給付管理票とは|誰が作るか・提出期限・返戻と保留・修正と取消の出し方【2026年】

要点
給付管理票とは、居宅介護支援事業所などが毎月、ケアプランに位置付けたサービスについて、事業所ごと・サービス種類ごとの給付計画単位数を国保連(国民健康保険団体連合会)に出す文書です。法令上は「介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令」の様式第11で、提出は運営基準第14条の義務です。国保連はこの給付管理票とサービス事業所の請求明細書を突き合わせて審査するため、給付管理票が出ていない・返戻になったときは、サービス事業所の請求は「保留」、居宅介護支援の請求は「返戻」になります。給付管理票は請求と同じく、サービス提供月の翌月10日までに国保連に出します(2026年10月10日時点。記載要領は令和8年3月31日改正・4月1日適用の版)。
- 居宅介護支援事業所給付管理票を出す
- 翌月10日まで
- 国保連請求明細書と突き合わせる
- 審査結果・支払
- サービス事業所明細書も翌月10日まで
給付管理票とは:法令上の位置付け
給付管理票は、ケアマネジャーが立てた計画の単位数を国保連に知らせ、サービス事業所の請求がその範囲に収まっているかを確かめるための文書です。根拠は次の3つです。
| 根拠 | 定めていること |
|---|---|
| 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 第14条 | 指定居宅介護支援事業者は、毎月、市町村(審査・支払を国保連に委託している場合は国保連)に、居宅サービス計画に法定代理受領サービスとして位置付けたものの情報を記載した文書を出さなければならない |
| 指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに…基準 第13条 | 指定介護予防支援事業者(地域包括支援センターなど)にも同じ義務がある |
| 介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令 | 附則第2条第1項で給付管理票を運営基準第14条・介護予防支援基準第13条の文書とし、同条第3項で様式を第11と定める。請求は各月分を翌月10日までに行う(第3条) |
運営基準が定めているのは「毎月」出すことで、「翌月10日」は請求命令の請求期限です。京都府国保連の令和8年度の説明会資料は、サービス提供月の翌月10日までに給付管理票や請求明細書を国保連に出すと案内しています。
給付管理票は、ケアプランの第6表・第7表(サービス利用票・別表)とつながっています。区分支給限度基準額の範囲での単位数の管理は区分支給限度基準額の記事で説明しています。
誰が作るか:月の途中で変わったときの決まり
給付管理票を作るのは、原則として利用者のケアプランを担当する居宅介護支援事業所、要支援者や事業対象者の場合は介護予防支援事業者(地域包括支援センター)です。月の途中で担当や状態が変わったときは、令和8年3月31日に改正された「介護給付費請求書等の記載要領」で次のように決まっています。
| 場面 | 給付管理票を作る事業所 |
|---|---|
| 月の途中で居宅介護支援事業者が変わった(転居等で保険者が変わる場合を除く) | 月末時点で市町村への届出の対象になっている居宅介護支援事業者 |
| 月の途中で要介護・要支援・事業対象者をまたいで変わった | 月末時点で市町村への届出の対象になっている居宅介護支援事業者か介護予防支援事業者(地域包括支援センター) |
| 月を通じて小規模多機能型居宅介護(介護予防を含む)・看護小規模多機能型居宅介護(短期利用を除く)を使った | その小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護の事業所 |
| 月の一部だけ小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護を使い、残りは居宅介護支援か介護予防ケアマネジメントを受けた | その居宅介護支援事業者か地域包括支援センター |
| 介護予防支援の指定を受けた居宅介護支援事業所が介護予防サービスを計画した | その居宅介護支援事業所 |
| 利用者がケアプランを自分で作った(自己作成) | 保険者(市町村) |
自己作成の場合、保険者が利用者の受けたサービスの実績をもとに給付管理票を作り、サービス提供月の翌月初めに国保連に出します(WAM NETに掲載の「インタフェース仕様書 保険者編」)。記載要領も、市町村が給付管理票を作る場合を前提に、記載が要らない欄を定めています。
何を書くか:様式第11の主な項目
