区分支給限度基準額とは|要介護度別の単位数・対象外のサービスと加算・超えたときの負担【2026年】

要点
区分支給限度基準額とは、居宅サービスと地域密着型サービスを介護保険で使える1か月の上限を、要介護度・要支援度ごとに単位数で決めたものです(介護保険法第43条・第55条、平成12年厚生省告示第33号)。上限は要支援1が5,032単位、要支援2が10,531単位、要介護1が16,765単位から要介護5が36,217単位までで、告示の単位数は2019年10月1日適用の改正のまま、2026年10月9日時点で厚生労働省の法令等データベースに載っている告示でも変わっていません。上限を超えて使った分は介護保険の給付の対象外になり、全額が利用者の負担です。居宅療養管理指導や、処遇改善加算などの一部の加算は、この上限の計算に含めません。
- 5,032要支援1の上限(単位)1か月あたり
- 16,765要介護1の上限(単位)1か月あたり
- 36,217要介護5の上限(単位)1か月あたり
- 2019年10月単位数の最後の改正消費税10%への対応
区分支給限度基準額とは:1か月に保険で使えるサービスの上限
区分支給限度基準額は、在宅の利用者が1か月に介護保険で使える居宅サービス・地域密着型サービスの量に上限を設ける仕組みです。厚生労働省の分科会資料では、介護サービスは生活に密接に関連して利用に歯止めが利きにくく、同じ要介護度でもニーズが多様なため、要介護度別に上限を設けて一定の制約をかけ、その範囲内でサービスを選べるようにしていると説明されています。
法律上の決まりは次のとおりです。
| 決まり | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 上限の対象 | 居宅サービス等区分(複数のサービスの種類をまとめた区分)ごとの、居宅介護サービス費・地域密着型介護サービス費などの合計 | 介護保険法第43条第1項 |
| 上限の決め方 | 要介護状態区分に応じた標準的な利用の態様などを勘案して、厚生労働大臣が定める | 介護保険法第43条第2項 |
| 管理する期間 | 要介護認定の有効期間に係る日が属する月の、初日からの1か月間 | 介護保険法施行規則第67条 |
| 月の途中で要介護度が変わったとき | その月で最も重い要介護状態区分の上限を使う | 介護保険法施行規則第68条第1項 |
| 要支援の人 | 介護予防サービス・地域密着型介護予防サービスに、同じ形の上限がある | 介護保険法第55条 |
上限の水準について、分科会資料では、要介護度ごとに認知症型・医療型などの典型的なケースを想定し、標準的に必要と考えられるサービスの組み合わせを勘案して設定していると説明されています。
要介護度別の単位数(一覧)
告示(平成12年厚生省告示第33号)で定められている単位数は次のとおりです。
| 要介護度 | 区分支給限度基準額(1か月) |
|---|---|
| 要支援1 | 5,032単位 |
| 要支援2 | 10,531単位 |
| 要介護1 | 16,765単位 |
| 要介護2 | 19,705単位 |
| 要介護3 | 27,048単位 |
| 要介護4 | 30,938単位 |
| 要介護5 | 36,217単位 |
告示の改正の履歴では、最後の改正は平成31年3月28日の厚生労働省告示第101号で、平成31年10月1日(2019年10月1日)から適用されています。令和3年度改定の分科会資料でも、令和元年10月の改定で消費税率10%への対応として区分支給限度基準額を引き上げたことが示されています。それより前の引き上げは、消費税率を8%に上げた平成26年度改定です。
単位数は、居宅サービス・地域密着型サービスなどの費用の額の算定に関する基準(告示)で算定される単位数で数えます。
単位数を円に直すと:地域区分で単価が変わる
区分支給限度基準額は「円」ではなく「単位」で決められています。円に直すときは、事業所の所在地(地域区分)とサービスの種類ごとに決まっている1単位の単価を掛けます。2026年8月5日の介護給付費分科会の資料では、1単位の単価は10円〜11.40円です。
そのため、同じ要介護度・同じ単位数でも、使う事業所の地域区分によって円での金額は変わります。級地ごとの単価の一覧と調べ方は地域区分の記事にまとめています。分科会の資料で限度額を円で示すときは、1単位を10円として計算した額が使われています。
利用者負担は、上限の範囲内で給付される費用の1割・2割・3割のいずれかです。介護保険法第43条第1項では、給付の合計が上限を基礎に算定した額の「百分の九十」を超えられないとされ、一定以上の所得がある人は第49条の2で「百分の八十」「百分の七十」に読み替えられます。
