長崎県の介護テクノロジー補助金|介護現場デジタル改革推進事業の補助上限・補助率・審査【令和8年度】

要点
長崎県の介護テクノロジーの補助は、県内の介護事業所が介護ロボット・介護ソフト・インカムなどを導入する費用の5分の4を、1事業所400万円まで補助する「介護テクノロジー普及促進補助金」です。県はこれを含む4種類の補助金を「介護現場デジタル改革推進事業補助金」としてまとめて募集しており、複数の事業所や業務全般でテクノロジー化を進める計画には、10分の10・1,000万円までの「介護DX化推進補助金」もあります。令和8年度は令和8年6月16日から7月31日17時まで電子申請で事業計画を受け付け、募集は終了しています。採択された事業所の交付申請の期限は内示通知に書かれた期日で、県のページでは10月22日です。事業は令和9年2月19日までに支払いまで終える必要があります(2026年10月13日時点で県が公表している内容)。
| 項目 | 令和8年度の長崎県の内容 |
|---|---|
| 補助上限 | 介護テクノロジー普及促進補助金は1事業所400万円(移乗支援・入浴支援・インカムは1機器100万円、見守りなどは1機器30万円、介護ソフトは職員数に応じて100万〜250万円、パッケージ型は400万円、業務改善支援は48万円)。介護DX化推進補助金は1事業所1,000万円(複数の事業者で申請する場合は1計画1,000万円) |
| 補助率 | 介護テクノロジー普及促進補助金は5分の4、介護DX化推進補助金は10分の10 |
| 対象 | 長崎県内の、介護保険法に基づくサービスを提供するすべての事業所(訪問介護・居宅介護支援を含む)と、養護老人ホーム・軽費老人ホーム |
| 募集期間 | 令和8年6月16日〜7月31日17時(事業計画の提出期間。電子申請のみ) |
| 審査後の流れ | 審査結果は9月中旬頃までに文書で通知する予定とされていました。交付申請は内示通知に書かれた期日まで(県の交付申請のページでは10月22日)。事業の実施は令和9年2月19日まで |
| 窓口 | 長崎県 福祉保健部 長寿社会課 介護人材確保推進班(095-895-2440) |
| 公式URL | 長崎県「【募集終了】令和8年度介護現場デジタル改革推進事業補助金」 |
| 確認日 | 2026年10月13日 |
国の制度の仕組みやほかの都道府県との違いは介護テクノロジー導入支援事業とはで整理しています。この記事では長崎県の資料にだけある中身を書きます。
長崎県の4つの補助金
長崎県の「介護現場デジタル改革推進事業補助金」は、補助の目的が違う4種類の補助金でできています。介護ロボット・ICTの導入に使うのは(1)と(2)です。
| 補助金 | 対象になる取組 | 補助率 | 補助上限 |
|---|---|---|---|
| (1)介護テクノロジー普及促進補助金 | 介護テクノロジーの機器の導入と、一体で行う業務改善支援 | 5分の4 | 1事業所400万円 |
| (2)介護DX化推進補助金 | 複数の事業所や介護業務全般でのテクノロジー導入で、先進事例を目指す取組 | 10分の10 | 1事業所1,000万円(複数の事業者で申請する場合は1計画1,000万円)。機器の種類ごとの上限は無し |
| (3)事業者グループ職場環境改善協働実施推進補助金 | 小規模法人を含む複数の法人のグループが行う、合同の人材募集・研修・業務の協働化など | 5分の4 | 1グループ1,200万円、かつ1法人120万円(訪問介護事業所を経営する法人は150万円) |
| (4)介護事業者等経営改善支援補助金 | 福祉医療機構(WAM)の経営診断・経営分析プログラムの受講など | 5分の4 | 1事業者等35万円 |
- 同時の申請: 複数の補助金に同時に申請できますが、(1)と(2)は同時には採択されません
- (2)の条件: 先進事例になることを数値で示した業務改善計画を作り、採択後はながさき介護現場サポートセンターの伴走支援を受けて、県内の事業所に先進事例として紹介されることに同意します。過去にこの補助金を受けた事業所は対象外です
- 端数: 千円未満は切り捨てます
介護テクノロジー普及促進補助金の上限
(1)の補助金は、区分ごとの上限の範囲で、対象経費の5分の4を補助します。1事業所あたりの上限は400万円で、1事業所が申請できる区分は3区分までです。
- 4/5介護テクノロジー普及促進補助金の補助率
- 400万円1事業所の上限パッケージ型も400万円
- 10/10介護DX化推進補助金の補助率
