訪問介護の介護ソフト|サービス提供記録・訪問介護計画・サ責の業務から選ぶ【2026年】

要点
訪問介護の介護ソフトは、運営基準で求められるサービス提供の記録(提供日・内容・具体的なサービスの内容)と、サービス提供責任者が作る訪問介護計画を扱えるかに加えて、サービス提供責任者が行うヘルパーへの指示・情報伝達とケアマネジャーへの情報提供を、訪問先のスマートフォンから回せるかで比べます。記録は完結の日から2年間の保存が基準省令で定められています。2026年9月26日時点で当サイトに掲載している介護ソフト86本のうち、訪問系を対象にしているのは52本で、料金を公式サイトに載せているのは16本、無料で試せると案内しているのは25本です。
訪問介護で作る記録(運営基準)
訪問介護の運営基準(「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」)は、次の記録を整備し、その完結の日から2年間保存するよう定めています(第39条第2項)。自治体が条例で長い保存期間を定めている例は、介護ソフトの乗り換えの記事で扱っています。
| 記録 | 根拠(基準省令) | ソフトで確かめること |
|---|---|---|
| 訪問介護計画 | 第24条 | 目標と具体的なサービス内容を書けるか。ケアプランに沿って作れるか。変更の履歴が残るか |
| 提供した具体的なサービスの内容等の記録 | 第19条第2項 | 訪問先で入力できるか。利用者から求められたときに文書などで渡せるか |
| 身体的拘束等の態様・時間・理由の記録 | 第23条第4号 | 様式があるか |
| 市町村への通知・苦情・事故の記録 | 第26条・第36条第2項・第37条第2項 | 利用者ごとに残せるか |
このほか第19条第1項は、サービスを提供した際に、提供日と内容、利用者に代わって支払を受ける居宅介護サービス費の額などを、居宅サービス計画を記載した書面またはこれに準ずる書面に記載するよう定めています。訪問の実績から自動で記載できるかも確かめます。
第19条第2項は、提供した具体的なサービスの内容等を記録し、利用者から申出があれば文書の交付その他適切な方法で情報を提供するよう定めています。訪問のたびに記録を残すので、ヘルパーがどの端末で、どのタイミングで入力するかが、ソフト選びの大きな分かれ目になります。
基準省令は、書面で行うとされている作成・保存を電磁的記録で行うこと、交付・説明・同意を相手の承諾を得て電磁的方法で行うことを認めています(第217条)。
訪問介護計画:サービス提供責任者が作り、見直す
訪問介護計画は、サービス提供責任者が、利用者の日常生活全般の状況と希望を踏まえ、目標と具体的なサービス内容を書いて作ります。ケアプランがあればその内容に沿って作り、利用者または家族に説明して同意を得て、利用者に交付します。作った後は実施状況を把握し、必要に応じて変更します(第24条)。
- 状況と希望を把握する利用者の日常生活全般の状況と希望を踏まえる
- 計画を作るサービス提供責任者が、目標と具体的なサービス内容を書く。ケアプランがあればその内容に沿って作る
- 説明して同意を得る利用者または家族に説明する
- 利用者に交付する
- 実施状況を把握する必要に応じて計画を変更する
ソフトでは、ケアプラン(居宅サービス計画)の内容を取り込んで計画を作れるか、説明・同意・交付の記録を残せるか、実施状況の把握に日々の記録を使えるかを確かめます。ケアプランの予定と実績をデータでやり取りする仕組みは、次の「請求とケアプランデータ連携」で扱います。
サービス提供責任者の業務:指示・情報伝達・情報提供
運営基準は、サービス提供責任者の業務として、訪問介護計画の作成のほかに次を挙げています(第28条第3項)。ソフトの機能と関わるものを抜き出します。
| サービス提供責任者の業務(第28条第3項) | ソフトで確かめること |
|---|---|
| 利用の申込みに係る調整 | 訪問予定表・ヘルパーの割り当てを組めるか |
| 居宅介護支援事業者等に、把握した利用者の服薬状況・口腔機能その他の心身の状態・生活の状況の情報を提供する | 訪問の記録からケアマネジャーへの報告を作れるか |
| ヘルパーに具体的な援助目標・援助内容を指示し、利用者の状況の情報を伝達する | 訪問前にスマートフォンで指示と申し送りを見られるか |
| ヘルパーの業務の実施状況を把握する | 訪問の開始・終了や記録の入力状況を事務所で確認できるか |
- ヘルパー訪問のたびに記録する
- 指示・報告
- サービス提供責任者実施状況を把握する
- 情報提供
- ケアマネジャー服薬・心身の状態など
特定事業所加算(令和6年度改定後は(Ⅰ)20%〜(Ⅴ)3%の加算)では、「利用者情報の文書等による伝達、訪問介護員等からの報告」が区分に応じて算定要件に入っています。指示と報告をソフトやアプリで記録に残せると、要件を満たしていることを示しやすくなります。区分ごとの加算率と算定要件は特定事業所加算の記事にまとめています。
令和6年度の改定では、口腔連携強化加算(50単位/回、1月に1回まで)が新設されました。従業者が利用者の口腔の健康状態を評価し、利用者の同意を得て、歯科医療機関とケアマネジャーに評価の結果を情報提供した場合に算定します。算定するなら、評価の様式と情報提供の記録を残せるかも確かめます。
