静岡県の介護テクノロジー補助金|定着支援事業費補助金の補助上限・補助率・優先順位【令和8年度】
介護ツールナビ編集部公開 更新

要点
静岡県の介護テクノロジーの補助は、県内の介護事業所が介護ロボット・介護ソフト・インカム・バックオフィスソフトを導入する費用の4/5を補助する「介護テクノロジー定着支援事業費補助金」です。令和8年度は交付申請を令和8年8月3日から8月31日までメールで受け付け、交付決定は10月頃の見込みと県は説明しています。上限は1事業所1,000万円(介護ソフトの定着促進支援もあわせると1,015万円)で、機器の台数は利用定員数の1/10まで、予算を超えた場合は「静岡県働きやすい介護事業所認証制度」の認証を受けた事業所や、これまで補助を受けていない事業所を優先して交付決定します(2026年10月4日時点で県が公表している内容)。
| 項目 | 令和8年度の静岡県の内容 |
|---|---|
| 補助上限 | 1事業所1,000万円(介護ソフトの定着促進支援もあわせると1,015万円)。業務改善支援は1事業所48万円 |
| 補助率 | 4/5(対象経費の4/5と区分ごとの基準額のうち少ない方。令和7年度は3/4) |
| 対象経費 | TAISで「介護テクノロジー」に選定された機器、インカム、バックオフィスソフト、介護ソフトと一緒に入れる端末・Wi-Fiなど、パッケージ型導入、業務改善支援 |
| 申請期間 | 令和8年8月3日〜8月31日(メールで提出し、電話で到着を確認)。期間は過ぎています |
| 導入の期限 | 交付決定の後に発注・契約し、令和9年3月31日までに納品(支払いが対象の契約は支払い)を終える |
| 窓口 | 静岡県 健康福祉部福祉長寿局介護保険課(054-221-2314)/静岡県介護生産性向上総合相談センター |
| 公式URL | 静岡県「令和8年度「介護テクノロジー定着支援事業費補助金」」 |
| 確認日 | 2026年10月4日 |
国の制度の仕組みやほかの都道府県との違いは介護テクノロジー導入支援事業とはで整理しています。この記事では静岡県の資料にだけある中身を書きます。静岡県では、令和6年度の「介護分野ICT化等事業費補助金」が、令和7年度から「介護テクノロジー定着支援事業費補助金」になりました。
令和8年度の手続きはどこまで進んでいるか
令和8年度の静岡県の手続きは、交付申請の受付期間(8月3日〜31日)が過ぎ、審査の時期(県の資料の目安は9〜10月)にあたります。説明会の質疑応答で、県は交付決定を10月頃と見込み、申請額が予算を超える場合や申請が多い場合は通知が遅れる可能性があるとしています。
- 交付申請8月3日〜31日。メールで提出
- 審査・交付決定10月頃の見込み
- 発注・契約交付決定の後に行う
- 納品・支払令和9年3月31日まで
- 実績報告完了後30日以内か4月10日の早い方
- 交付確定・請求確定通知から10日以内に請求
- 導入効果の報告翌年度から原則3年間
- 申請の方法: 書類は県のメールアドレス(kaigohoken@pref.shizuoka.lg.jp)に決められた件名で送り、送った後に介護保険課へ電話して到着を確かめる方法でした。複数の事業所を持つ法人も、1法人で1つにまとめて申請します(1法人1申請)
- 事業完了の日: 原則として納品(工事の完了)の日です。介護ソフトのライセンスやリース契約など、支払った額が補助の対象になるものは、支払いが終わった日が事業完了の日になります
- 概算払い: 補助金は国庫補助金が財源のため、県は3月末までに支払いを終える必要があります。令和9年1月15日までに実績報告を出せない事業所には、実績報告の前に交付決定額の全額を概算払いで支払い、後で精算します(超過分は返還)。この場合、概算払承認申請書・請求書を1月15日までに出します
- 期限の厳格化: 令和8年度から、期限の後に出された書類は原則として受け付けません。遅れそうなときは、期限の前に電話とメールで担当に相談します
令和9年度については、県が「要望額調査」を令和8年9月11日の午後5時を期限に行いました。調査は所要額を把握するためのもので、補助を約束するものではないと県は書いています。2026年10月4日時点で、令和9年度の募集時期は県のページに出ていません。
補助額の決まり方
補助額は、事業の区分ごとに「消費税相当額を除いた対象経費×4/5」と「基準額」を比べた、少ない方の額です。様式では4/5の額の千円未満を切り捨てます。
| 区分 | 中身 | 基準額 |
|---|---|---|
| 導入支援(機器) | TAISで「移乗支援」「入浴支援」に載る機器、「介護業務支援」に載るインカム、インカムと同じ水準の機能と判断された機器 | 1台100万円 |