- 1,000万円介護DX化推進補助金の上限
- 3区分1事業所が申請できる区分の数
| 区分 | 上限額 |
|---|---|
| 移乗支援・入浴支援の機器(TAIS掲載) | 1機器100万円 |
| インカム(TAISの「介護業務支援」) | 1機器100万円 |
| 介護ソフト(価格が職員数で変わるもの。職員1〜10人/11〜20人/21〜30人/31人〜) | 100万円/150万円/200万円/250万円 |
| 介護ソフト(価格が職員数で変わらないもの) | 250万円 |
| 移動支援・排泄支援・見守り・コミュニケーション・機能訓練支援・食事・栄養管理支援・認知症生活支援・認知症ケア支援の機器 | 1機器30万円 |
| TAISに載っていないが、掲載品と機能が同水準と判断される機器 | 上の区分の上限による |
| バックオフィスソフト(電子サイン・給与・勤怠管理など。職員数で変わるものは100万〜250万円) | 最大250万円 |
| 上のどれにも当たらない機器(職場環境の整備に有効と判断されるもの) | 1機器100万円 |
| パッケージ型導入支援(機器の合計経費) | 400万円 |
| 導入と一体で行う業務改善支援 | 48万円 |
- 3区分の例: 募集要項は「移乗支援、入浴支援、インカム」「移乗支援、入浴支援、パッケージ型導入支援」を例に挙げています
- 台数の上限: インカムの台数は職員数まで、見守り支援機器の台数は事業所の定員数までです
- 介護ソフトの上乗せ: 介護ソフト・バックオフィスソフトとあわせてタブレット・Wi-Fiなどの「介護ソフト定着促進」の費用を入れる場合は、上限に15万円を加えられます。パッケージ型の上限にも15万円を加算できるとされています。1事業所400万円の上限との関係は募集要項に書かれていないので、県の窓口で確かめてください
- ケアプランデータ連携の加算: 介護ソフト・バックオフィスソフトを入れる居宅サービス事業所か居宅介護支援事業所(介護予防を含む)が、令和8年度中にケアプランデータ連携システムで5事業所以上とデータ連携する場合は、上限に5万円を加えられます
- 職員数の数え方: 常勤換算で数えますが、訪問介護員・介護支援専門員など居宅を訪問する職員や、管理者・生活相談員は実人数でもかまいません。県のQ&Aは、介護ソフトなどを使う予定の職員で数えるよう答えています
- 業務改善支援は必須: 機器を入れる事業所は業務改善支援を必ず受けます。業務改善支援だけの申請はできません
分野の中身は介護テクノロジー利用の重点分野で、TAISの調べ方はTAISとはで整理しています。
審査と加点項目
長崎県の採択は先着順ではなく、外部の専門家などで構成する審査会が事業計画を採点して決めます。必須項目が最低基準点以下なら不採択で、加点項目を多く満たす事業所ほど優先して採択されます。予算の範囲で採択するため、補助額の減額や、1法人1事業所に絞ることもあると募集要項は書いています。
| (1)の審査項目 | 中身 |
|---|---|
| 事業の効果(必須) | 事業所の課題に合った計画で、効果を表す具体的な数値目標があり、達成できる計画か |
| 過去の採択(加点) | 令和5〜7年度に県の介護ロボット・ICTの補助金を受けていない事業所か |
| Nはーとの認証(加点) | 令和7年度までにNはーと(長崎うれしかハート介護事業所)の認証を受けた事業所か |
| 優先機器(加点) | 見守り支援機器・介護ソフト・インカムを入れる計画か |
| 伴走支援の実績(加点) | 令和7年度にながさき介護現場サポートセンターの伴走支援を受けたか |
| 経営診断の受講(加点) | 令和8年度にWAMの経営診断か経営分析プログラムを受講し、センターの経営支援を受ける予定か |
- 数値目標の例: 見守り支援機器なら「夜間の定期訪室回数 ●回→▲回」のような目標を想定しているとしています。利用者の安全上望ましくない目標や、機器の性能で達成できない目標は評価しません
- 法人の中の順位: 1つの法人から複数の事業所を申請する場合は、採択の優先度を事前に決めます。申請が多いときは、採択基準に達した事業所の中で優先度の高い順に採択します
- 特定の機器が対象か: 県のQ&Aは、特定の機器が対象かどうかには答えず、機種だけでなく活用方法も踏まえて審査するとしています
補助を受けるための要件
