更新情報11/5(木)

介護記録をタブレットで取る|補助の対象・加算の要件・持ち出しのルール・対応ソフトの数【2026年】

介護ツールナビ編集部公開

要点

介護記録をタブレットやスマートフォンで取ると、居室や訪問先でその場に入力でき、事務所に戻ってから転記する手間が減ります。端末は都道府県の介護テクノロジー導入支援事業の補助対象で、令和6年度補正予算の事業では介護ソフトの上限250万円のうち情報端末の上限は10万円です。令和6年度に新設された生産性向上推進体制加算では、「介護記録ソフトウェアやスマートフォン等」が要件になるテクノロジーの1つに挙げられています。一方で、記録を入れた端末を持ち出すことになるため、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第7.0版」が求める起動パスワード・保存データの暗号化・不要なアプリを入れない・台帳管理などのルールを決めてから始めます。2026年10月23日時点で当サイトに掲載している介護ソフト85本のうち、スマートフォン・タブレットで使えると公式情報から確認できたのは25本です。

タブレットで記録を取ると何が変わるか

厚生労働省の生産性向上ガイドライン(施設サービス分、令和2年度版)は、タブレット端末等を使えば施設外の会議や訪問先からもデータを入力できるとし、介護記録・情報共有・請求事務が一気通貫になったソフトの導入が最も効率的だと述べています。データ入力の手間を減らす方法として、入力の定型化、チェックボックス式、音声入力、画像・動画の活用を挙げ、情報共有の手段としてはパソコンやタブレット端末のほかにインカムの活用も有効だとしています。同じガイドラインの事例には「全介護職員がスマートフォンを携帯し、見守りながら記録の作成を行えるようにした」「タブレット活用により帳票数や二重入力の削減、転記の効率化を図り、記録時間を削減した」という取り組みが載っています。

居宅サービス分のガイドライン(改訂版)の事例には、訪問予定の急な変更などの連絡手段を電話からタブレット型端末とチャットソフトに替えた取り組みがあり、費用は「タブレット型端末の導入費、通信費」とされています。

比較タブレットで記録を取る前と後

紙で記録

事務所に戻ってから転記

  • 現場でメモ、事務所で記録用紙に清書
  • 同じ内容を記録と請求に二重入力
  • 前回の記録を見るには綴りを探す

タブレットで記録

その場で入力

  • 居室や訪問先で、定型の項目を選んで入力
  • 記録がそのまま請求とLIFEの提出データになる
  • 前回の記録と写真をその場で見られる

音声で記録を取るソフトは音声入力の介護記録の記事と音声記録のカテゴリに、職員間の連絡ツールは介護のコミュニケーションツールの記事にまとめています。

  1. 1

    ミルモレコーダー4.0/5

    株式会社ウェルモ・記録・音声入力

    ¥5,000〜/月無料で試せるTAIS居宅介護支援・訪問系

  2. 2

    キロクン3.0/5

    合同会社SUTEKINA JIKAN・記録・音声入力

    ¥5,000〜/月無料で試せる居宅介護支援

  3. 3

    訪問看護マナ(神マナ)3.0/5

    株式会社ライフシフト・訪問看護ソフト

    料金公開無料で試せる訪問看護

  4. 4

    ながらかいご2.5/5

    株式会社NAGARA・記録・音声入力

    ¥30,000〜/月無料で試せる

  5. 5

    むすぼなAI2.5/5

    株式会社やさしい手・記録・音声入力

    料金公開施設系・通所系・訪問系ほか1

  6. 6

    ハナスト2.0/5

    株式会社ケアコネクトジャパン・記録・音声入力

    料金は問い合わせTAIS施設系・通所系・障害福祉

  7. 7

    音声入力支援システム voice fun(ボイスファン)2.0/5

    エヌ・デーソフトウェア株式会社・記録・音声入力

    料金は問い合わせ無料で試せる

編集部スコア順(2026年11月5日時点)。当てはまる8本のうち7本を表示。スコアは機能の優劣ではなく、選ぶための公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

当てはまる8本をすべて見る

補助の対象:端末は上限10万円

都道府県が行う介護テクノロジー導入支援事業では、ICTの補助対象として介護ソフト、タブレット端末、インカム、クラウドサービス、業務効率化に資するバックオフィスソフト(転記等の業務が発生しない環境ができている場合に限る)などが挙げられています(厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業(令和7年度当初予算)」)。令和6年度補正予算の事業では、介護業務支援のうち介護ソフトの補助上限額は250万円で、その注として情報端末の上限は10万円とされています。

