介護ソフトの乗り換え手順と注意点|契約・データ移行・請求月の切り替え【2026年】

要点
介護ソフトの乗り換えは、①今の契約の解約条件を確かめる、②データの移し方と旧データの保存方法を決める、③どのサービス提供月の請求から新しいソフトに切り替えるかを決める、の順に進めます。介護給付費の請求は各月分を翌月10日までに行う決まりなので、切り替えは月の区切りに合わせ、最後の月の請求と、その後の返戻・再請求が落ち着くまでは旧ソフトのデータを使える状態にしておくのが要点です。記録の保存期間は国の基準で2年、自治体の条例で5年としている例もあるため、解約後も過去の記録を読める形で残します。
乗り換えの流れ
乗り換えは、次の順に進めると抜けが出にくくなります。
- 今の契約を確かめる契約期間、解約の予告期間、解約時の費用、解約後のデータの扱い
- 新しいソフトを選ぶ自分のサービス種別の請求ができるか、データを取り込めるか(介護ソフトの選び方)
- 切り替える月を決める「◯月サービス提供分から新しいソフトで請求する」と決める
- データを移す・残す利用者情報などを移し、旧ソフトの記録や請求の履歴を書き出して保存する
- 請求(伝送)の準備をする電子証明書の設定と、テスト送信による接続の確認
- 職員への説明と並行入力職員に説明し、並行して入力する期間を置く
- 連携先に知らせる居宅介護支援事業所やサービス事業所、ケアプランデータ連携の設定
- 旧ソフトを解約する最初の請求と、その後の返戻・再請求を確認してから旧ソフトを解約する
たとえば「11月サービス提供分から新しいソフトで請求する」場合の流れは次のとおりです(2026年9月26日時点の請求の決まりをもとにした一般的な例)。
| 時期 | すること |
|---|---|
| 9月まで | 今の契約の解約予告期間を確かめる。候補を選び、無料体験やデモで確かめる |
| 10月 | 新しいソフトの契約。事業所・利用者の情報を登録し、伝送の準備と入力の練習をする |
| 11月1日〜10日 | 10月サービス提供分を旧ソフトで請求する(旧ソフトでの最後の請求) |
| 11月 | 11月サービス提供分の実績を新しいソフトで入力する |
| 11月末 | 10月分の審査結果を受け取る(インターネット請求の場合) |
| 12月1日〜10日 | 11月サービス提供分を新しいソフトで請求する(新しいソフトでの最初の請求) |
| 12月以降 | 返戻になった分の再請求や過誤の申し立てを済ませ、旧ソフトのデータを書き出して保存してから解約する |
1. 今の契約を確かめる
乗り換えを決めたら、まず今のソフトの契約書と利用規約で次を確かめます。
- 契約期間と自動更新。 年単位の契約や、複数年の契約を前提にした料金もあります
- 解約の予告期間。 「◯か月前までに申し出る」といった決まりがあると、切り替えたい月から逆算して申し出る必要があります
- 解約時の費用。 残りの期間の料金や違約金がかかるか
- 解約後のデータの扱い。 解約後にいつまでログインできるか、データはいつ消されるか、書き出しに費用がかかるか
- 端末のリースや保守の契約。 ソフトとは別の契約になっていることがあります
当サイトに掲載している介護ソフトにも、3年契約で換算した月額を示す製品や、違約金なしと案内する製品があり、契約の条件は製品ごとに違います。新しいソフトを選ぶときも、同じ項目を先に確かめておくと次の乗り換えで困りません。料金の比べ方は介護ソフトの料金の記事にまとめています。
2. データの移し方と、旧データの保存
移すデータと、移すときに確かめることを整理します。
| データ | 例 | 確かめること |
|---|---|---|
| 事業所の情報 | 事業所番号、サービス種別、加算の届出の状況、職員 | 新しいソフトで設定し直すものが多い。加算の設定は特に照らし合わせる |
| 利用者の基本情報 | 氏名、被保険者番号、要介護度と認定期間、負担割合、公費、利用者負担の引き落とし口座 | CSVなどで取り込めるか。取り込んだ後に1人ずつ照合する |
| 計画・提供票 | ケアプラン、サービス提供票、個別サービス計画 | 進行中の計画をどちらのソフトで管理するか |
| 記録 | 介護記録、バイタル、経過記録 | 新しいソフトに移せるか。移せない分は旧ソフトから書き出して保存する |
| 請求の履歴 | 請求明細、給付管理、返戻、利用者負担の請求と入金 | 返戻や月遅れの請求に使うため、切り替え後もしばらく参照できるようにする |
どのデータをどの形式(CSV、PDFなど)で移せるか、移行の手伝いがあるか、その費用はいくらかは、旧ソフトと新しいソフトの組み合わせで変わります。両方の提供元に確かめてください。利用者の個人情報を受け渡すので、データの受け渡し方法と、作業後に不要なファイルを消す手順も決めておきます。
記録の保存期間
介護サービスの記録は、決められた期間の保存が必要です。国の基準(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準)では、たとえば訪問介護の計画や提供した具体的なサービスの内容の記録を、その完結の日から2年間保存するとしています。一方、川崎市は条例で5年と定めていて、電子文書による保存もできると案内しています。保存期間は指定を受けている自治体の条例で決まるため、自分の自治体の基準で確かめてください。起算点や自治体ごとの例は介護記録の保存期間で整理しています。
