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介護記録の電子化|認められる範囲・守るガイドライン・進め方【2026年】

介護ツールナビ編集部公開

要点

介護記録の電子化とは、介護保険の運営基準で書面で行うとされている記録の作成・保存などを、書面に代えて電磁的記録(電子データ)で行うことです。令和3年度の改定で、運営基準に「電磁的記録等」の条文(指定居宅サービス等の基準 第217条など)が新しく置かれ、被保険者証に関するものを除いて、記録を紙でなく電子で作り、保存できることが明確になりました。電子で行うときは、個人情報の取扱いのガイダンスと、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を守るよう解釈通知が求めており、このガイドラインは2026年10月4日時点で第7.0版(令和8年6月)が最新です。

数字介護記録の電子化の根拠(2026年10月4日時点)
  • 第217条居宅サービスの基準「電磁的記録等」の条文
  • 令和3年度条文が新設された改定令和3年厚生労働省令第9号
  • 第7.0版安全管理ガイドライン令和8年6月。介護事業者も対象

介護記録の電子化とは:運営基準の「電磁的記録等」

介護記録を電子で作り、保存してよい根拠は、サービスごとの運営基準(厚生労働省令)にある「電磁的記録等」の条文です。指定居宅サービス等の基準 第217条第1項は、この省令で書面で行うと規定されている、または想定されている作成・保存などは、「書面に代えて、当該書面に係る電磁的記録により行うことができる」と定めています。電磁的記録は、電子的方式・磁気的方式など人の知覚では認識できない方式で作られ、コンピュータで処理するための記録のことです。

サービス運営基準条文
訪問介護・通所介護・短期入所・福祉用具貸与などの居宅サービス指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第217条
居宅介護支援指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第31条
介護老人福祉施設(特養)指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)第50条
地域密着型サービス(グループホームなど)指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)第183条

条文はe-Gov法令検索で2026年10月4日に確認したものです。電子にできないものとして除かれているのは、被保険者証に関する規定です。たとえば第217条は、被保険者証で資格を確かめる第11条第1項と、特定施設入居者生活介護の開始・終了を被保険者証に記載する第181条第1項を除いています。解釈通知(老企第25号の第5「雑則」)も、対象を「この省令で規定する書面(被保険者証に関するものを除く。)」としています。

この条文は、令和3年度の介護報酬改定で新しく置かれました。厚生労働省の専門委員会の資料(令和3年3月17日)は、改定の目的を「文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減」とし、諸記録の保存・交付などについて、適切な個人情報の取扱いを求めたうえで電磁的な対応を原則認めると説明しています。令和6年度の改定後の老企第25号の新旧対照表でも、雑則の電磁的記録・電磁的方法の部分は変わっていません。

どの記録をいつまで残すかは、介護記録の保存期間の記事で扱っています。

電子にできること:作成・保存と、交付・説明・同意

電子にできることは、運営基準の第1項(作成・保存など)と第2項(交付・説明・同意など)で分かれています。第2項の交付・説明・同意などは、相手方(利用者や家族)の承諾を得ることが条件です。

区分条文(居宅サービスの例)条件解釈通知が示す方法
作成・保存など第217条第1項事業者の判断でできる(被保険者証に関するものを除く)作成はパソコンのファイルへの記録か磁気ディスク等で調製。保存は、作成した電子データをファイル等で保存するか、紙の内容をスキャナ等で読み取って保存
交付・説明・同意・承諾・締結など第217条第2項相手方の承諾を得る交付は第8条第2項〜第6項に準じる。同意は、たとえば電子メールで利用者等が同意の意思表示をする方法。締結は、署名や記名・押印に代えて電子署名を使うことが望ましい
比較作成・保存と交付・同意の違い(居宅サービスの基準)

作成・保存

第217条第1項

  • 事業者の判断で電子にできる
  • 紙をスキャンして保存してもよい
  • 被保険者証に関するものは除く

交付・説明・同意

第217条第2項

  • 利用者・家族の承諾が要る
  • 同意は電子メールなどでもよい
  • 契約の締結は電子署名が望ましい

交付の方法を定めた第8条は、重要事項説明書を電子で渡す場合について、使う方法とファイルの形式をあらかじめ示して、文書か電磁的方法で承諾を得ること、渡す方法は利用者・家族がファイルを出力して文書を作れるものであること、承諾の後に「電子で受け取らない」という申出があれば電子で渡してはならないことを定めています。解釈通知は、同意と締結について、内閣府・法務省・経済産業省の「押印についてのQ&A」(令和2年6月19日)を参考にするよう書いています。