区分上限(令和6年度補正予算)
介護ソフト250万円(利用者一人あたりのライセンス料で合計金額が変動する契約の場合は職員数に応じて100万円〜250万円)
うち情報端末10万円

令和7年度当初予算の事業では、入所・泊まり・居住系の事業所は利用者の安全と介護サービスの質の確保、職員の負担軽減に資する方策を検討する委員会の設置が、在宅系の事業所は令和7年度内にケアプランデータ連携システムの利用を始めることが要件です。年度・都道府県ごとの違いは介護テクノロジーの補助金の記事にまとめています。

加算の要件:生産性向上推進体制加算の「ウ」

令和6年度介護報酬改定で新設された生産性向上推進体制加算((Ⅰ)100単位/月、(Ⅱ)10単位/月)は、見守り機器等のテクノロジーの導入が要件です。対象のテクノロジーは3種類で、タブレット・スマートフォンによる記録は「ウ」にあたります。

種類内容
ア 見守り機器—
イ インカム等職員間の連絡調整を速くするICT機器
ウ 介護記録ソフトウェアやスマートフォン等介護記録の作成を効率化するICT機器。複数の機器の連携も含め、データの入力から記録・保存・活用までを一体的に支援するものに限る

(Ⅱ)は3種類のうち1つ以上の導入で足り、(Ⅰ)は3種類すべてを使い、見守り機器をすべての居室に設置し、インカム等をすべての介護職員が使うことに加えて、職員間の適切な役割分担(介護助手の活用等)の取組と、(Ⅱ)のデータで業務改善の成果が確認されていることが要件です。「ウ」は、単にタブレットを配るだけでなく、入力から保存・活用まで一体で支えるソフトと組み合わせることが条件なので、端末とソフトをセットで考えます。要件の詳細は生産性向上推進体制加算の記事にまとめています。

持ち出すときのルール:ガイドライン第7.0版の求めること

記録を入れたタブレットやスマートフォンを居室や訪問先に持ち出すことは、ガイドラインのシステム運用編が定める「情報機器の持出し」にあたります。運用編は、持ち出す機器について次のような対策を求めています。

手順持ち出す端末に決めておくルール(システム運用編)
  1. 起動パスワード端末の起動時にパスワード等の認証を必ずかける
  2. 保存データの暗号化端末に保存するデータを暗号化し、記録用のアプリにも起動パスワードをかける
  3. 不要なプログラムを入れないタブレットPC・スマートフォンに業務に不要なプログラムを入れず、職員に管理者権限を与えない
  4. 保存先を限るネットワーク経由で外部に保存するときは許可した保存先・サービスに限る(それ以外への通信を遮断するなどの技術的な対応が例示されている)
  5. 台帳管理と棚卸端末を台帳で管理し、定期的に棚卸して所在を確かめる
  6. 紛失時の手順紛失・盗難時の対応手順を決め、MDM(モバイルデバイス管理)を導入して遠隔制御できるようにするなど、事前に可能な対策を講じる

運用編の遵守事項には、持ち出す機器に入れるアプリケーションを必要最小限にすること、機器を台帳で管理し棚卸することが含まれています。企画管理編は、職員の私物端末を業務に使うBYODを認める場合は、その扱いを規程に含め台帳で管理することを求めています。私物のスマートフォンで記録を取ることを黙認している状態は、ガイドラインの求める管理ができていないことになります。

ガイドライン全体の位置づけと、介護事業者も対象になる根拠は介護記録の電子化の記事にまとめています。クラウド型のソフトで記録を提供元のサーバーに置く場合の確認点はクラウド型の介護ソフトの記事を参照してください。

スマートフォン・タブレットで使える介護ソフトの数

2026年10月23日時点で当サイトに掲載している介護ソフト85本のうち、対応環境を公式情報から確認できた56本の内訳です。

対応環境本数
スマートフォン・タブレット(iOSまたはAndroid)で使える25本
うちiOS(iPhone・iPad)20本
うちAndroid12本
Windowsパソコン25本
ブラウザで使うクラウド型38本

iOSには対応していてもAndroidには対応していない製品があるため、すでに持っている端末を使うなら先にOSを確かめます。ブラウザで使うクラウド型は、専用アプリが無くてもタブレットのブラウザから使える場合がありますが、画面がタブレットの幅に合わせて作られているかは製品によって違うため、無料のトライアルやデモで実際の端末で試します。無料で試せる製品は無料で試せる介護ソフトの記事に、介護ソフト全体の比べ方は介護ソフトの選び方の記事にまとめています。

