宮城県の介護テクノロジー補助金|導入支援事業の補助上限・補助率・採択の優先順位【令和8年度】

要点
宮城県の介護テクノロジーの補助は、県内の介護事業所が介護ロボット・介護ソフト・インカムなどを導入する費用の4/5を補助する「介護テクノロジー導入支援事業補助金」です。令和8年度は令和8年7月14日から8月14日午後3時まで電子申請を受け付けて締め切り、採択の可否は9月18日に通知されました。上限は、介護ソフトが職員数に応じて最大250万円(端末・Wi-Fiなどをあわせると265万円)、パッケージ型が1事業所750万円(通信環境の整備の費用も含む)で、契約・納品・支払は令和9年1月12日までに終える必要があります(2026年10月4日時点で県が公表している内容)。
| 項目 | 令和8年度の宮城県の内容 |
|---|---|
| 補助上限 | 移乗支援・入浴支援の機器とインカムは1台100万円、そのほかのTAISの介護テクノロジーは1台30万円、介護ソフトは最大250万円(定着促進支援をあわせると265万円)、パッケージ型は1事業所750万円(通信環境の整備の費用も上限の範囲内)、業務改善支援は1事業所48万円 |
| 補助率 | 4/5(対象経費の4/5と上限額のうち少ない方。千円未満は切り捨て) |
| 対象経費 | TAISで「介護テクノロジー」に分類された機器、介護ソフトと一緒に入れる端末・Wi-Fiなど、バックオフィスソフトなど県が認める機器、パッケージ型導入、業務改善支援 |
| 申請期間 | 令和8年7月14日〜8月14日午後3時(みやぎ電子申請サービスの専用フォーム)。期間は過ぎています |
| 導入の期限 | 交付決定(令和8年9月18日)以後に契約・納品し、令和9年1月12日までに支払いまで終える |
| 窓口 | 宮城県 保健福祉部 長寿社会政策課(問い合わせは専用フォームのみ。電話では受け付けていません) |
| 公式URL | 宮城県「令和8年度介護テクノロジー導入支援事業補助金について」 |
| 確認日 | 2026年10月4日 |
国の制度の仕組みやほかの都道府県との違いは介護テクノロジー導入支援事業とはで整理しています。この記事では宮城県の資料にだけある中身を書きます。宮城県の交付要綱は令和8年7月1日に施行され、それまでの「介護ロボット・ICT導入支援事業補助金交付要綱」(令和4年8月18日施行)は廃止されました。
令和8年度の手続きはどこまで進んでいるか
令和8年度の宮城県の手続きは、申請の受付(8月14日締切)と採択の通知(9月18日)が終わり、採択された事業所が機器を導入する時期にあたります。県の手引きは、令和9年1月12日までに事業完了と実績報告が必要なため二次募集は行わないとしています。
- セミナーを受講する7月2日。オンライン
- 電子申請7月14日〜8月14日午後3時
- 採択の可否の通知9月18日
- 契約・納品・支払交付決定の後に行う
- 事業完了・実績報告令和9年1月12日まで
- 額の確定・支払2月中旬〜3月末
- 効果の報告翌年度から3年間
- 申請の方法: 令和8年度から、ロゴフォームを使った電子申請が原則になりました。送信後に「送信完了」の自動返信メールが届いて正式な提出になります。複数の事業所を持つ法人も、法人でまとめて申請します
- 辞退の期限: 県の執行に関するQ&A(10月1日時点)は、事業を中止して補助金を辞退する場合は10月16日(金)までに連絡するよう求めています。それ以降の辞退は、次年度の補助金の審査で必ず考慮するとしています
- 支払いの期限: 実績報告の期限の令和9年1月12日までに、導入と支払いを終える必要があります(銀行振込も同じ)。1月13日以降に支払ったものは補助の対象になりません。なお、県のページのスケジュールは事業完了を令和9年1月11日、実績報告の締切を1月12日と分けて書いています
- 実績報告: 原則として、申請と同じく補助金専用のフォームで出します(早く事業が終わった場合は、介護人材確保推進班に事前に相談します)。県はフォームを12月に入ってから補助金のページに載せる予定としています。実績報告の期限は、事業完了(支払いの完了)から1か月以内か1月12日の、早い方です
- 精算払い: 補助金は実績報告の後に額を確定してから支払われます。採択の時点(9月中旬)で、導入費用を立て替える自己資金が必要です
- 内容を変える場合: 交付要綱では、補助対象経費の20%を超える変更などは承認が必要です。導入する前に長寿社会政策課の介護人材確保推進班へ相談するよう、県は求めています
補助額の決まり方
補助額は、消費税を除いた対象経費の4/5と、区分ごとの上限額を比べた少ない方の額です(交付要綱第2条・第3条)。
| 区分 | 中身 | 上限額 |