令和3年度の改定では、あわせて、ケアプランや重要事項説明書などの説明・同意で利用者等の署名・押印を求めないことが可能であることと、その場合の代替手段を示し、様式例から押印欄を削除するとされました(専門委員会の資料)。

電子で保存するときに求められること:真正性・見読性・保存性

電子で記録を残すときは、記録が書き換えられていないこと(真正性)、すぐに画面や紙で読めること(見読性)、保存期間のあいだ復元できること(保存性)を確保します。運営基準の解釈通知は、電磁的記録で行う場合に、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」と、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守するよう求めており、このガイドラインが3つの考え方を示しています。

考え方ガイドライン(第7.0版 保守委託機関編)の説明介護ソフト・クラウドで確かめること
真正性故意または過失による虚偽入力、書換え、消去及び混同を防止すること。作成の責任の所在を明確にすること職員ごとのログインで、だれが入力・確定したか、いつ直したかの履歴が残るか
見読性情報の内容を必要に応じて肉眼で見読可能な状態に容易にできること。直ちに書面に表示できること指導・監査や家族への説明のときに、画面表示や印刷・PDF出力がすぐできるか
保存性法令に定める保存期間内、復元可能な状態で保存することバックアップの有無、解約後のデータの書き出し、保存期間中にデータが消えないか

システム運用編は、真正性を「正当な権限で作成された記録に対し、虚偽入力、書換え、消去及び混同が防止されており、かつ、第三者から見て作成の責任の所在が明確であること」と説明し、混同とは利用者(ガイドラインでは患者)を取り違えた記録などを指すとしています。入力者と確定者を識別・認証し、記録の確定と更新履歴の保存の措置をとること、代行入力では入力者と確定者の責任関係を明確にすることも求めています。音声入力やAIで下書きを作る場合の「だれが確定するか」は、介護記録の音声入力の記事で扱っています。

e-文書法との関係

民間の事業者が法令で保存を求められた書面を電子で保存できるようにする共通の法律が、いわゆるe-文書法(民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律、平成16年法律第149号)です。同法第3条は、主務省令で定める書面の保存について、書面に代えて電磁的記録で保存できると定めています。

厚生労働省の省令(平成17年厚生労働省令第44号)は、別表第一の表一に、指定居宅サービス等の基準 第39条第2項の訪問介護計画の保存などを挙げています。表一の書面を電子で保存する場合は、作成した電子データをファイルで保存するか、紙をスキャナで読み取って保存する方法により、必要に応じて直ちに明瞭かつ整然とした形式で画面に表示し、書面を作れるようにしなければなりません(同省令第4条第1項・第3項)。医療情報システムの安全管理に関するガイドラインも、直接の目的を個人情報保護法とe-文書法への対応としています。

守るガイドライン:医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第7.0版

医療情報システムの安全管理に関するガイドラインの最新版は、2026年10月4日時点で第7.0版(令和8年6月)です。概説編は、対象とする「医療機関等」に訪問看護ステーションと介護事業者を含めています。第6.0版(令和5年5月)からの主な改定点は、厚生労働省の通知(令和8年6月29日)で次のように示されています。

改定点内容
保守委託機関編の追加専門人材が不足している小規模な医療機関等を想定。すべてのサーバのセキュリティアップデートを委託(クラウドサービスの利用を含む)している場合は、概説編とあわせて保守委託機関編に対応することで、その他の編の項目も守れているものとみなす
パスワード使い回しの禁止とアカウントロックの導入を追記。セキュリティ強化につながらないとされる「定期的な変更」の要件を削除
二要素認証クライアント端末とサーバで対応することを明確化。令和9年4月1日時点での対応が困難な場合は、次のシステム改修での対応を許容
クラウドサービス積極的な活用を推進する旨を追記
数字安全管理ガイドライン第7.0版の要点
  • 令和8年6月第7.0版の改定前の第6.0版は令和5年5月
  • 令和9年4月二要素認証の基準時点難しければ次の更新までに