| 導入支援(機器) | 上記以外のTAISの「介護テクノロジー」 | 1台30万円 |
| 導入支援(ソフト) | 介護ソフト・バックオフィスソフト(職員数で金額が変わる契約) | 職員1〜10名100万円、11〜20名150万円、21〜30名200万円、31名以上250万円 |
| 導入支援(ソフト) | 介護ソフトと定着促進支援(端末・Wi-Fiなど)をあわせる場合 | 115万円、165万円、215万円、265万円 |
| 導入支援(ソフト) | それ以外の契約(固定型) | 一律250万円(定着促進支援をあわせると265万円) |
| パッケージ型導入支援 | 複数の機器を連動させて入れる | 1事業所1,000万円(定着促進支援をあわせると1,015万円) |
| 業務改善支援 | 導入と一体で受けるコンサルティング会社などの支援 | 1事業所48万円 |
- 4/5補助率令和7年度は3/4
- 1,000万円1事業所の上限導入支援とパッケージ型の合計
- 定員の1/10機器の台数の上限端数は切り上げ
- 48万円業務改善支援令和7年度は45万円
- ケアプランデータ連携の加算: 訪問介護などの居宅サービス事業所か居宅介護支援事業所(介護予防を含む)が、令和8年度中にケアプランデータ連携システムで5事業所以上とデータ連携する場合、介護ソフトの基準額に5万円を加えます
- 職員数の数え方: 申請時点の常勤換算の人数(小数点以下は四捨五入)です。訪問介護員・介護支援専門員などの訪問する職員と、管理者・生活相談員などは実人数でもかまいません。県のQ&Aでは、基準条例の人員基準上必要とされている職員数を前提に、機器の活用が見込まれる事務員なども含めてよいとしています
- 台数の上限: 機器(ソフト以外)とパッケージ型の機器は、利用定員数(または利用者数)を10で割った数(端数は切り上げ)までです。機器の種類が違っても合計でこの台数までで、種類ごとに上限が増えるわけではありません。パッケージ型の見守り機器は利用定員数まで、インカムは職員数までです
- 1台100万円の区分を組み合わせる場合: 説明会の回答では、台数の上限が3台の事業所が移乗支援・入浴支援・インカムを1台ずつ入れる場合、1事業所で最大300万円まで申請できるとしています
- バックオフィスソフトを法人全体で使う場合: 補助額は事業所ごとに出すため、職員数の割合で事業所ごとに按分して申請します
分野の中身は介護テクノロジー利用の重点分野で整理しています。
補助の対象になるもの・ならないもの
静岡県の補助の対象は、介護保険法に基づくサービスを提供する県内のすべての事業所(訪問介護事業所・居宅介護支援事業所を含む)と、老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームです。交付要綱は「県内に所在する介護事業所等」を対象にしていて、静岡市・浜松市の事業所を除く記載は県の資料に見当たりません。
- 機器: TAISに載っていて「介護テクノロジー」に選定された機器が対象です。TAISに載っていても「介護テクノロジー」の表示が無い機器は対象外です。申請のときに、選定を確かめられる画面の写しなどを付けます
- 県が認める機器: TAIS以外では「インカム」と「バックオフィスソフト」だけです(バックオフィスソフトは令和8年度から追加)。ビジネスチャットなどのコミュニケーションツールは対象外です
- 付帯する経費: 端末・Wi-Fiなどは、主となる機器やソフトと一緒に入れる場合だけ対象で、情報端末だけ・通信環境の整備だけの申請はできません。介護ソフトを他社に乗り換える場合は、新しく入れるのと同じに考え、付帯するパソコンも対象になりえます
- 説明会の回答で対象外とされた費用: 通信費、撤去費用、送料、振込手数料など。消耗品(予備品)も対象外です
- 分割で払うもの: 買取りは全額、複数年の使用権契約は複数年分、年額払いは1年分、月額払いは令和8年度分が対象で、いずれも令和9年3月31日までに支払いを終えることが条件です
- 開設前の事業所: 交付申請の時までに指定を受け、サービスの提供を始めている必要があります
- ほかの補助金: ほかの補助金で助成されているものは対象外です
パッケージ型導入支援の条件
パッケージ型は、介護ソフトを新しく入れ、それと連動させて複数の機器を入れる場合に使えます。すでに使っている介護ソフトに見守り機器とインカムをつなぐだけの申請はできません。バックオフィスソフトはパッケージ型に入れられません。介護ソフトと見守り機器はTAISで「介護テクノロジー」に選定されている必要がありますが、インカムはTAISに載っていなくてもかまいません。連動で効果が高まることが分かる、メーカーの提案書やパンフレットなどを出します。