長崎県の(1)(2)の補助を受けるには、業務改善計画を作る前に、原則として県の「ながさき介護現場サポートセンター」へ相談します。県は、導入の目的と入れたいテクノロジーの区分か機器を決めてから相談するよう求めています。
- 研修か業務改善支援: 機器の導入に加えて、コンサルティング会社などの業務改善支援を受けるか、センターの研修か厚生労働省委託事業の「生産性向上ビギナーセミナー」「生産性向上フォローアップセミナー」「デジタル中核人材養成研修」を受講します。メーカーや販売店による単なる操作説明は補助の対象外です
- SECURITY ACTION: IPAの「★一つ星」か「★★二つ星」を宣言します。対象外の事業所は同等の対策を講じていることを宣言します
- 委員会の設置(施設系・居住系など): 短期入所・特定施設・小規模多機能・認知症対応型共同生活介護・特養・老健・介護医療院などは、利用者の安全と職員の負担軽減を検討する委員会を置きます。開催は原則3か月に1回以上です。中身は生産性向上委員会の記事にまとめています
- ケアプランデータ連携(居宅系): 訪問介護・通所介護・訪問看護・居宅介護支援などは、令和8年度内にケアプランデータ連携システムの利用を始めます。県のQ&Aは、利用を始めてデータ連携を行う(予定である)ことを要件にするとしています。仕組みはケアプランデータ連携システムの記事で整理しています
- 情報公表システムへの反映: 補助で入れた機器の導入状況を「介護サービス情報公表システム」に正確に反映させます
- 見学と事例の公表: 国・県・ほかの事業所から求められれば見学を受け入れ、導入事例を県のホームページなどで公表することに同意します
- LIFEへの協力・賃金への還元・効果の報告: LIFEの情報収集に協力し、収支が改善したら職員の賃金へ還元して周知します。導入効果は令和9〜11年度の3年間報告します
補助の対象になるもの・ならないもの
(1)の補助の対象は、TAISで「介護テクノロジー」に選ばれた機器、掲載品と同水準と判断される機器、バックオフィスソフト、介護ソフトと一体で使う端末・Wi-Fiなどの定着促進の費用、パッケージ型、業務改善支援です。販売価格が公表され、一般に買える機器に限られます。
| 対象になるもの | 対象にならないもの |
|---|---|
| TAISで介護テクノロジーに選ばれた機器 | 補助金の内示の前に契約したもの |
| 介護ソフトと一体で使うPC・タブレット(リース費用を含む)、Wi-Fiの整備、ベンダーの導入前後のサポート | 他の補助金を受けている(受ける予定の)もの |
| バックオフィスソフト(電子サイン・給与・勤怠管理など) | 事業実施期間内に納品・支払いが終わらないもの |
| 主となる機器と一緒に入れるWi-Fi・PC・タブレットなどの付帯経費 | 翌年度以降の保守・サポート分、メンテナンス費用、通信費、保険料 |
- 介護ソフトの条件: 記録・情報共有・請求を一気通貫で行えるもので、すでに使っているソフトとの組み合わせでもかまいません。居宅系はケアプランデータ連携標準仕様のCSVの出力・取込とサポート体制、特養・老健・介護医療院・地域密着型特養はLIFEのCSV連携仕様書に準じたCSVの出力機能も求められます。比べ方は介護ソフトの選び方で説明しています
- 端末・Wi-Fiだけの申請: 県のQ&Aは、介護ソフトなどを今回入れない場合、PC・タブレットやWi-Fiの費用は対象外としています
- バックオフィスソフト: 県のQ&Aは、一気通貫の環境ができていなくても、職場環境の整備として有効なら対象にしてよいとしています
- 入れ替え: 単なる機器の更新は対象外です。既存の機器より機能が上がり、業務の効率化に大きな効果がある場合は新規導入とみなします
- リース: 当該年度の経費だけが対象です。複数年度のリースでも、当年度に全額を払えば全額が対象になります
- 消費税: 消費税を含めた金額が対象です。免税事業者を含めて、全事業者が仕入控除税額の報告書を出します
令和8年度の手続きの流れ
令和8年度の長崎県の手続きは、7月31日の事業計画の締切のあと、審査と内示を経て、採択された事業所が内示通知に書かれた期日(県のページでは10月22日)までに交付申請を出す段階にあります。県の交付申請の手続きのページは2026年9月16日に更新されています。
- センターに相談する計画を作る前に原則として相談
- 事業計画を電子申請で出す7月31日17時締切
- 審査・内示9月中旬頃までに通知(予定)
- 交付申請10月22日まで
- 導入と支払い令和9年2月19日まで
- 実績報告完了から30日か2月26日の早い方
