広島県の介護テクノロジー補助金|定着支援事業の補助上限・補助率・申請要件【令和8年度】

要点
広島県の介護テクノロジーの補助は、県内の介護事業所が介護ロボット・介護ソフト・インカム・バックオフィスソフトなどを導入する費用の4/5を補助する「介護テクノロジー定着支援事業」です。令和8年度は申請を令和8年7月13日から8月7日まで受け付け、上限は1事業所1,000万円でした。申請の前に県が指定する研修を1つ以上受け、介護職場サポートセンターひろしま(介サポひろしま)に相談することが要件で、令和5〜7年度に県の補助を受けていない事業所が優先して採択されます(2026年10月4日時点で県と交付事務局が公表している内容)。
| 項目 | 令和8年度の広島県の内容 |
|---|---|
| 補助上限 | 1事業所1,000万円(パッケージ型。介護ソフトの定着促進支援をあわせると15万円を上乗せ)。介護ソフトは100万〜250万円、業務改善支援は48万円 |
| 補助率 | 4/5(対象経費の4/5と区分ごとの基準額のうち少ない方。千円未満は切り捨て) |
| 対象経費 | TAISで「介護テクノロジー」に選定された機器、介護ソフトと一緒に使う端末・Wi-Fiなど、TAIS未掲載でも同水準と判断された機器、バックオフィスソフト、パッケージ型導入、業務改善支援 |
| 申請期間 | 令和8年7月13日(月)〜8月7日(金)。期間は過ぎています |
| 導入の期限 | 令和8年度内に支出する経費が対象。交付決定の前に契約したものは対象外 |
| 窓口 | 一般社団法人日本福祉用具供給協会 中国支部 広島県ブロック事務局(090-9050-8042)。県は事業所・販売業者からの直接の問い合わせに答えていません |
| 公式URL | 広島県「令和8年度「介護テクノロジー定着支援事業」補助金制度について」 |
| 確認日 | 2026年10月4日 |
国の制度の仕組みやほかの都道府県との違いは介護テクノロジー導入支援事業とはで整理しています。この記事では広島県の資料にだけある中身を書きます。
令和8年度の手続きはどこまで進んでいるか
令和8年度の広島県の申請は8月7日で締め切られ、交付決定の時期は、2026年10月4日時点で県・交付事務局のどちらも公表していません。事業の実施主体は広島県で、補助金の交付事務は一般社団法人日本福祉用具供給協会中国支部広島県ブロック事務局(以下、交付事務局)が行っています。申請書類のダウンロードや提出も交付事務局のサイトから行う仕組みです。
- 研修を受講する県が指定する研修を1つ以上
- 介サポひろしまに相談申請の前に相談フォームから
- 交付申請7月13日〜8月7日。交付事務局へ
- 選定委員会の審査採択の可否と優先順位を決める
- 交付決定の通知交付決定通知書で通知
- 導入・支払令和8年度内に支出する経費
- 実績報告・効果の報告報告期限は別途通知
- 提出の方法: 交付申請書類は、交付事務局のサイトの申請フォームから出します。様式は押印不要で、Excelのまま(PDFなどに変換せず)ほかの書類とあわせてzipファイルにして提出します。Excelのデータは厚生労働省でも使うため、行や列を足したり消したりしないよう求められています
- 報告の様式: 実績報告の様式(報告申請書一式)は、令和8年9月2日に交付事務局のサイトに追加されました。実績報告の期限は、実施要綱では「別途通知する」とされています
- 補助金の支払い: 申請と報告がすべて終わった後に、指定の口座に振り込まれます
2026年10月4日時点で、県と交付事務局のページに追加募集の案内はありません。
補助額の決まり方
補助額は、事業の区分ごとに「対象経費×4/5」と「基準額」を比べた、少ない方の額です。千円未満は切り捨てます。
| 区分 | 中身 | 基準額 |
|---|---|---|
| 導入支援(機器) | TAISで「移乗支援(装着型・非装着型)」「入浴支援」に載る機器、「介護業務支援」に載るインカム、それらと同水準と判断された機器、「その他」のうち県が有効と判断した機器(バックオフィスソフトを除く) | 1台100万円 |
| 導入支援(機器) | 上記以外のTAISの「介護テクノロジー」と、それと同水準と判断された機器 | 1台30万円 |
| 導入支援(ソフト) | 介護ソフト・バックオフィスソフト(職員数で金額が変わる契約) | 職員1〜10名100万円、11〜20名150万円、21〜30名200万円、31名以上250万円 |
