福祉用具貸与のソフト|貸与計画・選択制のモニタリング・上限価格の管理から選ぶ【2026年】

要点
福祉用具貸与のソフトは、運営基準で作成・保存が求められる福祉用具貸与計画(目標・具体的なサービスの内容・モニタリングを行う時期)と、利用者ごとの貸与の開始日・終了日・種目・品名の記録を扱えるかで比べます。令和6年4月1日に始まった貸与と販売の選択制では、固定用スロープ・歩行器(歩行車を除く)・単点杖(松葉づえを除く)・多点杖について、利用開始から6月以内に少なくとも1回モニタリングを行い貸与継続の必要性を検討することが基準省令に加わったため、その時期を管理できるかも確認点です。2026年10月23日時点で当サイトに掲載している介護ソフト85本のうち、福祉用具貸与を対象にしているのは26本で、料金を公式サイトに載せているのは10本、無料で試せると案内しているのは11本です。
福祉用具貸与で作る記録(運営基準)
福祉用具貸与の運営基準(「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」第13章)は、次の記録を整備し、その完結の日から2年間保存するよう定めています(第204条の2第2項)。
| 記録 | 根拠(基準省令) | ソフトで確かめること |
|---|---|---|
| 福祉用具貸与計画 | 第199条の2 | 目標・サービスの内容・モニタリングの時期を書けるか。居宅サービス計画に沿って作れるか |
| 提供した具体的なサービスの内容等の記録 | 第19条第2項(第205条で準用。同条第1項の居宅サービス計画の書面への記載は「提供の開始日及び終了日並びに種目及び品名」と読み替え) | 利用者ごとに、貸与した商品の開始日・終了日・種目・品名を残せるか |
| 身体的拘束等の態様・時間・理由の記録 | 第199条第7号 | 様式があるか |
| 保管・消毒を委託した事業者の業務の実施状況の確認の記録 | 第203条第4項 | 委託先の定期的な確認の結果を残せるか |
| 市町村への通知・苦情・事故の記録 | 第26条・第36条第2項・第37条第2項(第205条で準用) | 利用者ごとに残せるか |
基準省令は、書面で行うとされている作成・保存を電磁的記録で行うこと、交付・説明・同意を相手の承諾を得て電磁的方法で行うことを認めています(第217条)。電子化で守るガイドラインは介護記録の電子化の記事、保存期間の考え方は介護記録の保存期間の記事にまとめています。
福祉用具貸与計画:作成からモニタリング・報告まで
福祉用具貸与計画は福祉用具専門相談員が作ります。相談員の資格要件と配置基準は福祉用具専門相談員の記事にまとめています。令和6年度の改定で、計画の記載事項に「モニタリングを行う時期」が加わりました(厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」)。特定福祉用具販売もあわせて利用するときは、特定福祉用具販売計画と一体のものとして作ります(第199条の2第1項)。
- 計画を作る利用者の希望・心身の状況・環境を踏まえ、目標・サービスの内容・モニタリングの時期を書く。居宅サービス計画があればその内容に沿う
- 説明して同意を得る利用者または家族に説明し、利用者の同意を得る
- 利用者と介護支援専門員に交付する計画を作ったら、利用者と担当の介護支援専門員の両方に渡す
- モニタリング選択制の対象福祉用具は、開始から6月以内に少なくとも1回。継続の必要性を検討する
- 記録して報告するモニタリングの結果を記録し、居宅サービス計画を作った居宅介護支援事業者に報告する
ソフトでは、計画書の様式に加えて、利用者ごとのモニタリングの予定日を一覧で見られるか、結果の記録をそのまま居宅介護支援事業所への報告書にできるかを確かめます。居宅介護支援事業所とのやり取りをデータで行うケアプランデータ連携システムについては、ケアプランデータ連携システムの記事で仕組みと移行の予定を説明しています。
貸与と販売の選択制:6月以内のモニタリングを管理できるか
令和6年4月1日から、固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖の4種目について、福祉用具貸与と特定福祉用具販売を利用者が選べる選択制が導入されました(厚生労働省「福祉用具」)。基準省令では、この対象福祉用具を貸与するときに次の対応が求められます。
| 場面 | 基準省令の定め | ソフトで確かめること |
|---|---|---|
| 提供するとき | 貸与と販売のいずれかを選べることを十分に説明し、必要な情報を提供したうえで、医師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士や、居宅サービス計画の原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者などの意見と利用者の身体の状況等を踏まえて提案する(第199条第2号) | 説明と提案の内容を利用者ごとに記録できるか |
| 貸与を始めたあと | 開始から6月以内に少なくとも1回モニタリングを行い、継続の必要性を検討する(第199条の2第5項) | 対象の種目を貸与している利用者を抽出し、6月以内の期限を知らせてくれるか |