システム運用編は、令和9年4月1日時点で稼働していることが想定されるシステムを、新しく導入したり機器の入れ替えを伴って更改したりするときは、二要素認証を採用するか、それに相当する対応をとるとしています。技術的な理由などで令和9年度までの対応が難しい場合は、令和9年度以降の直近の次のシステム更新までが期限です。

専任のシステム担当者がいない事業所が主に当てはまる保守委託機関編は、システムを導入するときに事業者にMDS/SDS(製造業者/サービス事業者による医療情報セキュリティ開示書)の提出を求めることを挙げています。概説編は、提供されるシステムやサービスの内容、事業者との責任分界や役割分担を契約などで明確にして合意するよう求めています。ガイドラインのページには、運用管理規程の文例とQ&A(令和8年9月)も載っています。クラウドの確かめ方は訪問看護の電子カルテの選び方でも扱っています。クラウド型の介護ソフトで提供元に確かめる項目はクラウド型の介護ソフトの記事にまとめています。

紙の記録をスキャンして電子化するとき

これまでの紙の記録は、スキャナ等で読み取って電子データとして保存できます(解釈通知)。安全管理ガイドラインのシステム運用編は、保存義務のある紙を電子化するときの注意を次のようにまとめています。

  • 保存義務を満たす情報として必要な情報量を確保するため、光学解像度などが一定の規格・基準を満たすスキャナを使う
  • スキャンの前に、他の書類が重なって貼り付いているなど、読み取れない範囲に情報がないかを確かめる
  • どれほど精密な技術でも、スキャンしたものは元の紙と同等にはならないため、電子化は慎重に行う。電子化の後も元の紙を保存することは、真正性・保存性の確保の観点から極めて有効
  • 電子化の後も紙を保存し続ける場合、電子化した情報は参照情報で、保存義務の要件はかからない。ただし個人情報の保護は同じように行う
比較紙を残すか、電子だけにするか(システム運用編)

紙も保存する

電子は参照情報

  • 保存義務の要件は電子にかからない
  • 紙は必要なときに探せるように保管
  • 個人情報の保護は電子も同じ

電子だけを正本にする

保存義務を満たす記録

  • 規格・基準を満たすスキャナを使う
  • 読み取り漏れがないか確かめる
  • 真正性・見読性・保存性を確保

電子化の進め方

電子化は、ソフトを入れることから始めるより、いまの帳票と記入のルールを見直してから進めると、紙の様式をそのまま画面に移すことを避けられます。厚生労働省の「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン」(施設・居宅・医療系のサービス類型ごとに作られています)の居宅サービス分は、生産性向上の取組を7つに分け、その中に「記録・報告様式の工夫」と、ICTなどで転記作業を減らす「情報共有の工夫」を挙げています。記録・報告様式の工夫の手順(帳票・項目の必要性を見直す、新しい帳票を作る、記入方法を決める、1週間程度運用して評価する)に、運営基準と安全管理ガイドラインで求められることを足すと、次の流れになります。

手順介護記録を電子化する流れ
  1. 帳票と項目を見直す重複している帳票・項目を整理する(生産性向上ガイドライン)
  2. 記入のルールを決めるいつ・だれが入力し、だれが確かめて確定するか
  3. ソフトと端末を選ぶ履歴・画面表示と出力・データの書き出しを確かめる
  4. 利用者・家族の承諾を取る重要事項説明書の交付や同意を電子で行う場合(運営基準の第2項)
  5. 運用の決まりを作るログインの管理、端末の扱い、事業者との役割分担を規程にする
  6. 試して見直すしばらく運用して、使いにくい項目を直す

ソフトを選ぶときに確かめることは、介護ソフトの選び方に7つの観点でまとめています。いまのソフトから替える場合は介護ソフトの乗り換えの記事、市町村・事業所の間で介護保険の情報を電子で共有する国の仕組みは介護情報基盤の記事を見てください。介護記録ソフトやタブレットの導入費は、都道府県の介護テクノロジー導入支援事業で補助されることがあります(介護テクノロジー導入支援事業の記事)。管理者向けのツールは管理者・施設長の方向け、事務・請求の担当者向けは事務・請求担当の方向け、現場の職員向けは介護職員の方向けでも探せます。