交付決定の前に買ったものは対象になるか
静岡県では、交付決定の前に着手(契約・発注)したものは補助の対象外です。介護ソフトのトライアル(お試し期間)も、契約と分けられる体験であれば交付決定の前に使えますが、交付決定の前に契約したソフトは対象外です。契約書が無い場合は、発注日・法人名・相手方・機器名・台数・納入期限・税抜きの金額が分かる発注書やメールで代えられます。
交付決定の後に機器や金額を変える場合は、変更の申請が要ります。物価の上昇などで見積もりより高くなっても、交付決定後に補助額を増やすことはできず、増えた分は事業所の負担です。
優先して交付決定される事業所
予算を超える申請があった場合、静岡県は取扱要領で、次の事業所を優先して交付決定するとしています。優先順位は法人ごとではなく事業所ごとに判断するため、同じ法人の一部の事業所だけが採択されることもあります。
| No. | 優先される事業所 |
|---|---|
| 1 | 静岡県働きやすい介護事業所認証制度で認証された事業所 |
| 2 | 令和7年度までに、県の「介護分野ICT化等事業費補助金」「介護テクノロジー定着支援事業費補助金」を受けていない事業所 |
| 3 | パッケージ型導入支援で、介護保険法に基づくサービスを提供する事業所 |
| 4 | パッケージ型導入支援で、「介護ソフト」「見守り機器」「インカム」を入れる事業所 |
説明会の回答では、パッケージ型の「介護ソフト+インカム」は「介護ソフト+インカム+見守り機器」より採択の順位が下がるとしています。また、令和7年度は申請額が県の予算を超えず、不採択の事業所は無かった(対象外の機器や要件を満たさない場合を除く)と県は答えています。過去に補助を受けた事業所も申請できます。
静岡県の補助を受けるための要件
静岡県の要件は、国の実施要綱の要件に沿っています。申請の時に確認書(別紙1)で要件を確かめたと報告し、証拠書類は求めない代わりに、交付後に要件を満たしていないと分かった場合は返還の手続きになります。
- 業務改善支援(全サービス): コンサルティング会社などと個別に契約して支援を受けるか、厚生労働省の委託事業の「生産性向上ビギナーセミナー」と「生産性向上フォローアップセミナー」(2つでセット)、または「デジタル中核人材養成研修」を受けます。県は、総合相談センターの研修の開催が未定のため、原則として国のセミナーか研修を受けるよう求めています
- 業務改善計画(全サービス): 交付申請の時に、県の様式の業務改善計画をメールで出します。計画づくりと取組は、介護生産性向上総合相談センターに相談するものとされています
- 効果の報告(全サービス): 補助を受けた翌年度から3年間、業務改善計画に対する効果を県に報告します
- SECURITY ACTION(全サービス): IPAの「一つ星」か「二つ星」を宣言します
- ケアプランデータ連携(一部のサービス): 国の実施要綱に挙がるサービスの事業所は、令和8年度内にケアプランデータ連携システムの利用を始めます
- 委員会の設置(一部のサービス): 国の実施要綱に挙がるサービスの事業所は、利用者の安全と職員の負担軽減などを検討する委員会を置きます
- 賃金への還元: 生産性向上や収支の改善が図られた場合は、職員の賃金へ還元し、その旨を職員に周知します
ケアプランデータ連携の始め方はケアプランデータ連携システムで、委員会の中身は生産性向上推進体制加算で整理しています。
相談できる窓口
補助金の申請や手続きは、静岡県 健康福祉部福祉長寿局介護保険課(電話054-221-2314)が担当しています。初めて申請する場合や申請の中身に不安がある場合、業務改善計画の作り方は、県の静岡県介護生産性向上総合相談センター(委託先は静岡県介護生産性向上コンソーシアム。代表事業者は株式会社東海道シグマ、電話0120-413-504)が個別に相談を受けています。
補助の対象になりやすいツールのカテゴリ
補助の対象になるかは、製品ごとにTAISの「介護テクノロジー」の選定と県の交付要綱で確かめてください。国の実施要綱が優先して補助する方針とする見守り機器・インカム・介護ソフトと、1台100万円の区分の移乗支援のカテゴリを並べます。事業所の管理者向けには管理者のページでもツールをまとめています。
介護ソフト
選び方は介護ソフトの選び方で整理しています。介護ソフトの一覧もあわせて見てください。
見守り機器
見守り機器は1台の基準額30万円の区分です。選び方は見守りセンサーの選び方で、見守り機器の一覧でも比べられます。
インカム・情報共有