- 2年国の基準完結の日から。訪問介護の計画や提供したサービスの内容の記録の例
- 5年川崎市の条例保存期間は指定を受けている自治体の条例で決まる
ソフトを解約すると、過去の記録を画面で見られなくなることがあります。解約する前に、保存期間ぶんの記録と請求の履歴を、PDFなど後から読める形で書き出しておきます。
3. 切り替える月を決める
介護給付費の請求は、各月分を翌月10日までに国保連に行う決まりです。岐阜県国保連の案内では、インターネット請求は毎月1日から10日の23時30分まで送信できます。そのため、「◯月サービス提供分から新しいソフト」と月の区切りで切り替えるのが基本です。月の途中から新しいソフトで入力を始める場合も、その月の分をどちらのソフトで請求するかを決めておきます。
切り替えの前後で気をつけることは次のとおりです。
- 請求の重複に注意する。 岐阜県国保連の問い合わせ集では、すでに送った明細を含めて送り直すと重複エラーになると案内されています。旧ソフトで請求した月の分を、新しいソフトから重ねて送らないようにします
- 締め切り後の誤りは取り消せない。 10日の締め切り後は請求を取り消せず、月末の審査結果を待って、返戻になった分は翌月以降に正しく再請求し、返戻にならなかった分は保険者に過誤を申し立てる、と案内されています
- 返戻・月遅れの請求をどちらのソフトで出すかを決める。 旧ソフトの月の分が返戻になったとき、再請求を旧ソフトで出すのか、新しいソフトに入力し直すのかを先に決めます。旧ソフトで出すなら、その間は解約しないでおきます
- 忙しい時期を避ける。 月初の請求期間や、報酬改定の直後(ソフトの更新や加算の設定の見直しが重なる)は、切り替えの時期に向きません
- 国保連月末に審査結果
- 請求・返戻
- 介護事業所返戻分は翌月以降に再請求
- 過誤申し立て
- 保険者返戻にならなかった分
4. 請求(伝送)の準備
新しいソフトで国保連に請求できるように、伝送の準備をします。
| 準備 | 内容 |
|---|---|
| 電子証明書 | 電子証明書は事業所ごと(ログインIDごと)に発行され、有効期間は3年です。岐阜県国保連の問い合わせ集では、パソコンを買い替えても、有効期限内の証明書なら再びインストールできるとされています。事業所番号が変わった場合は、新しく取得が必要です |
| 証明書の設定 | 新しいソフトで証明書をどう設定するか(パソコンにインストールするか、ソフト側で扱うか)は提供元に確かめます。岐阜県国保連の案内では、証明書の発行申請とインストールには、国保連から届く「電子請求登録結果に関するお知らせ」に書かれた証明書発行用パスワードが必要です。有効期限も確かめ、切り替えの時期と更新が重ならないようにします |
| 接続の確認 | 請求ソフトのテスト機能でテスト請求データを送り、接続できるかを確かめます |
| 請求の方法を変える場合 | 光ディスクなどでの請求からインターネット請求に変えるときは、あらかじめ国保連に届け出る決まりです。茨城県国保連の資料(2024年2月掲載)の例では、変更届を出してからインターネット請求ができるようになるまで2か月程度かかるとしています |
| 代理請求の場合 | 請求を代理人に任せている事業所は、東京都国保連の案内では電子証明書の発行の作業は不要です。代理人側の準備を確かめます |
5. 並行運用・職員への説明・連携先への連絡
- 並行して入力する期間を置く。 切り替え前の月に、同じ実績を新しいソフトにも入力して、請求の金額が旧ソフトと合うかを照らし合わせると、加算や負担割合の設定漏れに気づけます
- 職員に説明する。 記録を入力する職員と請求を担当する職員で、覚えることが違います。いつから新しいソフトに入力するのか、旧ソフトはいつまで見られるのかを伝えます
- 連携先に知らせる。 居宅介護支援事業所とサービス事業所の間で提供票や実績をやり取りしている場合は、切り替えの時期と方法を相手に知らせます
ケアプランデータ連携システムを使っている場合は、新しいソフトがケアプランデータ連携に対応しているかを確かめます。国保中央会は2026年8月31日にベンダ試験の完了結果を公表していますが、標準仕様に準じたCSVの出力・取り込みの機能はベンダにより異なる場合があるとしています。また、ケアプランデータ連携システムは令和9年1月に介護WEBサービスへ移行する予定で(具体的な期日は改めて周知)、移行後は標準仕様の第4.1版か第5.0版に対応した介護ソフトでなければ連携できません。詳しくはケアプランデータ連携システムの記事とケアプランデータ連携に対応した介護ソフトの記事を見てください。LIFEへのデータ提出も、新しいソフトからどう出力するかを確かめます(LIFEの記事)。
2026年9月26日時点で当サイトに掲載している介護ソフト86本は、いずれもこの試験完了結果に載っています。対象サービス種別や料金で候補を比べるなら介護ソフトの比較を使ってください。
よくある質問
月の途中で介護ソフトを乗り換えられますか?