介護記録の電子化に使うツール

記録・請求・計画書をまとめて扱う介護ソフトと、記録の入力を声で行うツールの一覧です。一覧は掲載DBの編集部スコア順で、スコアは料金・無料で試せるか・連携などの公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

  1. 1

    ケア樹5.0/5

    株式会社グッドツリー・介護ソフト

    料金公開無料で試せるケアプランデータ連携施設系・通所系・訪問系ほか1

    施設系・通所系・訪問系・居宅介護支援など幅広い事業所向けに、計画書作成・記録・請求・情報共有をクラウドで一括管理する介護ソフト。

  2. 2

    まもる君クラウド4.5/5

    株式会社インタートラスト・介護ソフト

    ¥7,800〜/月無料で試せるケアプランデータ連携施設系・通所系・訪問系ほか2

    クラウド型の介護管理ソフト。請求・記録・ケアプラン作成から国保連伝送までを一元管理でき、複数サービスを運営する事業所は同一法人IDでまとめて利用できる。

  3. 3

    カイポケ4.0/5

    株式会社エス・エム・エス・介護ソフト

    料金は問い合わせ無料で試せるケアプランデータ連携施設系・通所系・訪問系ほか4

    訪問・通所・施設・居宅介護支援・障害福祉など幅広い事業所に対応し、タブレットやスマホでの記録を請求データや帳票に連動させるクラウド型の介護・障害福祉業務ソフト。

  4. 4

    ナーシングネットプラスワン4.0/5

    株式会社LITALICO・介護ソフト

    ¥8,000〜/月無料で試せるケアプランデータ連携施設系・通所系・訪問系ほか4

    居宅介護支援や訪問・通所介護、訪問看護、障害福祉サービスなど幅広い種別に対応するクラウド型の介護記録・請求ソフト。ケアプランデータ連携システムにも対応する。

  5. 5

    ファーストケア4.0/5

    株式会社ビーシステム・介護ソフト

    料金は問い合わせ無料で試せるケアプランデータ連携施設系・通所系・訪問系ほか2

    施設・居宅・地域密着型サービス等に対応する介護保険業務管理ソフト。請求・記録・情報共有を一元化し、ナースコールや見守りセンサー各社製品との連携に対応する。

編集部スコア順(2026年11月5日時点)。当てはまる86本のうち5本を表示。スコアは機能の優劣ではなく、選ぶための公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

当てはまる86本をすべて見る

すべての介護ソフトは介護ソフトのカテゴリで比べられます。

  1. 1

    ミルモレコーダー4.0/5

    株式会社ウェルモ・記録・音声入力

    ¥5,000〜/月無料で試せるTAIS居宅介護支援・訪問系

    医療・介護向けの音声テキスト化AI。会話を文字起こしし、支援経過記録や訪問看護記録などの様式に要約する。オプションで要約した記録を介護ソフトへ自動転記できる。

  2. 2

    キロクン3.0/5

    合同会社SUTEKINA JIKAN・記録・音声入力

    ¥5,000〜/月無料で試せる居宅介護支援

    ケアマネジャー向けの記録作成支援。担当者会議の録音と訪問後の短い音声メモから、第4表(サービス担当者会議の要点)と支援経過の下書きを作り、メールで届ける。聞き取りが不確かな箇所は一覧で示す。

  3. 3

    訪問看護マナ(神マナ)3.0/5

    株式会社ライフシフト・訪問看護ソフト

    料金公開無料で試せる訪問看護

    カイポケと連携して使う訪問看護向けのAI記録アプリ。訪問先で話した内容から記録書Ⅱ・計画書・報告書を作成し、カイポケへの転記までをスマートフォンで行う。

  4. 4

    ながらかいご2.5/5

    株式会社NAGARA・記録・音声入力

    ¥30,000〜/月無料で試せる

    介護士がケアや会話をしながら、音声入力だけで記録や報告書を自動で作るアプリ。スタッフ間の通話機能もあり、導入研修・初期設定は0円。はじめの1か月は無料で試せる。

  5. 5

    むすぼなAI2.5/5

    株式会社やさしい手・記録・音声入力

    料金公開施設系・通所系・訪問系ほか1

    介護・医療業界向けの生成AI。介護記録の要約、個別機能訓練計画書の作成、外国人スタッフの連絡帳作成、モニタリング記録の文字起こしなどに使う。介護事業者のやさしい手が自社運用してから外販している。