- 4種目選択制の対象固定用スロープ・歩行器(歩行車を除く)・単点杖(松葉づえを除く)・多点杖
- 6月以内貸与開始後のモニタリング少なくとも1回。継続の必要性を検討する
- 2年間記録の保存完結の日から(第204条の2)
全国平均貸与価格と上限価格:商品ごとの価格を扱えるか
福祉用具専門相談員は、貸与にあたって目録等の文書を示し、福祉用具の機能・使用方法・利用料・全国平均貸与価格等の情報を提供して同意を得ます(第199条第1号)。同じ種目で機能や価格帯の異なる複数の福祉用具の情報を提供することも定められています(第9号)。
厚生労働省は、平成30年10月から貸与価格の上限設定を行い、商品ごとの全国平均貸与価格と貸与価格の上限を公表しています。2026年10月23日時点の厚生労働省のページでは、令和9年1月からの一覧が令和8年7月22日に更新されています。商品コードが変わっても上限は適用されるため、ソフトでは次の点を確かめます。
- 商品ごとの全国平均貸与価格と上限価格を取り込み、利用料の設定時に上限を超えていないかを確かめられるか
- 利用者に示す目録や説明の文書に、全国平均貸与価格を載せられるか
- 福祉用具の商品情報(TAISコード)と結びつけて管理できるか。TAISの仕組みはTAISとはの記事にまとめています
貸与する用具の点検・消毒と、保管の委託
基準省令は、貸与する福祉用具の機能・安全性・衛生状態等の点検(第199条第3号)、回収した福祉用具の速やかな消毒と、消毒済みと未消毒の区分保管(第203条第2項)を定めています。保管・消毒を他の事業者に委託する場合は、委託先の業務の実施状況を定期的に確認し、結果を記録します(第203条第4項)。
ソフトでは、商品ごとに貸出中・回収・消毒待ち・消毒済みといった状態を管理できるか、点検の記録を残せるか、委託先の確認の記録を残せるかを確かめます。介護ソフトにこの機能が無い場合は、在庫・商品管理を別のソフトで行うことになるため、その連携も確かめておきます。
福祉用具貸与を対象にしている介護ソフトの数と比べ方
2026年10月23日時点で当サイトに掲載している介護ソフトのうち、福祉用具貸与を対象にしている26本の内訳です。
| 項目 | 本数 |
|---|---|
| 福祉用具貸与を対象にしている | 26本 |
| 料金を公式サイトに載せている | 10本 |
| 無料で試せる(トライアル・デモ)と案内している | 11本 |
| 対応環境を公式情報から確認できた | 20本 |
| うちブラウザで使うクラウド型 | 14本 |
福祉用具貸与だけを対象にしている製品は5本で、残りの21本は通所系・訪問系・居宅介護支援などもあわせて扱う製品です。福祉用具貸与に特化した製品は商品・在庫の管理まで入っていることが多く、複数サービスを扱う製品は請求と計画書が中心になりやすいため、商品管理をどこまでソフトで行うかを先に決めてから比べます。料金の形は介護ソフトの料金の記事、介護ソフト全体の比べ方は介護ソフトの選び方の記事にまとめました。
福祉用具貸与の介護ソフトの一覧は福祉用具貸与の介護ソフトの比較ページに、福祉用具貸与の事業所向けのツール全体は福祉用具貸与のページにまとめています。
よくある質問
福祉用具貸与計画には何を書きますか?
基準省令(第199条の2第1項)は、利用者の希望・心身の状況・環境を踏まえて、指定福祉用具貸与の目標、目標を達成するための具体的なサービスの内容、モニタリングを行う時期等を記載すると定めています。居宅サービス計画がある場合はその内容に沿って作り、利用者の同意を得て、利用者と担当の介護支援専門員に交付します。
選択制の対象になる福祉用具は何ですか?
固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖の4種目です。令和6年4月1日から、貸与と特定福祉用具販売を利用者が選べるようになりました。
選択制の対象福祉用具を貸与したあと、モニタリングはいつまでに必要ですか?
基準省令(第199条の2第5項)は、福祉用具貸与計画に基づくサービス提供の開始時から6月以内に少なくとも1回モニタリングを行い、継続の必要性を検討すると定めています。結果は記録し、居宅サービス計画を作った居宅介護支援事業者に報告します。
貸与価格の上限はどこで確かめられますか?
厚生労働省の「福祉用具」のページで、商品ごとの全国平均貸与価格と貸与価格の上限の一覧が公表されています。上限設定は平成30年10月から行われており、商品コードが変わっても上限は適用されます。
出典
- e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)
https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100037 - 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001230329.pdf - 厚生労働省「福祉用具」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000212398.html
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