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介護記録の音声入力・AIで記録業務を減らす|4つの方式の向き不向きと導入前の確認【2026年】

介護ツールナビ編集部公開

要点

介護記録の音声入力・AIは、その場で話して入力する方式、会話を録音して文字起こしし、AIが記録の形に要約する方式、インカムで話した内容から記録を作る方式、音声ファイルを後から文字起こしする方式に分かれ、介助しながら短い記録を残したい施設と、面談や訪問の長い記録を作る居宅介護支援・訪問系とでは、向く方式が違います。導入の前には、利用者の情報をどこで処理し機械学習に使わないか(個人情報)、誤認識をだれがいつ直して確定するか、いまの介護ソフトに記録を取り込めるかの3点を確かめます。2026年9月26日時点で当サイトの記録・音声入力カテゴリに掲載している7本のうち、料金を公式サイトに載せているのは4本、無料で試せると案内しているのは5本です。

音声入力・AIの4つの方式

当サイトの掲載製品の公開情報をもとに、方式を4つに分けました。

方式仕組み掲載製品の公開情報の例
1. その場で話して入力手で打つ代わりに声で記録を入力する。スマートフォンや専用端末を使うハナスト(スマホをポケットに入れたまま介助しながら記録。同じアプリでスタッフ間の連絡も)、ながらかいご(専用端末で、ケアや会話をしながら音声入力で記録・報告書を作成。通話機能あり)
2. 録音して文字起こし・AIで要約面談や訪問の会話を録音して文字にし、AIが記録の様式に要約するミルモレコーダー(会話を文字起こしし、支援経過記録や訪問看護記録などの様式に要約)、むすぼなAI(モニタリング記録の文字起こし、介護記録の要約)
3. インカムで話した内容を記録インカムでの会話をAIが認識して、介護記録を作る音声記録AIオプション(ワイズマン×BONX)(インカム「BONX WORK」で話した内容をリアルタイムに認識し、ワイズマンの介護記録を作成)
4. 音声ファイルの文字起こし介護の専門用語に対応した音声入力や、録音ファイルの文字起こし音声入力支援システム voice fun(介護・福祉の専門用語に対応。WAV・WMA・MP3の文字起こし。介護ソフト「ほのぼのNEXT」に対応)

音声入力やAIの機能を持つ介護ソフト・訪問看護ソフトもあります。たとえばBlue Ocean NoteはAI音声入力とインカム(BONX WORK・Buddycom)との連携、FTCare-iは画像や音声からの記録データの入力と要約、訪問看護ステーション管理システムSPは音声入力ソフトAmiVoiceとの接続を案内しています。いまの介護ソフトにこうした機能やオプションがあるかを先に確かめると、別の製品を足さずに済む場合があります。

方式ごとの向き不向き

どの方式が合うかは、記録が「いつ・どこで・どのくらいの長さで」発生するかで決まります。

方式向いている場面気をつけること
1. その場で話して入力施設・通所で、介助の直後に短い記録を残す利用者のそばで声に出すため、聞かれたくない内容の言い方を決めておく。騒がしい場所での聞き取り
2. 録音して文字起こし・AIで要約居宅介護支援のモニタリングや訪問など、会話が長く、あとで記録にまとめる録音して記録に使うことを利用者・家族にどう説明するか。要約で抜けた内容や、話していない内容が入っていないかの確認
3. インカムで話した内容を記録スタッフ間の連絡にインカムを使っている施設・通所話した内容が同じチャンネルのスタッフに聞こえる。インカムを使っていなければ機器から用意する
4. 音声ファイルの文字起こし録音をあとでまとめて文字にする。介護ソフトの入力欄に声で入れるその場で記録が確定しないので、文字起こしと確認の時間を業務に組み込む
比較施設・通所と居宅介護支援・訪問系で向く方式

施設・通所

介助の直後に短い記録を残す

  • その場で話して入力
  • インカムで話した内容を記録(スタッフ間の連絡にインカムを使っている場合)
  • 利用者のそばで声に出すため、聞かれたくない内容の言い方を決めておく

居宅介護支援・訪問系

モニタリングや訪問の長い会話を、あとで記録にまとめる

  • 録音して文字起こし・AIで要約
  • 録音して記録に使うことを、利用者・家族にどう説明するかを決める
  • 要約で抜けた内容や、話していない内容が入っていないかを確かめる

対象サービスも製品で違います。当サイトの公開情報では、ハナストと音声記録AIオプション(ワイズマン×BONX)は施設系・通所系、ミルモレコーダーは居宅介護支援・訪問系を対象にしています。製品ページの「対象サービス種別」で、自分の事業所の種別が入っているかを確かめてください。