- 交付額の確定・入金請求書の提出後
- 効果の報告令和9〜11年度
- 提出の方法: 書面では出せず、県の電子申請システムで出します。業務改善計画書の様式はエクセルのまま、そのほかは原則PDFで出します。提出後のファイルの差し替えは原則受け付けません
- 法人単位のとりまとめ: 複数の事業所を運営する法人は、事業所ごとの計画書を法人でまとめて出します(ファイルは事業所ごとに分けます)。交付申請書と誓約書は法人単位で作ります
- 内示の後に着手できる: 内示を受けた後は事業を始められます。交付決定の前に始める場合は、始める前に交付決定前着手届(様式第18号)を出します
- 機器の変更: 原則として、内示を受けた機器は変えられません。計画の変更が要るときは長寿社会課に相談します
- 実績報告: 事業完了日は、導入業者への支払いを終えた日(領収日)です。完了から30日か令和9年2月26日の早い方までに出さないと、補助金は支払われません
補助の対象になりやすいツールのカテゴリ
長崎県が審査で加点する優先機器(見守り支援機器・介護ソフト・インカム)のカテゴリを並べます。補助の対象になるかは、TAISの掲載と県の募集要項で確かめてください。管理者向けのページは管理者・施設長向けにまとめています。
介護ソフト
介護ソフトは職員数に応じて100万〜250万円の区分です。全体の比較は介護ソフトのカテゴリで見られます。
見守り機器
見守り機器は1機器30万円の区分で、台数は事業所の定員数までです。選び方は見守りセンサーの選び方で、見守り機器の一覧でも比べられます。
インカム・情報共有
インカムは1機器100万円の区分で、台数は職員数までです。スタッフ間の連絡の道具は介護のコミュニケーションツールで、情報共有ツールの一覧でも見られます。
よくある質問
令和8年度の長崎県の補助にこれから申し込めますか
申し込めません。事業計画の提出期限は令和8年7月31日17時で、県のページは「募集終了」と表示しています(2026年10月13日時点)。
採択されたら、交付決定の前に発注してよいですか
内示を受けた後は事業を始められますが、交付決定の前に始める場合は、始める前に交付決定前着手届(様式第18号)を出します。内示の前に契約したものは補助の対象外です。
これから開設する事業所でも申請できますか
できません。県のQ&Aは、申請の時点で事業所を開設している必要があるとしています。
介護テクノロジー普及促進補助金と介護DX化推進補助金の両方に申請できますか
同時に申請はできますが、同時には採択されません。介護DX化推進補助金は、過去に同じ補助金を受けていない事業所が対象です。
出典
- 長崎県「【募集終了】令和8年度介護現場デジタル改革推進事業補助金」(2026年8月4日更新)
https://www.pref.nagasaki.jp/doc/48428.html - 長崎県「令和8年度介護現場デジタル改革推進事業補助金募集要項」
https://www.pref.nagasaki.jp/fs/2/6/6/4/6/_/__8_______________________.pdf - 長崎県「令和8年度介護現場デジタル改革推進事業補助金チラシ」
https://www.pref.nagasaki.jp/fs/2/6/6/4/5/_/__8______________________.pdf - 長崎県「QA」(令和8年度介護現場デジタル改革推進事業補助金)
https://www.pref.nagasaki.jp/fs/2/7/9/6/9/_/QA.pdf - 長崎県「令和8年度介護現場デジタル改革推進事業補助金の交付申請手続き」(2026年9月16日更新)
https://www.pref.nagasaki.jp/doc/52496.html - 長崎県「介護テクノロジーの普及促進」
https://www.pref.nagasaki.jp/bunrui/hukushi-hoken/fukushi/korei-kaigohoken/kaigojinnzaikakuho/kaigorobot/ - ながさき介護現場サポートセンター
https://aes-medicalwelfare.com/n-kaigo/
制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月13日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。
















