは訪問型668市町村(75.3%)・通所型701市町村(76.1%)が国保連に委託しています。単価は市町村が個別に定められるため、介護ソフトでは市町村ごとの単価の設定を取り込めるか、要支援者と事業対象者の両方の給付管理に対応しているか、ケアマネジメントの委託を受けた居宅介護支援事業所との予定・実績のやり取りができるかが分かれ目です。給付管理の書式は給付管理票の記事、予定・実績のデータ連携はケアプランデータ連携システムの記事で説明しています。対応製品は通所系向け介護ソフトの比較と訪問介護向け介護ソフトの比較、立場別の探し方は通所介護の立場からと訪問介護の立場からで絞り込めます。
よくある質問
総合事業と介護予防サービス(予防給付)はどう違いますか
予防給付は介護保険法に基づく「給付」で、介護予防訪問看護や介護予防福祉用具貸与などが全国一律の基準・単価で提供されます。総合事業は市町村が行う「地域支援事業」で、旧介護予防訪問介護・介護予防通所介護にあたるサービスを含め、市町村が基準・単価・利用料を決めます。要支援1・2の人は予防給付と総合事業の両方を使えます。
要介護になったら総合事業は使えなくなりますか
要介護認定を受ける前から総合事業のサービスを使っていた人は、市町村が必要と認めれば「継続利用要介護者」として使い続けられます(介護保険法施行規則第140条の62の4第3号)。令和6年4月1日からは、サービス・活動A・B・Dとその他の生活支援サービスが対象です。従前相当サービスとサービス・活動Cは対象外で、介護給付を受けられることに変わりはありません。
サービス・活動Aとは何ですか
旧介護予防訪問介護・通所介護の基準を緩和して、事業者やNPO法人などの多様な主体が行う訪問型・通所型サービスです。市町村が指定または委託で実施し、人員などの基準と単価は市町村が定めます。令和7年3月末時点で、訪問型は887市町村(50.9%)、通所型は921市町村(52.9%)が実施しています。
総合事業の利用料は1割ですか
市町村が定めます。従前相当サービスは、介護給付の利用者負担割合(原則1割、一定以上所得者は2割または3割)などを勘案して市町村が決め、下限は給付の利用者負担割合です。サービス・活動Aなどは、サービス内容や時間、基準を踏まえて市町村が定めます。介護予防ケアマネジメントに利用者負担はありません。
出典
- e-Gov法令検索「介護保険法(平成9年法律第123号)」
https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - e-Gov法令検索「介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)」
https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100036 - e-Gov法令検索「介護保険法施行令(平成10年政令第412号)」
https://laws.e-gov.go.jp/law/410CO0000000412 - 厚生労働省「『介護予防・日常生活支援総合事業のガイドラインについて』の一部改正について(老発0820第2号)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001741381.pdf - 厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業のガイドライン(令和8年8月20日改正後全文)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001741382.pdf - 厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)の実施及び介護予防手帳の活用について(改正後全文)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001741387.pdf - 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1241 介護保険法施行規則及び介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令の一部を改正する省令の公布について」
https://www.mhlw.go.jp/content/001239654.pdf - 厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業等(地域支援事業)の実施状況(令和6年度実施分)に関する調査結果(概要)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001730256.pdf - 厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業について」(令和7年8月更新)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001531681.pdf - 厚生労働省「総合事業の充実に向けた検討会 議論の中間整理」(令和5年12月7日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001176025.pdf - 厚生労働省 社会保障審議会介護保険部会「介護保険制度の見直しに関する意見」(令和7年12月25日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001622725.pdf
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