更新情報11/5(木)

介護情報基盤とは|いつから始まるか、事業所の準備・ポータル登録と助成金の上限額【2026年】

介護ツールナビ編集部公開 更新

要点

介護情報基盤は、介護保険被保険者証や要介護認定の情報、主治医意見書、ケアプランなどを、市町村・介護事業所・医療機関・利用者が電子的に共有するための国の仕組みで、国民健康保険中央会(国保中央会)が運営しています。令和8年4月1日以降、介護保険システムの準備(標準化対応)を終えた市町村から順に情報共有が始まり、令和10年4月1日までに全市町村で使い始めることが目標です。事業所は、介護保険資格確認等WEBサービス(介護WEBサービス)を使うための電子証明書・端末の設定とカードリーダーを準備し、その費用には令和8年度も助成金(サービスの種別により上限4.2万〜6.4万円)があります(2026年9月26日時点)。助成金の申請と市町村の対応状況の確認は、国保中央会の「介護情報基盤ポータル」で行います。

介護情報基盤とは

介護情報基盤は、令和8年4月1日施行の改正介護保険法にもとづく仕組みです。これまで紙や電話でやり取りしていた情報を、関係者が電子的に確認できるようにします。厚生労働省の資料では、介護事業所・医療機関が見られる情報として次のものが挙げられています。

  • 介護保険被保険者証等の情報(負担限度額認定証、負担割合証を含む)
  • 要介護認定の情報(主治医意見書を含む)と、認定申請の進み具合
  • 福祉用具購入費・住宅改修費の利用情報
  • ケアプランの情報、LIFE(科学的介護情報システム)の情報

事業所の職員は、インターネットにつながった端末で介護WEBサービスを開いて情報を見ます。利用者の本人確認を介護WEBサービス上で行い、その利用者の担当事業所として登録すると、その人の情報を見られるようになります。サービスの種類や職員の職種によって、見られる情報や使える機能は制限されます。

関係介護情報基盤の情報の流れ
  1. 市町村標準化対応を終えた順
  2. データ移行
  3. 介護情報基盤国保中央会が運営
  4. 情報を見る
  5. 介護事業所介護WEBサービス

厚生労働省は期待される効果として、ケアマネジャーが要介護認定の申請の進み具合や認定情報を画面で確かめられるようになり、市町村への電話での問い合わせや、窓口・郵送での受け取りが要らなくなる、といった例を挙げています。

ほかの仕組みとのつながりは次のとおりです。

  • ケアプランデータ連携システム: 令和9年1月に介護WEBサービスへ統合される予定です(ケアプランデータ連携システムの記事)
  • LIFE: 令和8年5月11日から国保中央会の運用になり、提出されたデータの一部が介護情報基盤に連携されます(LIFEの記事)

いつから始まるか:市町村ごとに順番に、令和10年4月1日までに全市町村

令和7年7月22日の厚生労働省の事務連絡では、スケジュールを次のように示しています。

時期内容
令和8年4月1日以降介護情報基盤と連携する機能を含めて介護保険システムの標準化対応を終えた市町村から、順に介護情報基盤へのデータ移行と、介護情報基盤を通じた情報共有を始める
令和10年4月1日まで全市町村で、データ移行を含めて介護情報基盤の活用を始めることを目指す

令和8年4月21日の事務連絡は、令和8年4月から介護情報基盤が動き始めたとしています。

市町村の準備の進み具合には差があります。令和7年2月に全国の市町村に行った調査では、移行の予定時期に有効回答のあった1,599団体のうち、令和8年度までに移行予定が約66%、令和9年度までが約97%、令和10年度以降が約3%でした。人口規模の大きい自治体ほど、予定時期が遅い傾向があるとされています。その後、令和8年9月18日の社会保障審議会介護保険部会の資料では、令和10年度の本格運用開始までに利用開始日が確定している市町村は1,545(令和8年7月10日時点)とされています。

数字市町村の移行予定時期(令和7年2月の調査・有効回答1,599団体)
  • 約66%令和8年度までに移行予定
  • 約97%令和9年度までに移行予定
  • 約3%令和10年度以降

自分の事業所の利用者が住む市町村がいつから対応するかは、国保中央会の介護情報基盤ポータルで確かめます。ポータルでは令和7年10月から各市町村の対応状況が公開されていて、掲載内容は随時更新・拡充されるとされています。