上限を超えたときの負担:超えた分は全額自己負担
上限を超えて使ったサービスの費用は、介護保険の給付の対象外になり、全額が利用者の負担になります。分科会資料の図では、上限までが「介護保険給付の対象」、超えた部分が「対象外(全額自己負担)」と示されています。
国保連への請求では、上限を超えた分は介護給付費明細書の数字で調整されます。令和6年3月の留意事項通知(介護保険最新情報Vol.1213)の明細書の記載要領では、サービスの種類ごとに次の3つを書き分けます。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 計画単位数 | サービス提供票の別表に書かれた、その事業所が提供するサービスの区分支給限度基準内の単位数 |
| 限度額管理対象単位数 | 支給限度額管理の対象になるサービスの単位数の合計 |
| 限度額管理対象外単位数 | 支給限度額管理の対象外のサービスの単位数の合計 |
そのうえで「給付単位数」は、計画単位数と限度額管理対象単位数の低い方に、限度額管理対象外単位数を足した単位数です。居宅介護支援事業所が作るケアプラン(サービス利用票・提供票の別表)で、どの事業所の分を限度内に入れるかを決めておかないと、サービス事業所は計画単位数を書けません。給付管理票は、要介護の人は居宅介護支援事業者が、要支援の人は介護予防支援事業者(地域包括支援センター)が作ります(小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護を短期利用でなく月を通じて使う場合は、その事業所が作ります)。給付管理票の提出期限や返戻・保留の扱いは給付管理票の記事にまとめています。
限度額の対象になるサービス・ならないサービス
限度額の対象は、介護保険法施行規則第66条の「居宅サービス等区分」に入っているサービスです。分科会資料では、医師などの判断で行われる居宅療養管理指導や、ほかのサービスと組み合わせない居住系サービス(短期利用を除く)・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護には、限度額を適用しないと説明されています。
限度額の対象
- 訪問介護・訪問入浴介護・訪問看護
- 訪問リハ・通所介護・通所リハ
- 短期入所生活介護・短期入所療養介護
- 福祉用具貸与
- 定期巡回・夜間対応型訪問介護
- 地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護
- 小規模多機能・複合型サービス
- 特定施設・地域密着型特定施設・グループホームの短期利用
限度額の対象外
- 居宅療養管理指導
- 特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型・短期利用を除く)
- グループホーム(短期利用を除く)
- 地域密着型特定施設(短期利用を除く)
- 地域密着型介護老人福祉施設
介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院の施設サービスは、そもそも居宅サービス等区分に入っていません。特定福祉用具の購入と住宅改修は、区分支給限度基準額とは別に、それぞれの支給限度基準額があります(介護保険法第44条・第45条)。
限度額に含めない加算
同じ限度額の対象のサービスでも、政策上の配慮から限度額の計算に含めない加算があります。2026年10月時点の厚生労働省の通知・資料で確かめられるものは次のとおりです。
| 加算 | 根拠 |
|---|---|
| 介護職員等処遇改善加算 | 令和8年度分の事務処理手順の通知に「区分支給限度基準額の算定対象から除外される」とある |
| 特別地域加算など | 令和6年3月の留意事項通知に「特別地域加算等の支給限度額管理対象外となる加算」とある |
| 訪問看護の特別管理加算 | 2026年6月29日の分科会資料に「区分支給限度基準額の算定対象外」とある |
平成26年の分科会資料の一覧では、訪問介護・訪問入浴介護・訪問看護・福祉用具貸与などで、特別地域加算、中山間地域等の小規模事業所加算、中山間地域等提供加算が限度額に含まれない費用とされ、訪問看護では緊急時訪問看護加算・ターミナルケア加算も挙がっています。平成29年の分科会資料では、平成27年度改定で、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護について、限度額の対象外となる加算を広げたとされています。