導入前に確かめる1:個人情報の扱い

介護記録には利用者の病歴や心身の状況が書かれます。個人情報保護委員会と厚生労働省の「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(令和8年4月一部改正)は、介護関係記録に書かれた病歴や障害の事実などを要配慮個人情報(取り扱いに特に配慮が要る個人情報)に当たるとしています。

生成AIのサービスについては、個人情報保護委員会が令和5年6月2日に注意喚起を出しています。事業者が個人情報を含む入力(プロンプト)をするときは、利用目的の達成に必要な範囲かを十分に確認すること、本人の同意なく個人データを入力し、それが応答の出力以外の目的で取り扱われると法律違反になる可能性があるため、提供事業者がそのデータを機械学習に利用しないことなどを十分に確認すること、としています。

同じガイダンスは、個人データの取り扱いを外部に委託するときの監督として、安全管理の内容を契約に盛り込み、定期的に確認すること、委託終了後のデータの扱いも契約に入れること、再委託には事前の報告や承認を求めることが望ましいことなどを挙げています。外国で個人データを扱う場合は、その国の制度などの外的環境を把握したうえで安全管理措置を講じるとしています。利用目的は、事業所内への掲示と、可能な場合はホームページへの掲載などで公表するとしています。

提供元に確かめることは次のとおりです。

  • 音声と文字のデータを、どの国のどこで処理・保存するか
  • 入力したデータを機械学習に使わないか。使わないことが契約や利用規約に書かれているか
  • 契約が終わったとき、データを消すか・書き出せるか
  • 音声認識やAIの部分を別の会社が提供している場合(再委託)、その会社でのデータの扱い
  • 録音して記録に使うことを、利用目的の説明にどう入れるか(事業所側で決める)

厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版」は、対象とする医療機関等に訪問看護ステーションと介護事業者を含めています。クラウドサービスの確かめ方は訪問看護の電子カルテの選び方で扱っています。

導入前に確かめる2:誤認識を確かめる手順

音声入力もAIの要約も、聞き違いや要約の漏れが起こりえます。記録はそのまま職員間の引き継ぎや利用者・家族への説明に使われるため、「だれが・いつ・どこで確かめて確定するか」を導入前に決めておきます。

関係音声が介護記録になるまで
  1. 話した内容介助中や面談・訪問で
  2. 音声
  3. 音声認識・AI文字起こし・要約
  4. 下書き
  5. 職員の確認聞き違いや要約の漏れ
  6. 確定
  7. 介護記録引き継ぎや説明に使う
  • 確定する人と時点: 話した本人がその場で確定するか、リーダーが勤務の終わりにまとめて確認するか
  • 間違えると困る項目: 利用者の名前、薬の名前、バイタルや食事量などの数字、時刻。これらは確認の対象として決めておく
  • 元の記録との見比べ: AIの要約を、元の文字起こしや音声と見比べられる画面か
  • 下書きと確定の区別: 確認前の下書きと確定した記録が区別され、修正の履歴が残るか
  • 言葉の登録: 利用者の名前や事業所でよく使う言葉を登録できるか。介護の専門用語への対応をうたう製品もある

当サイトでは認識の精度を数字で比べていません。無料で試せる製品では、自分の事業所の言葉(利用者の名前、薬の名前、よく使う言い回し)で試用し、確認にかかる手間も含めて確かめてください。

導入前に確かめる3:いまの介護ソフトとの連携

音声入力やAIで作った記録を、介護ソフトに手で打ち直すと、手間が減りません。取り込み方は製品で違います。

取り込み方掲載製品の公開情報の例
介護ソフトのオプション・標準機能として動く音声記録AIオプション(ワイズマン×BONX)はワイズマンシステムSPのオプション、voice funは「ほのぼのNEXT」に対応
特定の介護ソフトと連携するハナストは「CAREKARTE(ケアカルテ)」と連携
自動転記のオプションミルモレコーダーは、要約した記録を介護ソフトへ自動で転記するオプション(RPA経由)
  • いまの介護ソフトの名前を伝え、記録のどの項目(経過記録、バイタル、食事など)に入るかを確かめる
  • 転記の方法(ソフト同士の連携、RPAによる自動入力、コピー・貼り付けなど)と、その費用
  • 介護ソフトを将来替えたときに、音声入力側を続けて使えるか