2026年9月時点でまだ決まっていないこと

項目公表されていること
各市町村の開始時期ポータルで順次公表。全市町村の日程はまとまっていない
ケアプランデータ連携機能への移行の期日令和9年1月の予定。具体的な期日は改めて周知される
移行後の介護報酬の加算の取り扱い厚生労働省が整理・検討中
介護ソフトと介護WEBサービスをつなぐAPI連携の開始時期ケアプランデータ連携システムとの統合より後の予定。令和8年9月18日の介護保険部会の資料は、令和9年4月以降、API連携により介護ソフトでケアプランのデータ連携ができるようになるとしている(介護ソフトの改修が必要)。ベンダー試験の開始時期などは別途周知される
令和9年度以降の助成金2026年9月26日時点で、公表された資料は確認できていない

事業所が準備すること

厚生労働省の資料では、介護WEBサービスを使うために次の準備が必要とされています。

準備すること内容
端末インターネットにつながっているパソコンやタブレット
電子証明書(クライアント証明書)使う端末ごとに専用の電子証明書を入れる。介護保険証明書または介護DX証明書
専用アプリと初期設定端末に専用のアプリケーションを入れ、介護WEBサービスの初期設定などの環境を整える
カードリーダーマイナンバーカードで利用者の本人確認をするときに使う
介護WEBサービスの利用登録電子請求受付システムのユーザID(KJで始まるもの)とパスワードで登録する。ワンタイム認証コードが、電子請求受付システムに登録したセキュリティ用メールアドレスに届く

接続にはクライアント証明書のほか、TLS1.3の通信の設定が必須で、職員がログインするときはワンタイムパスワードで認証します。

ケアプランデータ連携を使う事業所は、市町村を待たずに登録が必要

ケアプランデータ連携システムを移行後も使う、または新しく使い始める事業所は、市町村が介護情報基盤に対応しているかどうかにかかわらず、介護WEBサービスの利用登録が必要です。国保中央会は、利用登録を「2026年12月までに必須」としています。

介護ソフトの対応

厚生労働省は、介護ソフトと介護WEBサービスをAPI(システム同士でデータをやり取りする仕組み)でつなぐ仕様を公開しています。この連携に対応した介護ソフトなら、職員はブラウザの画面を開かずに、ふだん使う介護ソフトの上で被保険者証などの情報を見られるようになります。確定版の「API標準仕様書(第1.0版)」は令和8年8月31日に公開され、機能のリリースはケアプランデータ連携システムとの統合より後の予定です。

また、統合後にケアプランデータ連携機能を使えるのは、ケアプランデータ連携標準仕様の第4.1版または第5.0版に対応した介護ソフトだけです。いまの介護ソフトの対応予定は提供元に確かめます。対応しているソフトの見分け方はケアプランデータ連携に対応した介護ソフトで扱っています。

LIFEも同じ電子証明書を使う

国保中央会が運用するLIFEは、介護WEBサービスと同じ種類の電子証明書でログインします。電子請求やケアプランデータ連携システムで使っている端末でLIFEも使うなら、電子証明書を新しく取る必要はありません。

介護情報基盤ポータルでできること

介護情報基盤ポータルは、国保中央会が設置する介護情報基盤のポータルサイトで、市町村の対応状況などの情報確認、マイページ、助成金の申請、問い合わせができます。利用者の被保険者証などの情報を見るのは介護WEBサービスのほうで、ポータルは介護情報基盤を使うための窓口となるサービスと位置づけられています(令和7年10月17日の厚生労働省の事務連絡に添付された案内)。

できること内容
情報を知る介護情報基盤や関連サービスの最新情報、各市町村(保険者)の対応状況、導入から助成金申請までのマニュアル・手順書
マイページユーザ情報や各種申請情報を確認する。使うには初回利用登録が必要
助成金の申請「各種申請」から、カードリーダーと接続サポート等の経費の助成金を申請する
問い合わせチャット、お問い合わせフォーム、電話

国保中央会の「ユーザ登録の前に(概要)」は、①ポータルのユーザ登録、②端末の準備と各種設定(電子証明書、カードリーダー、介護WEBサービスのアカウント登録など)、③助成金申請の順に進めるよう示しています。助成金の申請には領収書などの書類が要るため、端末の準備と各種設定が終わるまで申請の作業は始めないよう注意書きがあります。ポータルのユーザ登録と介護WEBサービスのアカウント登録は、別の手続きです。

ポータルの初回利用登録とログイン

ポータルの初回利用登録は、助成金などの申請に必要な手続きで、電子請求受付システムのユーザID(KJで始まるもの)とログインパスワードを使って、1事業所につき1回だけ行います。国保中央会の初回利用登録マニュアル(令和8年1月版)の流れは次のとおりです。