|---|---|---|
| 導入支援(機器) | 移乗支援(装着型・非装着型)・入浴支援の機器、介護業務支援に載るインカム | 1台100万円 |
| 導入支援(機器) | 上記以外のTAISの「介護テクノロジー」 | 1台30万円 |
| 導入支援(ソフト) | 介護ソフト・バックオフィスソフト(職員数で金額が変わる契約) | 職員1〜10名100万円、11〜20名150万円、21〜30名200万円、31名以上250万円 |
| 導入支援(ソフト) | 介護ソフトと定着促進支援(端末・Wi-Fiなど)をあわせる場合 | 115万円、165万円、215万円、265万円 |
| 導入支援(ソフト) | それ以外の契約 | 一律250万円(定着促進支援をあわせると265万円) |
| 県が認めるそのほかの機器 | 調理支援の機器・配膳ロボット、バイタルを測れるウェアラブル端末など(バックオフィスソフトを除く) | 1台100万円 |
| パッケージ型導入支援 | 介護業務支援の機器と、それと連動して効果が高まる機器を一体で入れる | 1事業所750万円(通信環境の整備の費用も上限の範囲内。交付要綱の別表には端末・Wi-Fiなどを使う場合765万円とあり、県の資料の間で食い違っています) |
| 業務改善支援 | 導入と一体で受ける第三者の支援 | 1事業所48万円 |
- 4/5補助率
- 750万円パッケージ型の上限通信環境の費用も含む
- 265万円介護ソフトの上限定着促進支援もあわせる場合
- 1月12日支払いと実績報告の期限令和9年
- ケアプランデータ連携の加算: 訪問介護などの居宅サービス事業所か居宅介護支援事業所(介護予防を含む)が、令和8年度中にケアプランデータ連携システムで5事業所以上とデータ連携する場合、介護ソフト・バックオフィスソフトの上限額に5万円を加えます
- バックオフィスソフト: 電子サイン・給与・勤怠管理などのソフトで、県のQ&Aでは会計システムも対象としています。ただし介護ソフトの定着促進支援には当たらないため、15万円の加算はありません
- 職員数の数え方: 申請時点の数で、直接処遇職員だけでなくICTを使う見込みの管理者・生活相談員なども含めます。常勤換算が原則ですが、訪問する職員や管理者・生活相談員などは実人数でもかまいません
- 台数の上限: 県のQ&Aでは、介護テクノロジー等の導入支援の台数に上限を設けていないとしています。ただし、必要と認められる数であること(例: 10床なので10台)が条件です
- 付帯する経費の上限: 主となる機器と一緒に入れる端末・Wi-Fiなどは、機器の上限額の範囲内で補助します。県のQ&Aの例では、見守り機器20台なら30万円×20台=600万円が、見守り機器と付帯の費用をあわせた上限です
- 1法人あたりの上限: 事業所の数の制限や、1法人あたりの申請の上限はありません
分野の中身は介護テクノロジー利用の重点分野で整理しています。
補助の対象になるもの・ならないもの
宮城県の補助の対象は、県内で介護保険法の指定・許可を受けた事業所と、老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームを運営する法人です。法人の本部が他県にあっても県内の事業所の分は対象で、県の資料に仙台市の事業所を除く記載はありません。
- 機器: TAISに登録され「介護テクノロジー」に分類されている機器が原則として対象です。令和8年度から、TAISで「介護テクノロジー」に分類されたインカムも同じ扱いになりました(令和7年度までは「その他」の扱い)。TAISに載っていなくても、機能が同水準と県が判断した機器は対象になります
- TAISに載っていないインカム: 職員間の連絡調整を速くするICT機器かどうかで判断し、ビジネス用のチャットツールを使う機器も含むと県のQ&Aは答えています
- ナースコール: TAISで介護テクノロジーに位置づけられていれば対象で、ナースコール一式で上限30万円です
- 介護ソフト: 記録・情報共有・請求を一気通貫で行えることが条件です。居宅系の事業所はケアプランデータ連携標準仕様のCSVの出力・取込に対応していること、施設系はLIFEのCSV連携仕様書に準じたCSVを出力できることも求められます。標準仕様に対応するための介護ソフトの改修費も対象です
- 付帯する経費: 端末・Wi-Fiなどは、主となる機器と一緒に入れる場合だけ対象です。すでに使っている介護ソフトや、過去に入れた見守り機器のための端末・Wi-Fiだけの申請はできません
- リース・レンタル: 月額払いは交付決定の月から実績報告の前月まで、年額払いは1年分、複数年の使用契約は複数年分、使用権の期限が無いものは全額が対象です