加算の名前や区分は改定のたびに変わります。どの加算が対象外かは、その時点の告示・通知と、請求に使う介護ソフトの設定で確かめてください。処遇改善加算の率と計算は処遇改善加算の記事にまとめています。
限度額の計算で気をつける決まり
単位数の数え方には、利用者間の公平のための決まりがあります。
- 同一建物減算を受ける利用者: 通所系・多機能系サービスで同一建物減算などを受ける利用者は、減算の適用前の単位数で限度額を管理します(令和3年度改定。訪問系は平成30年度改定で同様の見直し)
- 大規模型の通所介護・通所リハ: 大規模型を使う利用者は、通常規模型の単位数で限度額を管理します(令和3年度改定)
- 端数処理: 単位数は割合を掛けるたびに四捨五入しますが、特別地域加算などの限度額管理の対象外の加算や、同一建物の利用者へのサービスの減算は、対象となる単位数の合計に割合を掛けて計算します(令和6年3月の留意事項通知)
端数処理の計算例は地域区分の記事にあります。
市町村の上乗せと、種類ごとの上限
市町村は、条例で、国が定めた区分支給限度基準額を超える額を、その市町村の区分支給限度基準額にできます(介護保険法第43条第3項。要支援は第55条第3項)。いわゆる上乗せです。住んでいる市町村が上乗せをしているかは、その市町村の介護保険の担当課で確かめます。
また市町村は、条例で、サービスの種類ごとの上限(居宅介護サービス費等種類支給限度基準額)を設けることもできます(介護保険法第43条第4項・第5項)。この額は、区分支給限度基準額の範囲内で市町村が決めます。
ケアマネジャーの業務とのかかわり
区分支給限度基準額は、ケアプランの作成と給付管理の前提になる数字です。居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、利用者の要介護度の上限の中で、どのサービスをどれだけ組み合わせるかを利用者と決め、サービス利用票・提供票と給付管理票に落とし込みます。
令和3年度改定では、区分支給限度基準額に占める利用の割合が高く、かつ訪問介護が利用サービスの大部分を占めるケアプランについて、居宅介護支援事業所を事業所単位で抽出して点検・検証する仕組みが入りました(令和3年10月施行)。留意事項通知では、居宅サービス等の合計単位数が区分支給限度基準額に占める割合や、訪問介護の合計単位数が居宅サービス等の合計単位数に占める割合が厚生労働大臣が定める基準に当てはまる場合、ケアプランにその必要性を書き、市町村に届け出ることとされています。
居宅介護支援の業務の流れと、ケアプラン作成ソフトの比べ方はケアプラン作成ソフトの選び方にまとめました。ケアマネジャー向けの記事・ツールはケアマネジャー向けのページと居宅介護支援向けのページで見られます。
令和9年度改定に向けた議論
2026年8月までの介護給付費分科会の資料では、令和9年度(2027年度)からの区分支給限度基準額の見直しの方針は示されていません。2026年7月23日の介護給付費分科会の資料では、中山間・人口減少地域の訪問介護などに月単位の定額の報酬(包括的な評価)を入れる検討の中で、利用者の負担が急に増えることや、区分支給限度基準額との関係でサービスの利用に過度な制約がかからないよう配慮が必要だとされ、各種加算の包括化を区分支給限度額との関係も踏まえてどう考えるかが論点に挙がっています。
限度額の管理を介護ソフトで行うとき
限度額の管理は、ケアプランの単位数の合計、限度額の対象外の加算の切り分け、月の途中の区分変更、事業所ごとの限度内の配分と、手で計算すると間違えやすい作業です。居宅介護支援に対応した介護ソフトでは、サービス利用票・提供票と給付管理票を作り、国保連へ請求するまでを1つの流れで扱います。比べるときは次を確かめます。
- サービス利用票の別表で、要介護度の上限・限度額の対象外の単位数・超えた分を自動で計算するか
- 月の途中で要介護度が変わったとき、重い方の区分で上限を計算するか
- 報酬改定で加算の名前や対象外の扱いが変わったとき、マスタの更新が料金に含まれるか
- ケアプランデータ連携システムで、サービス事業所と予定・実績をデータでやり取りできるか(ケアプランデータ連携システムとは)
2026年10月9日時点で当サイトに掲載している介護ソフトのうち、居宅介護支援を対象としているのは53本です。サービス種別を居宅介護支援に絞った比較は居宅介護支援ソフトの比較で見られます。AIによるケアプランの文章案などはケアプラン作成支援のカテゴリにまとめています。
なお、障害福祉サービスの「上限額管理」は、利用者の負担上限月額を超えないよう事業所間で負担額を調整する事務で、介護保険の区分支給限度基準額とは別の仕組みです(上限額管理の記事)。
よくある質問