入力を始める日は月の途中でもかまいませんが、請求は各月分を翌月10日までにまとめて行うため、「◯月サービス提供分からは新しいソフトで請求する」と月の区切りで決めるのが基本です。同じ月の分を両方のソフトから送ると重複エラーになるため、どちらで請求するかを先に決めておきます。
ソフトを替えると、電子証明書を取り直す必要がありますか?
電子証明書は事業所ごと(ログインIDごと)に発行され、有効期間は3年です。岐阜県国保連の問い合わせ集では、パソコンを買い替えても有効期限内の証明書なら再びインストールでき、事業所番号が変わった場合は新しく取得が必要とされています。新しいソフトでの設定方法は提供元に確認してください。
旧ソフトはいつ解約すればいいですか?
旧ソフトで出した最後の月の請求の審査結果が出て、返戻の再請求や過誤の申し立ての方針が決まり、保存期間ぶんの記録と請求の履歴を書き出してからにします。解約の予告期間があるので、その日から逆算して申し出ます。
過去の記録は新しいソフトに移さないといけませんか?
すべてを移す必要はありませんが、記録は決められた期間の保存が必要です(国の基準では2年、川崎市のように条例で5年としている自治体もあります)。新しいソフトに移せない分は、旧ソフトからPDFなど後から読める形で書き出して保存しておきます。
出典
- e-Gov法令検索「介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令」
https://laws.e-gov.go.jp/law/412M50000100020 - e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」
https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100037 - 川崎市「記録の整備・保存」
https://www.city.kawasaki.jp/350/cmsfiles/contents/0000105/105693/kirokunoseibi_hozon.pdf - 東京都国民健康保険団体連合会「インターネット請求について」
https://www.tokyo-kokuhoren.or.jp/nursing_office/request_internet_billing.html - 岐阜県国民健康保険団体連合会「介護報酬の請求はインターネットが便利」
https://www.gkren.jp/nursing_care/pdf/01/01.pdf - 岐阜県国民健康保険団体連合会「介護給付費等のインターネット請求について」
https://www.gkren.jp/nursing_care/pdf/01/04.pdf - 岐阜県国民健康保険団体連合会「インターネット請求に関するよくある問い合わせ」
https://www.gkren.jp/nursing_care/pdf/fnc_34.pdf - 茨城県国民健康保険団体連合会「介護電子請求受付システムの概要」
https://www.ibaraki-kokuhoren.or.jp/cms/wp-content/uploads/2024/02/15a561abe57bf1e3e812ebd9eb5f74b4.pdf - 国民健康保険中央会「「ケアプランデータ連携システム」ベンダ試験(V4対応版)の完了結果について」(2026年8月31日)
https://www.kokuho.or.jp/system/care/careplan/lib/260831_5113_cp-vender_4.pdf - 国民健康保険中央会「ケアプランデータ連携システム ヘルプデスクサポートサイト」
https://www.careplan-renkei-support.jp/ - 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1529 ケアプランデータ連携システムの介護保険資格確認等WEBサービスへの移行について」(令和8年7月29日)
https://www.mhlw.go.jp/content/001730882.pdf - 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1539 「介護保険資格確認等WEBサービスとの連携におけるAPI標準仕様書(第1.0版)」の公開について」(令和8年8月31日)
https://www.mhlw.go.jp/content/001744369.pdf
制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年9月26日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。