- 対象外の費用: 消費税、保険料、メンテナンスの費用、通信費、開発費、交付決定の前に買ったり借りたりしたもの、IT導入補助金などほかの補助金で助成されているもの
- 対象外の事業所の使い方: 特定施設の指定を受けていない有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は対象外です。同じ法人の訪問系の事業所が、こうした住まいの居室などに機器を置く場合も対象になりません
- 今年度に開設した事業所: 申請の時点でサービスを始めていて、課題や目標を立てられるなら申請できます
パッケージ型導入支援の条件
パッケージ型は、TAISの「介護業務支援」に当たる機器と、それと連動して効果が高まる機器を一体で入れる場合に使えます。県の例は、介護業務支援の機器と見守り・コミュニケーションの機器、介護業務支援の機器を複数、介護ソフトとインカムなどです。県のQ&Aは、介護ソフト・見守りセンサー・タブレット・Wi-Fiをまとめた申請をパッケージ型に当たるとしています。一方、すでに入れている機器と今回の機器の組み合わせはパッケージ型にならず、今回の機器だけが通常の導入支援の対象です。
採択の優先順位
申請の総額が予算を超えた場合、宮城県は交付要綱第5条で、事業所ごとに次の順で優先順位を決めます。県は、例年予算を大幅に超える申請があり、全部不採択や一部不採択が生じていると書いています。
| 順位 | 優先される事業所 |
|---|---|
| 1 | 見守り機器・インカム・介護ソフト(全部か一部)を入れる予定で、過去3年間に同じ分野の機器で県の補助を受けていない |
| 2 | 介護リフトなどノーリフトケアのための機器を入れる予定で、過去3年間に同じ分野の機器で県の補助を受けていない |
| 3 | 1・2以外の機器を入れる予定で、過去3年間に同じ分野の機器で県の補助を受けていない |
| 4 | 見守り機器・インカム・介護ソフト(全部か一部)を入れる予定で、過去3年間に同じ分野の機器で県の補助を受けている |
| 5 | 1〜4以外 |
- 過去に補助を受けた事業所: 申請はできますが、令和5〜7年度に県の補助を受けていると優先順位が下がります
- TAISの介護テクノロジーに入らない機器: 対象になりえますが、見守り機器・インカム・介護ソフトより優先順位が下がります
- 複数の事業所の申請: 審査は事業所ごとです。申請書の確認事項で「全事業所が採択でなければ辞退する」を選ぶと、全部採択か全部不採択になります。特養と併設の短期入所生活介護を一緒に採択してほしい場合の選択肢もあります
- 採択後の辞退: 次年度の採択で、ほかの法人が優先される場合があると県は書いています
交付決定の前に買ったものは対象になるか
宮城県では、交付決定の前に契約・購入したものは補助の対象外です。令和8年度は交付決定日が令和8年9月18日で、県はこの日以後に契約と納品を行うよう求めています。見積書は事業所ごとに作り、値引きがある場合はどの項目の値引きかが分かるように書いてもらいます。対象外のオプションや消耗品は、申請の見積書から外しておきます。
宮城県の補助を受けるための要件
宮城県の交付要綱・手引き・概要の要件を整理すると、次のとおりです。県独自の点は、県のセミナーの受講が要件に入っていることです(交付要綱では、県のセミナーの受講に代えて第三者による業務改善支援を受けることもできます)。
- セミナーの受講か業務改善支援(全サービス): 宮城県介護事業所支援相談センターの「宮城県介護テクノロジー導入・活用セミナー」(令和8年7月2日、オンライン)を受け、アンケートに答えます。受け損ねた場合は、10月13日の「介護生産性向上セミナー(オンライン)」を必ず受けることで代えられますが、採択の優先順位に影響するとされています
- ケアプランデータ連携(訪問・通所・短期入所・居宅介護支援など): 令和8年度内にケアプランデータ連携システムの利用を始め、連携の実績をつくります。県のQ&Aは、今年度から国の方針で「データ連携の実績があること」が要件になったと説明しています
- 委員会の設置(施設系など): 短期入所・特定施設・小規模多機能・認知症対応型共同生活介護・特養・老健・介護医療院などは、利用者の安全と職員の負担軽減などを検討する委員会を置きます
- SECURITY ACTION(全サービス): IPAの「一つ星」か「二つ星」を事業所ごとに宣言します。年度内に宣言すればよいとされています
- 業務改善計画と効果の報告(全サービス): 申請の時に業務改善計画を作り、補助を受けた翌年度から3年間、効果を報告します
- LIFE・効果検証への協力: 補助を受けた事業所はLIFEによる情報収集と、厚生労働省などの効果検証に協力します。申請の時点でLIFEの利用申請をしている必要はありません