区分支給限度基準額は令和6年度・令和8年度の改定で変わりましたか?
変わっていません。告示(平成12年厚生省告示第33号)の改正の履歴で最後の改正は、2019年10月1日から適用された平成31年厚生労働省告示第101号です。2026年10月9日時点の告示の単位数は、要支援1の5,032単位から要介護5の36,217単位までです。
区分支給限度基準額と区分支給限度額は違うものですか?
同じものを指して使われます。法令と告示での名前は「居宅介護サービス費等区分支給限度基準額」(要支援は「介護予防サービス費等区分支給限度基準額」)で、厚生労働省の資料でも「限度額」「区分支給限度額」と略して書かれています。
上限を超えた分は、どの事業所の利用者負担になりますか?
超えた分は介護保険の給付の対象外で、全額が利用者の負担です。どの事業所のどのサービスを限度内に入れるかは、ケアマネジャーがサービス利用票・提供票の別表で決め、各事業所はその「計画単位数」を基に請求します。
施設に入所している人や、居宅療養管理指導だけを使う人にも上限はありますか?
施設サービス(介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院)は区分支給限度基準額の対象のサービスに入っていません。居宅療養管理指導も、医師などの判断で行われるため限度額を適用しないと厚生労働省の資料で説明されています。
出典
- e-Gov法令検索「介護保険法」
https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - e-Gov法令検索「介護保険法施行規則」
https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100036 - 厚生労働省 法令等データベース「居宅介護サービス費等区分支給限度基準額及び介護予防サービス費等区分支給限度基準額」(平成12年厚生省告示第33号)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82aa0267&dataType=0&pageNo=1 - 厚生労働省「区分支給限度基準額について」(社保審-介護給付費分科会 第103回 資料1、平成26年6月25日)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000049257.pdf - 厚生労働省「区分支給限度基準額」(社保審-介護給付費分科会 第145回 資料3、平成29年8月23日)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000175114.pdf - 厚生労働省「令和3年度介護報酬改定の主な事項について」(社保審-介護給付費分科会 第199回 資料1、令和3年1月18日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000727135.pdf - 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1213 留意事項通知等の一部改正について」(令和6年3月15日)
https://www.mhlw.go.jp/content/001227724.pdf - 厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(令和8年3月13日 老発0313第6号)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001675724.pdf - 厚生労働省「訪問看護」(社保審-介護給付費分科会 第259回 資料3、令和8年6月29日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001716095.pdf - 厚生労働省「人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築」(社保審-介護給付費分科会 第261回 資料1、令和8年7月23日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001726625.pdf - 厚生労働省「地域区分」(社保審-介護給付費分科会 第262回 資料3、令和8年8月5日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001733555.pdf
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