介護ソフト全般の選び方は介護ソフトの選び方にまとめています。

料金の形

当サイトの掲載情報(2026年9月26日時点)で公開されている料金の例です。

製品公開されている料金
ミルモレコーダー1アカウント月5,000円(月40時間)。10時間単位で追加でき、年払いは5%割引。最低利用期間3か月
ながらかいご記録は1事業所あたり月30,000円(30床まで。超えると1床ごとに月1,000円)。通話は従業員1名あたり月850円。端末・通信・導入研修・初期設定は0円
むすぼなAI初期費用39,800円(居宅向けは3,980円)。公式の参考例では月5,000〜70,000円
ハナスト金額は問い合わせ。契約後はライセンスフリーで台数は無制限

課金の単位は、アカウントと録音時間、事業所と床数、利用量など製品で違います。記録する人数、1日に記録する回数や録音の長さを見積もってから比べます。ハナストとミルモレコーダーは、介護ロボットの情報を集めた公的なデータベース(TAIS)に掲載されていると当サイトの情報に載っています。導入費用の補助は介護テクノロジー導入支援事業の記事、介護テクノロジーの重点分野は重点分野の記事、テクノロジーの活用と加算の関係は生産性向上推進体制加算の記事で扱っています。

  1. 1

    ミルモレコーダー4.0/5

    株式会社ウェルモ・記録・音声入力

    ¥5,000〜/月無料で試せるTAIS居宅介護支援・訪問系

  2. 2

    キロクン3.0/5

    合同会社SUTEKINA JIKAN・記録・音声入力

    ¥5,000〜/月無料で試せる居宅介護支援

  3. 3

    訪問看護マナ(神マナ)3.0/5

    株式会社ライフシフト・訪問看護ソフト

    料金公開無料で試せる訪問看護

  4. 4

    ながらかいご2.5/5

    株式会社NAGARA・記録・音声入力

    ¥30,000〜/月無料で試せる

  5. 5

    むすぼなAI2.5/5

    株式会社やさしい手・記録・音声入力

    料金公開施設系・通所系・訪問系ほか1

  6. 6

    ハナスト2.0/5

    株式会社ケアコネクトジャパン・記録・音声入力

    料金は問い合わせTAIS施設系・通所系・障害福祉

  7. 7

    音声入力支援システム voice fun(ボイスファン)2.0/5

    エヌ・デーソフトウェア株式会社・記録・音声入力

    料金は問い合わせ無料で試せる

  8. 8

    音声記録AIオプション(ワイズマン×BONX)2.0/5

    株式会社ワイズマン/株式会社BONX・記録・音声入力

    料金は問い合わせ無料で試せる施設系・通所系

編集部スコア順(2026年11月5日時点)。当てはまる8本のうち8本を表示。スコアは機能の優劣ではなく、選ぶための公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

一覧の「スコア」は、料金・無料で試せるか・連携などの公開情報がそろっているかの目安で、音声認識の精度や機能の優劣ではありません(採点方法)。

よくある質問

音声入力とAIの要約は何が違いますか?

音声入力は、話した言葉をそのまま文字にして記録欄に入れるものです。AIの要約は、録音した会話などの文字起こしから、支援経過記録などの様式に合わせて内容をまとめるものです。要約は元の会話より短くなるため、抜けた内容や話していない内容が入っていないかを、元の文字起こしと見比べて確かめます。

利用者との会話を録音して記録に使ってもよいですか?

医療・介護関係事業者向けのガイダンスでは、介護関係記録に書かれた病歴などは要配慮個人情報に当たり、利用目的は事業所内への掲示と、可能な場合はホームページへの掲載などで公表するとしています。録音して記録に使うことを利用目的の説明にどう含めるか、利用者・家族にどう伝えるかを事業所で決め、提供元にはデータの保存場所や機械学習に使わないことを確かめてください。

いまの介護ソフトを替えずに使えますか?

製品によります。介護ソフトのオプションとして動くもの、特定の介護ソフトと連携するもの、RPAで各社の介護ソフトへ転記するオプションを持つものがあります。いまの介護ソフトの名前を伝えて、記録のどの項目に入るかを確かめてください。

認識の精度はどれくらいですか?

当サイトでは精度を数字で比べていません。話し方や言葉、周りの音で変わるため、無料で試せる製品で、自分の事業所の言葉を使って試用し、確認にかかる手間も含めて確かめてください。

出典

  1. 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(令和5年6月2日)
    https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/230602_AI_utilize_alert/
  2. 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(別添1)
    https://www.ppc.go.jp/files/pdf/230602_alert_generative_AI_service.pdf
  3. 個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(平成29年4月14日、令和8年4月一部改正)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001470633.pdf
  4. 厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス等」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000027272.html
  5. 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版 概説編」
    https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001716290.pdf

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年9月26日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

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