  1. ポータルのトップページで「ログイン」を押し、「初回利用登録をする」を押す
  2. 電子請求受付システムの「ユーザID」と「ログインパスワード」を入れる。国保連合会から通知された仮パスワードではエラーになるため、先に電子請求受付システムで任意のパスワードに変更しておく
  3. 電子請求受付システムでセキュリティコードを設定している場合だけ、セキュリティコードを入れる
  4. 電子請求受付システムに登録されているメールアドレスに届くワンタイムパスワードを入れる。電子請求受付システムに「セキュリティ用メールアドレス」を登録していることが前提
  5. 新規ユーザとして、ID(メールアドレス)・氏名・氏名(フリガナ)・電話番号(いずれも必須)と、部署名・役職名(任意)を入れて登録する
  6. 登録したメールアドレスに届く初期パスワードでログインし、ワンタイムパスワードを入れ、新しいパスワードの設定と利用規約への同意を済ませるとマイページが開く
  • メールアドレス: IDにするメールアドレスは、事業所番号ごとに別々のものが必要です
  • ユーザの追加: 1事業所で登録できるのは、初回利用登録をした人を含めて最大5名です。2人目以降は、ログイン後にマイページの「ユーザ新規登録」から追加します(追加できるのは最大4名)。「同一組織で新規登録が完了しています」と表示された場合は、事業所内にすでに登録した人がいないか確かめ、その人のマイページから追加します
  • KJで始まるIDがない医療機関: 介護保険請求をしておらずIDを発行できない医療機関は、ポータルのお問い合わせフォームから「介護情報基盤ポータルのID発行申請」を選んで申請します

助成金:令和8年度の上限額

介護情報基盤を使うための費用は、国保中央会を通じて助成されます。令和8年度の内容は次のとおりです(令和8年4月28日の厚生労働省の事務連絡)。

数字介護事業所向けの助成(令和8年度)
  • 6.4万円訪問・通所・短期滞在系限度額。カードリーダー3台まで
  • 5.5万円居住・入所系限度額。カードリーダー2台まで
  • 4.2万円その他限度額。カードリーダー1台まで
  • 3月12日申請受付の終わり令和9年。予定

介護事業所・医療機関(介護サービスを提供する医療機関)向け

対象になる経費は、①カードリーダーの購入費と、②接続サポート等の経費(介護WEBサービスを使うためのクライアント証明書の搭載など、端末設定の技術的な支援を受ける費用)です。導入支援事業者から、介護情報基盤の接続サポートとケアプランデータ連携システムの接続サポートを一体的に受ける場合、その費用も対象になります。

サービスの種別カードリーダーの助成限度台数助成限度額(①②の合計)
訪問・通所・短期滞在系3台まで6.4万円まで
居住・入所系2台まで5.5万円まで
その他1台まで4.2万円まで
  • 消費税分(10%)も助成の対象で、上の限度額は消費税を含む金額です
  • 同じ事業所で複数のサービスを提供している場合は、サービスの種別ごとの限度額を合計した額を限度額にできます

医療機関(主治医意見書を作成する医療機関)向け

対象補助率助成限度額
200床以上の病院1/255万円まで
199床以下の病院、診療所3/439.8万円まで

対象は、主治医意見書を介護情報基盤経由で電子的に送るための、電子カルテや文書作成ソフトなどの改修費です。

申請のしかた

  • 申請は介護情報基盤ポータルから行います。申請には、ポータルでのユーザ登録が必要です
  • 令和8年度の申請受付期間は、令和8年5月7日から令和9年3月12日まで(予定)です
  • 令和8年4月1日以降に実施した事業が対象です
  • 案内のチラシには、予算に限りがあるため早めの申請を検討するよう書かれています

介護ソフトやタブレットの購入費は、この助成金の対象経費(①②)に入っていません。介護ソフトやタブレットの導入に使える都道府県の補助は、介護テクノロジー導入支援事業の記事で扱っています。

問い合わせ先

介護情報基盤ポータルには、チャット・お問い合わせフォーム・電話の窓口があります。令和8年9月18日の厚生労働省の事務連絡に添付された案内では、介護事業所向けの電話番号は0120-697-312(平日8:00〜18:00、土曜8:00〜16:00)で、お問い合わせフォームは24時間受け付けています。ケアプランデータ連携システムの操作は、別にケアプランデータ連携システムのヘルプデスク(0120-584-708)があります。