- 賃金への還元: 生産性向上や収支の改善が図られた場合は、職員の賃金へ還元し、その旨を職員に周知します
- 県税の未納が無いこと: 申請には、全ての県税に未納が無いことの納税証明書を付けます
ケアプランデータ連携の始め方はケアプランデータ連携システムで、委員会の中身は生産性向上推進体制加算で整理しています。
相談できる窓口
補助金の手続きは、宮城県 保健福祉部 長寿社会政策課が担当しています。問い合わせは電話では受け付けておらず、県の補助金ページにある専用フォームから送ります。回答は原則として補助金ページのQ&Aで示され、個別の回答には1〜2週間ほどかかる場合があるとされています。
機器の選び方や業務改善の相談は、宮城県介護事業所支援相談センターが受けています。国の「介護生産性向上総合相談センター」に当たる県の窓口で、アドバイザーがオンラインか訪問で相談に応じ、介護ロボットなどの試用貸出も行っています(貸出の前にアドバイザーへの相談が必要です)。
補助の対象になりやすいツールのカテゴリ
補助の対象になるかは、製品ごとにTAISの「介護テクノロジー」の分類と県の交付要綱で確かめてください。宮城県が採択でいちばん優先する見守り機器・インカム・介護ソフトと、2番目に優先するノーリフトケアの移乗支援のカテゴリを並べます。事業所の管理者向けには管理者のページでもツールをまとめています。
介護ソフト
選び方は介護ソフトの選び方で整理しています。介護ソフトの一覧もあわせて見てください。
見守り機器
見守り機器は1台の上限30万円の区分です。選び方は見守りセンサーの選び方で、見守り機器の一覧でも比べられます。
インカム・情報共有
インカムは1台の上限100万円の区分です。情報共有ツールの一覧もあわせて見てください。
移乗支援
移乗支援の機器は1台の上限100万円の区分です。移乗支援の一覧も参照してください。
よくある質問
令和8年度の宮城県の補助にこれから申し込めますか
申し込めません。申請は令和8年8月14日午後3時で締め切られ、県の手引きは二次募集を行わないとしています。
仙台市の事業所も対象ですか
県の交付要綱は、県内で介護保険法の指定・許可を受けた事業所などを運営する者を対象にしていて、仙台市を除く記載は県の資料に見当たりません。所在地で迷うときは、県の専用フォームで確かめてください。
採択された後に辞退できますか
辞退はできますが、県は10月16日(金)までに連絡するよう求めています。それ以降の辞退は、次年度の審査で考慮するとしています。
補助金はいつ支払われますか
令和9年1月12日までに実績報告を出し、県が2月頃に額を確定した後、3月頃に支払われる予定です。それまでの導入費用は事業所が立て替えます。
出典
- 宮城県「令和8年度介護テクノロジー導入支援事業補助金について」
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/chouju/r8kaigo-technology.html - 宮城県「令和8年度介護テクノロジー導入支援事業補助金の概要について」
https://www.pref.miyagi.jp/documents/65207/r8gaiyou.pdf - 宮城県「令和8年度介護テクノロジー導入支援事業補助金の実施予定について(令和8年5月29日)」
https://www.pref.miyagi.jp/documents/65207/r8yotei.pdf - 宮城県「令和8年度 介護テクノロジー導入支援事業 手引き(令和8年7月14日)」
https://www.pref.miyagi.jp/documents/65207/r8tebiki.pdf - 宮城県「宮城県介護テクノロジー導入支援事業補助金交付要綱」
https://www.pref.miyagi.jp/documents/65207/youkou.pdf - 宮城県「令和8年度介護テクノロジー導入支援事業補助金に関するQ&A(令和8年8月5日時点)」
https://www.pref.miyagi.jp/documents/65207/r8hojokinqa_0805.pdf - 宮城県「介護テクノロジー導入支援事業補助金の執行・実績報告に関するQ&A(10.1時点)」
https://www.pref.miyagi.jp/documents/65207/hojokin_qa.pdf - 宮城県「宮城県介護事業所支援相談センターについて」
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/chouju/shien-center.html
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