インカムは1台の基準額100万円の区分です。チャットなどのコミュニケーションツールは静岡県の補助の対象外なので注意してください。情報共有ツールの一覧もあわせて見てください。
移乗支援
移乗支援の機器は1台の基準額100万円の区分です。移乗支援の一覧も参照してください。
よくある質問
令和8年度の静岡県の補助にこれから申し込めますか
新しく申し込むことはできません。交付申請の提出期間は令和8年8月3日から8月31日まででした。2026年10月4日時点で、県のページに追加募集の案内はありません。
静岡市・浜松市の事業所も対象ですか
県の交付要綱は「県内に所在する介護事業所等」を対象にしていて、静岡市・浜松市を除く記載は見当たりません。所在地で迷うときは、県の介護保険課に確かめてください。
複数の事業所がある法人はどう申請しますか
1法人で1つにまとめて申請します(1法人1申請)。申請の様式の中で事業所ごとに導入する中身を書き、補助額は事業所ごとに計算します。
過去に補助を受けた事業所も申請できますか
申請できます。ただし、予算を超える申請があった場合は、令和7年度までに県の補助を受けていない事業所が優先されます。
出典
- 静岡県「令和8年度「介護テクノロジー定着支援事業費補助金」」
https://www.pref.shizuoka.jp/kenkofukushi/koreifukushi/kaigohoken/1083217.html - 静岡県「介護テクノロジー定着支援事業費補助金交付要綱(令和8年度)」
https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/083/217/r8kenkofuyoko.pdf - 静岡県「介護テクノロジー定着支援事業費補助金取扱要領(令和8年度)」
https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/083/217/r8toriyoryo.pdf - 静岡県「交付要綱 新旧対照表(令和7年度→令和8年度)」
https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/083/217/shinkyu.pdf - 静岡県「令和8年度 補助要件について」
https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/083/217/hojoyoken.pdf - 静岡県「事業者向け説明会資料 昨年度からの変更点」
https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/083/217/02henkonaiyo.pdf - 静岡県「事業者向け説明会資料 補助事業の流れについて」
https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/083/217/03jigyou.pdf - 静岡県「事業者向け説明会資料 補助金の支払方法について」
https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/083/217/04kofuhoho.pdf - 静岡県「令和8年度 介護テクノロジー定着支援事業費補助金 Q&A(令和8年8月3日更新)」
https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/083/217/qa1.pdf - 静岡県「説明会 質問事項の回答について(令和8年8月19日)」
https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/083/217/shitugioto.pdf - 厚生労働省「令和8年度(令和7年度からの繰越分)介護テクノロジー定着支援事業実施要綱(差替え)」(静岡県掲載)
https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/083/217/kunijissiyoko2.pdf - 静岡県「令和9年度「介護テクノロジー定着支援事業費補助金」要望額調査について」
https://www.pref.shizuoka.jp/kenkofukushi/koreifukushi/kaigohoken/1040743/1085180.html - 静岡県「補助要件について(R8年度版)」
https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/083/217/hojoyoken.pdf
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