事業所内の連絡や申し送りをまとめて扱うツールは情報共有・コミュニケーションのカテゴリと介護の情報共有ツールの記事で、記録の音声入力は介護記録の音声入力の記事で扱っています。
訪問先で使う端末
訪問介護の記録は、ヘルパーが訪問先で入力することが多くなります。2026年9月26日時点で当サイトに掲載している訪問系対象の介護ソフト52本のうち、対応環境を公式情報から確認できたのは38本で、ブラウザで使うクラウド型と書かれているのが30本、iOS(iPhone・iPad)が12本、Androidが7本です(重複あり)。
- ヘルパーの私物のスマートフォンを使うのか、事業所で端末を配るのか
- 電波の届きにくい場所で入力したとき、後から送れるか
- ヘルパーの人数分のIDに料金がかかるか
料金の形(事業所ごと・利用者数ごと・IDごとなど)は介護ソフトの料金にまとめました。
請求とケアプランデータ連携
訪問介護では、居宅介護支援事業所から毎月届くサービス提供票(予定)をもとに訪問予定を組み、実績を返し、国保連に請求します。この予定と実績をデータでやり取りするのが国保中央会のケアプランデータ連携システムです。当サイトに掲載している訪問系対象の介護ソフト52本は、いずれも国保中央会が2026年8月31日に公表したベンダ試験の完了結果に製品名が載っています。完了したパターンや、CSVの出力・取り込みの機能は製品で違うので、提供元に確認してください。
- 居宅介護支援事業所サービス提供票を送る
- 予定・実績
- 訪問介護事業所訪問予定を組む
- 請求
- 国保連
- 連携システムの仕組みと費用: ケアプランデータ連携システムとは
- 対応ソフトの見方: ケアプランデータ連携に対応した介護ソフト
- 国保連への伝送や、介護ソフト全体の比べ方: 介護ソフトの選び方
- 2時間未満の間隔で訪問したときの算定: 訪問介護の2時間ルール
訪問系を対象にしている介護ソフトの数と比べ方
2026年9月26日時点で当サイトに掲載している介護ソフトのうち、訪問系を対象にしている52本の内訳です。
| 項目 | 本数 |
|---|---|
| 訪問系を対象にしている | 52本 |
| 料金を公式サイトに載せている | 16本 |
| 無料で試せる(トライアル・デモ)と案内している | 25本 |
| 対応環境を公式情報から確認できた | 38本 |
訪問系だけを対象にしている製品は2本で、残りは居宅介護支援・通所系・施設系などもあわせて扱う製品です。居宅介護支援や通所介護を併設しているなら、併設するサービスもすべて対象になっているかを確かめます。通所介護の記録と加算は通所介護の介護ソフトの記事、無料での試し方は無料で試せる介護ソフトにまとめました。
訪問系の事業所向けのツールは訪問系のページに、すべての介護ソフトは比較表にまとめています。導入費用は、都道府県の介護テクノロジー導入支援事業の補助の対象になることがあります(介護テクノロジーの補助金の記事)。
よくある質問
訪問介護の記録は何年保存すればよいですか?
基準省令(第39条第2項)は、訪問介護計画やサービス提供の記録などを、その完結の日から2年間保存するよう定めています。
サービス提供の記録は、ヘルパーのスマートフォンで入力してもよいですか?
基準省令(第217条)は、書面で行うとされている作成・保存を電磁的記録で行うことを認めています。私物の端末を使う場合の情報の扱いは事業所で決め、ソフトの対応端末とあわせて確認してください。
訪問介護計画は誰が作りますか?
サービス提供責任者です(基準省令第24条)。ケアプランがあればその内容に沿って作り、利用者または家族に説明して同意を得て、利用者に交付します。作った後は実施状況を把握し、必要に応じて変更します。
出典
- e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成十一年厚生省令第三十七号)
https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100037 - 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001230329.pdf - 国民健康保険中央会「ケアプランデータ連携システム」
https://www.kokuho.or.jp/system/care/careplan/ - 厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業(地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分))」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001478274.pdf - 国民健康保険中央会「「ケアプランデータ連携システム」ベンダ試験(V4対応版)の完了結果について」(2026年8月31日)
https://www.kokuho.or.jp/system/care/careplan/lib/260831_5113_cp-vender_4.pdf
制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年9月26日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。