給付管理票には、利用者と担当事業所の情報、支給限度基準額、事業所ごと・サービス種類ごとの給付計画単位数を書きます。記載要領は、給付額を月末時点の「サービス利用票(控)」から書くとしています。
| 項目 | 書き方(記載要領・様式第11) |
|---|---|
| 作成区分 | 1 居宅介護支援事業者作成/2 被保険者自己作成/3 介護予防支援事業者・地域包括支援センター作成 |
| 要介護状態区分 | 月の途中で変わった場合は、いずれか重い方を書く |
| 支給限度基準額・限度額適用期間 | 事業対象者は要支援1の支給限度基準額を書く |
| サービス事業所ごとの欄 | 事業所番号、サービス種類名・種類コード、給付計画単位数 |
| 給付計画単位数 | 区分支給限度基準内の単位数を書く。月を通じてサービス利用の実績が無く、居宅介護支援費等を算定する場合は「0」を書く |
当初の「サービス利用票」の給付計画単位数を上回る場合は、サービス利用票などを作り直し、作り直した後の計画を書きます。事業所ごとの上限管理に影響がなく、作り直しが要らない場合は、当初の計画を書きます。
国保連で何が起きるか:突合・保留・返戻
国保連の審査は3段階で、最後に給付管理票と請求明細書を突き合わせる「上限審査チェック」があります。香川県国保連の集団指導資料は、給付管理票が未提出か返戻の場合は突き合わせができず、サービス事業所の請求は「保留」、居宅サービス計画費(居宅介護支援の請求)は「返戻」になると説明しています。
| 結果 | 意味 | 事業所がすること |
|---|---|---|
| 保留 | 突き合わせる給付管理票が無いため、国保連が請求明細書を一時的に預かる。香川県国保連では請求月を含めて3か月間(期間は国保連ごとに異なる) | サービス事業所の再請求は基本的に不要。保留の期間内に給付管理票が出なければ返戻になり、再請求が要る |
| 返戻 | 請求が差し戻される | 請求の内容と返戻の事由を確かめて、再請求する |
返戻・保留・過誤の違いと、認定情報の不一致などよくあるエラーコードの原因は、介護保険請求の返戻の記事にまとめています。
| 査定減 | 給付管理票の計画単位数を超える分などが減らされる | 給付管理票の誤りが原因なら、居宅介護支援事業所が「修正」の給付管理票を出せば減額分が戻る。サービス事業所の再請求は要らない |
|---|
京都府国保連の資料は、返戻・保留の事由を次の5つに分けています。給付管理票に主に関わるのはCとDです(受給者台帳との不一致を示すBでも、給付管理票が返戻になることがあります)。
- A: 基本的な項目の入力(記入)誤りなど
- B: 保険者や指定権者から連携された受給者台帳などとの不一致
- C: 請求明細書と給付管理票の不一致
- D: 給付管理票が未提出
- E: 介護給付費等審査委員会で返戻となったもの
返戻(保留)一覧表の見方は国保連ごとに案内があり、宮城県国保連は問い合わせの多い事例として、給付管理票情報作成区分の誤り(国保連に登録されていない=未提出や返戻済みの給付管理票を「修正」で出したもの、同じ給付管理票を「新規」で二重に出したもの)や、市町村への届出内容(受給者台帳)と合わない給付管理票などを挙げています。電子請求の受付や通知の見方は電子請求受付システムの記事にまとめています。
修正と取消の出し方
出した給付管理票に誤りがあったときは給付管理票情報作成区分「2 修正」、給付管理票そのものが不要だったときは「3 取消」で出し直します。様式上の「作成区分」(作成者の区分)とは別の項目です。京都府国保連の資料では、どちらも毎月10日必着で国保連に出します。
修正(区分コード2)
給付計画単位数を直す
- 誤りで請求が減額されたときに出す
- 直す事業所だけでなく、全事業所の情報を書く
- 結果は再審査決定通知書で届く
取消(区分コード3)
給付管理票そのものを取り消す
- 出した給付管理票が不要だったときに出す
- 計画費とサービス事業所の請求は自動で過誤になる
- 結果は過誤決定通知書で届く
- 修正は全事業所分を書く: 修正の給付管理票は提出済みの請求明細書と突き合わせ直すため、修正が必要な事業所の分だけでなく、サービスを提供した全事業所の情報を書きます(香川県国保連)
- 取消の影響: 給付管理票を取り消すと、居宅サービス計画費とサービス事業所の請求は自動的に過誤(取り下げ)になります。サービス事業所の請求にも影響するため、取り消す前にサービス事業所へ伝えておくと行き違いを防げます
提出の方法:伝送か光ディスク等
給付管理票を含む介護給付費の請求は、伝送(電子情報処理組織)か、光ディスク等の提出で行うのが原則です(請求命令第2条)。書面での請求は附則の例外に限られます。経過措置(附則第2条・第3条。届出の期限は平成30年3月31日)のほか、回線の障害、請求設備の導入作業が終わっていない、改築工事中、廃止・休止の予定があるなどの事情を事前に国保連に届け出た場合(附則第5条)に認められます。