順位ツールスコア料金無料で試せる対象第三者認証
1ケア樹5.0月額制あり施設系・通所系・訪問系・居宅介護支援記載なし
2まもる君クラウド4.5¥7,800/月〜(月額制)あり施設系・通所系・訪問系・居宅介護支援・福祉用具貸与ISMS
3カイポケ4.0月額制あり施設系・通所系・訪問系・居宅介護支援・訪問看護・障害福祉・福祉用具貸与Pマーク
4ナーシングネットプラスワン4.0¥8,000/月〜(月額制)あり施設系・通所系・訪問系・居宅介護支援・訪問看護・障害福祉・福祉用具貸与記載なし
5ファーストケア4.0要問い合わせあり施設系・通所系・訪問系・居宅介護支援・訪問看護Pマーク
6Blue Ocean Note3.5記載なしあり施設系・通所系・訪問系・居宅介護支援・訪問看護・障害福祉・地域包括支援センターPマーク
7Canbill Neo3.5¥3,000/月〜(月額制)あり施設系・通所系・訪問系・居宅介護支援・福祉用具貸与Pマーク・ISMS
8すこやかサン3.5¥12,500/月〜(月額制)あり施設系・通所系・訪問系・居宅介護支援・訪問看護・地域包括支援センター未確認
9ほのぼのNEXT3.5要問い合わせあり施設系・通所系・訪問系・居宅介護支援・訪問看護ISMS
10ほのぼのmini23.5¥3,000/月〜(月額制)あり施設系・通所系・訪問系・居宅介護支援・福祉用具貸与Pマーク・ISMS
11ケアマザー3.5¥6,670/月〜(月額制)あり施設系・居宅介護支援・障害福祉記載なし
12トリケアトプス3.5従量制あり施設系・通所系・訪問系・居宅介護支援・訪問看護・障害福祉・福祉用具貸与記載なし
13ナビケアPlus3.5年額制あり通所系・訪問系・居宅介護支援・訪問看護・福祉用具貸与・地域包括支援センター記載なし
14Care-wing3.0月額制あり施設系・訪問系・訪問看護・障害福祉Pマーク
15CareWORKS213.0¥3,300/月〜(月額制)あり施設系・通所系・訪問系・居宅介護支援・訪問看護・福祉用具貸与・地域包括支援センターPマーク・ISMS

編集部スコア順(2026年11月5日時点)。当てはまる36本のうち15本を表示。スコアは機能の優劣ではなく、選ぶための公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

当てはまる36本をすべて見る

介護ソフトの一覧は介護ソフトの比較ページに、現場の介護職員向けのツールは介護職員のページにまとめています。

よくある質問

タブレットの購入は補助金の対象になりますか?

都道府県の介護テクノロジー導入支援事業で、タブレット端末はICTの補助対象に挙げられています。令和6年度補正予算の事業では、介護ソフトの上限250万円のうち情報端末の上限は10万円です。年度・都道府県ごとに要綱が異なるため、申請前に自分の都道府県の要綱を確かめます。

タブレットを配れば生産性向上推進体制加算を算定できますか?

加算の要件になるテクノロジーの「ウ 介護記録ソフトウェアやスマートフォン等」は、データの入力から記録・保存・活用までを一体的に支援するものに限られます。端末だけでなく、それと組み合わせる記録ソフトが要件を満たすこと、委員会の開催と継続的な改善活動、1年以内ごとに1回のデータ提出が必要です。

職員の私物のスマートフォンで記録を取ってもよいですか?

ガイドライン第7.0版の企画管理編は、私物端末を業務に使うBYODを認める場合はその扱いを規程に含め、台帳で管理することを求めています。規程と台帳が無いまま私物端末で記録を取ることは、ガイドラインの求める管理ができていない状態です。

端末を紛失したときはどうしますか?

システム運用編は、紛失・盗難時の対応手順をあらかじめ決めておくことと、たとえばMDM(モバイルデバイス管理)を導入して遠隔制御を行うなど、可能な対策を事前に講じておくことを求めています。端末の起動パスワードと保存データの暗号化を事前にかけておくことが前提です。

出典

  1. 厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業(令和7年度当初予算)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001476528.pdf
  2. 厚生労働省「介護テクノロジー導入・協働化等支援事業(令和6年度補正予算)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001596362.pdf
  3. 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001230329.pdf
  4. 厚生労働省「介護サービス事業(施設サービス分)における生産性向上に資するガイドライン(令和2年度版)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_shisetsu_Guide.pdf
  5. 厚生労働省「介護サービス事業(居宅サービス分)における生産性向上に資するガイドライン 改訂版」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
  6. 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版 システム運用編」
    https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001716295.pdf
  7. 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版 企画管理編」
    https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001716292.pdf

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月23日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

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