よくある質問

介護情報基盤はいつから使えますか

令和8年4月1日以降、介護保険システムの標準化対応を終えた市町村から順に始まっています。全市町村で使い始めるのは令和10年4月1日までが目標です。利用者の住む市町村がいつ対応するかは、介護情報基盤ポータルの市町村の対応状況で確かめます。

利用者の市町村がまだ対応していなくても、準備は必要ですか

ケアプランデータ連携を続ける、または始める事業所は必要です。ケアプランデータ連携システムは令和9年1月に介護WEBサービスへ移る予定で、市町村の対応状況にかかわらず、2026年12月までに介護WEBサービスの利用登録が求められています。

助成金はいくら出ますか

令和8年度は、カードリーダーの購入費と接続サポート等の経費を合わせて、訪問・通所・短期滞在系は6.4万円まで(カードリーダー3台まで)、居住・入所系は5.5万円まで(2台まで)、その他は4.2万円まで(1台まで)です。申請は令和9年3月12日まで(予定)で、令和8年4月1日以降に実施したものが対象です。

介護情報基盤ポータルの登録は必要ですか

介護情報基盤を導入する事業所は、最初にポータルのユーザ登録を行います。国保中央会の「ユーザ登録の前に(概要)」は、ユーザ登録が完了するまで端末の準備や各種設定を始めないよう求めていて、厚生労働省も助成金の申請にはポータルでのユーザ登録が必要としています。初回利用登録は1事業所につき1回で、すでにポータルにログインできる事業所は改めて登録する必要はありません。

介護ソフトを買い替える必要はありますか

介護WEBサービスはブラウザで使えるため、情報を見るだけならソフトの買い替えは前提ではありません。ただし、ケアプランデータ連携機能を統合後に使うには、標準仕様の第4.1版または第5.0版に対応した介護ソフトが必要です。対応状況は提供元に確かめてください。

出典

  1. 厚生労働省 第136回社会保障審議会介護保険部会 資料3「介護情報基盤について(報告)」(令和8年9月18日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001751894.pdf
  2. 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1405 介護情報基盤の今後のスケジュール、介護情報基盤活用のための介護事業所等への支援及び介護情報基盤とケアプランデータ連携システムの統合について」(令和7年7月22日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001520907.pdf
  3. 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1428 「介護情報基盤ポータル」の機能追加及び介護事業所等への支援策について」(令和7年10月17日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001581106.pdf
  4. 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1529 ケアプランデータ連携システムの介護保険資格確認等WEBサービスへの移行について」(令和8年7月29日。別添に「令和8年度における介護情報基盤の活用のための介護事業所等への支援について」(令和8年4月28日))
    https://www.mhlw.go.jp/content/001730882.pdf
  5. 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1505 「介護保険資格確認等WEBサービスとの連携におけるAPI仕様書(暫定版)」の公開及び「ケアプランデータ連携標準仕様」の今後の取扱いについて」(令和8年5月27日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001705072.pdf
  6. 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1539 「介護保険資格確認等WEBサービスとの連携におけるAPI標準仕様書(第1.0版)」の公開について」(令和8年8月31日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001744369.pdf
  7. 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1544 介護保険資格確認等WEBサービス及び介護情報基盤に関する国際福祉機器展(H.C.R.)2026出展のお知らせ」(令和8年9月18日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001751848.pdf
  8. 厚生労働省「LIFEの厚生労働省から公益社団法人国民健康保険中央会への移管に伴い事業所・施設で必要な対応について」(令和8年4月21日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/12301000/001696867.pdf
  9. 厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)の運営主体の移管に係る周知について」(令和8年3月23日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/12301000/001677722.pdf
  10. 国民健康保険中央会「よくあるご質問(ケアプランデータ連携システム引っ越し編)」
    https://www.careplan-renkei-support.jp/wp-content/uploads/sites/2/2026/06/keapu_hikkoshi_faq.pdf
  11. 国民健康保険中央会「介護情報基盤ポータル」
    https://www.kaigo-kiban-portal.jp/
  12. 国民健康保険中央会「初回利用登録マニュアル(介護事業所・医療機関)」(令和8年1月版)
    https://www.kaigo-kiban-portal.jp/assets/pdf/first_time_user_manual.pdf
  13. 国民健康保険中央会「ユーザ登録の前に(概要)」(介護情報基盤ポータル)
    https://www.kaigo-kiban-portal.jp/assets/pdf/user_touroku_jizen.pdf
  14. 国民健康保険中央会「ユーザ登録(詳細フロー)」(介護情報基盤ポータル)
    https://www.kaigo-kiban-portal.jp/assets/pdf/user_touroku_syousai.pdf

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月7日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

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