編集部スコア順(2026年11月5日時点)。当てはまる8本のうち5本を表示。スコアは機能の優劣ではなく、選ぶための公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

当てはまる8本をすべて見る

音声入力・AIのツールは記録・音声入力のカテゴリにまとめています。

よくある質問

介護記録を電子化するのに、市町村などへの届出は要りますか?

運営基準の「電磁的記録等」の条文(居宅サービスは第217条第1項)は、書面で行うとされている作成・保存などを、書面に代えて電磁的記録で行うことが「できる」と定めており、条文そのものには届出の手続きは書かれていません。運営基準は国の省令を基準として都道府県・指定都市・中核市などの自治体が条例で定める仕組みのため(居宅サービスの基準 第1条)、独自の取扱いがないかは指定権者の介護保険の担当課に確かめてください。

利用者の署名や押印は、電子化したら要らなくなりますか?

令和3年度の改定で、ケアプランや重要事項説明書などの説明・同意で利用者等の署名・押印を求めないことが可能であることと、その代替手段が示され、様式例から押印欄が削除されました。電子で同意を得る場合は、あらかじめ利用者・家族の承諾を得たうえで、たとえば電子メールで同意の意思表示を受ける方法が解釈通知に例示されています。契約の締結は、電子署名を使うことが望ましいとされています。

紙の記録をスキャンしたら、紙は捨ててよいですか?

解釈通知は、紙の内容をスキャナ等で読み取った電子データで保存する方法を認めています。一方で、安全管理ガイドライン第7.0版のシステム運用編は、スキャンしたものは元の紙と同等にはならないため電子化は慎重に行うこと、電子化の後も元の紙を保存することは真正性・保存性の確保に極めて有効であることを書いています。電子だけにする場合は、規格・基準を満たすスキャナで読み取り、保存期間(保存期間の記事)のあいだ読める状態を保ってください。

小さな事業所でも安全管理ガイドラインを守る必要がありますか?

運営基準の解釈通知は、電磁的記録で行う場合にこのガイドライン等を遵守するよう求めており、ガイドラインの対象には介護事業者が含まれています。第7.0版で追加された保守委託機関編は、専任のシステム担当者がいない小規模な医療機関等を想定し、すべてのサーバのセキュリティアップデートをクラウドサービスの利用などで委託している場合は、概説編とあわせて保守委託機関編に対応することで、ガイドラインを守っているものとみなすとしています。

出典

  1. e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100037
  2. e-Gov法令検索「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第38号)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100038
  3. e-Gov法令検索「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第39号)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100039
  4. e-Gov法令検索「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第34号)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100034
  5. 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.934 「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準…の制定に伴う実施上の留意事項について」等の一部改正について」(令和3年3月16日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/000763179.pdf
  6. 厚生労働省「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(平成11年9月17日老企第25号)(抄)」新旧対照表(令和6年度介護報酬改定)
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001221584.pdf
  7. 厚生労働省「介護分野の文書に係る負担軽減について」(介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会(第8回)資料、令和3年3月17日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/000754441.pdf
  8. e-Gov法令検索「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」(平成16年法律第149号)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000149
  9. e-Gov法令検索「厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令」(平成17年厚生労働省令第44号)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/417M60000100044
  10. 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版(令和8年6月)」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275_00006.html
  11. 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版 概説編」
    https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001716290.pdf
  12. 厚生労働省「「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第7.0版」の策定について」(令和8年6月29日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001716656.pdf
  13. 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版 システム運用編」
    https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001716295.pdf
  14. 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版 保守委託機関編」
    https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001716297.pdf
  15. 厚生労働省「介護サービス事業(居宅サービス分)における生産性向上に資するガイドライン 改訂版」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
  16. 厚生労働省「介護分野における生産性向上 お知らせ」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/kaigo-seisansei-information.html

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月4日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

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