実務では、居宅介護支援事業所は介護ソフトでケアプランと給付管理票を作り、電子請求受付システムで国保連に伝送します。サービス事業所との予定・実績のやり取りをデータで済ませる方法はケアプランデータ連携システムの記事で説明しています。
給付管理票を作れる介護ソフト
給付管理票は、居宅介護支援に対応した介護ソフトの機能の一つです。ケアプランの作成から給付管理票の作成・伝送までを1つのソフトで済ませられるかは、ケアプラン作成ソフトの選び方で比べる観点を整理しています。居宅介護支援向けの比較一覧は居宅介護支援の介護ソフト、ケアマネジャー向けのページはケアマネジャー向けと居宅介護支援にまとめています。
よくある質問
給付管理票はいつまでに出せばよいですか
サービス提供月の翌月10日までに国保連に出します。請求命令が介護給付費の請求を各月分について翌月10日までとし、国保連も給付管理票を請求明細書と同じ期限で受け付けています。修正・取消の給付管理票も、京都府国保連の資料では毎月10日必着です。
給付管理票が遅れるとサービス事業所はどうなりますか
サービス事業所の請求は「保留」になり、国保連が一定期間預かります(香川県国保連では請求月を含めて3か月間。期間は国保連ごとに異なり、宮城県国保連は通常2か月)。その間に給付管理票が出れば保留から復活し、サービス事業所の再請求は基本的に要りません。期間内に出なければ返戻になり、サービス事業所が再請求する必要があります。
利用者がケアプランを自己作成した場合、給付管理票は誰が作りますか
保険者(市町村)が作ります。利用者が受けたサービスの実績をもとに、サービス提供月の翌月初めに国保連に出します。
サービスの実績が無い月も給付管理票は要りますか
居宅介護支援費を算定する場合は出します。記載要領は、月を通じてサービス利用の実績が無く、居宅介護支援費等を算定する場合は、給付計画単位数に「0」を書くとしています。
出典
- e-Gov法令検索「介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令」
https://laws.e-gov.go.jp/law/412M50000100020 - e-Gov法令検索「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」
https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100038 - e-Gov法令検索「指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準」
https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100037 - 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1489 「介護給付費請求書等の記載要領について」の一部改正について」(令和8年3月31日)
https://www.mhlw.go.jp/content/001684507.pdf - 京都府国民健康保険団体連合会「介護保険給付費等の請求について」(令和8年度 新規事業者説明会資料、京都府掲載)
https://www.pref.kyoto.jp/kaigo/documents/13-1.pdf - 香川県国民健康保険団体連合会「令和7年度集団指導資料」(香川県掲載)
https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/60221/1-5-1kokuhoren.pdf - 静岡県国民健康保険団体連合会「介護報酬の請求事務について」(浜松市掲載)
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/documents/161343/kokuhorenn.pdf - 宮城県国民健康保険団体連合会「「請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表」が届いたら」
https://www.miyagi-kokuho.or.jp/kaigo/documents/yokuaruhenrei.pdf - 福祉医療機構 WAM NET「インタフェース仕様書 保険者編」(令和4年10月)
https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2022/0808122842268/202208_023.pdf
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