| 導入支援(ソフト) | 介護ソフトと定着促進支援(端末・Wi-Fiなど)をあわせる場合 | 115万円、165万円、215万円、265万円 |
| 導入支援(ソフト) | それ以外の契約 | 一律250万円(定着促進支援をあわせると265万円) |
| パッケージ型導入支援 | 連動させて効果が高まる複数の機器(機器の合計経費) | 1,000万円(定着促進支援をあわせると15万円を上乗せ) |
| 業務改善支援 | 導入と一体で受けるコンサルティング会社などの支援 | 48万円 |
- 4/5補助率千円未満は切り捨て
- 1,000万円1事業所の上限パッケージ型
- 48万円業務改善支援
- 8月7日申請の締切令和8年。受付終了
- ケアプランデータ連携の加算: 訪問介護などの居宅サービス事業所か居宅介護支援事業所(介護予防を含む)が、令和8年度中にケアプランデータ連携システムで5事業所以上とデータ連携する場合、介護ソフトの基準額に5万円を加えます
- 職員数の数え方: 申請時点の常勤換算の人数(小数点以下は四捨五入)です。訪問介護員・介護支援専門員などの訪問する職員と、管理者・生活相談員などは実人数でもかまいません。ICTを使う見込みのある管理者や生活相談員も職員数に入れてよいとされています
- 台数の上限: 1回あたりの導入台数は、1事業所の補助額1,000万円に収まる範囲までです
- 月額払いのソフトやリース: 介護ソフトの利用料、リース費用、保守・サポート費用も対象ですが、令和8年度にかかる分だけです。複数年分を令和8年度に一括で払った場合は全額、年額払いは1年分、月額払いは令和8年度分が対象です
分野の中身は介護テクノロジー利用の重点分野で整理しています。
補助の対象になるもの・ならないもの
広島県の補助の対象は、県内にある介護保険法に基づくサービスを提供するすべての事業所(訪問介護事業所・居宅介護支援事業所を含む)と、老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームです。
- 機器: TAISで「介護テクノロジー」に選定された機器が対象です。販売価格が公表され、一般に購入できる機器に限られ、開発費は対象外です
- TAISに載っていない機器: 申請ができていないなどの理由でTAISに載っていなくても、TAISの介護テクノロジーと機能が同水準と実施主体が判断した機器は対象になります
- その他の機器: 職員の身体的な負担の軽減や間接業務の時間の削減に役立つと実施主体が判断した機器も対象で、例として電子サイン・給与・勤怠管理などのバックオフィスソフトが挙がっています
- 介護ソフトの定着促進支援: 介護ソフトと一緒に使うパソコン・タブレット(リースを含む)、Wi-Fiの配線工事・ルーター・アクセスポイントなど、介護ソフトの導入前後のベンダーのサポート費用
- 付帯する経費: 介護ソフト以外の機器に付けるWi-Fiや端末は、主となる機器と一緒に入れる場合だけ対象です
- 対象外の経費: メンテナンス費(介護ソフトのシステム保守料を除く)、通信費、設置工事費、保険料、消費税、過年度に入れた機器・ソフトのランニングコスト、交付決定の前に購入・リース・レンタルの契約をしたもの、持っている機器の廃棄費、建物の改修費
- ほかの補助金: 地域医療介護総合確保基金の「介護テクノロジー導入支援事業」や経済産業省の「IT導入補助金」など、ほかの補助金で助成されている事業者は対象外です
介護ソフトの条件
介護ソフトは、記録・情報共有・請求の業務を一気通貫で行えるもの(転記が発生しないもの)が対象です。すでに使っているソフトと組み合わせて一気通貫になっていればかまいません。
- 居宅系の事業所: 居宅介護支援・介護予防支援・居宅サービス・介護予防サービスの事業所は、「ケアプランデータ連携標準仕様」に準じたCSVの出力・取込ができ、ケアプランデータ連携システムの活用を支えるサポート体制があることが、国保中央会のベンダー試験の結果と厚生労働省の「介護ソフトの機能調査結果」で確かめられるソフトに限られます
- 施設系の事業所: 介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院と地域密着型介護老人福祉施設は、LIFEの「CSV連携仕様書」に準じたCSVを出力できることが、「介護ソフトの機能調査結果」で確かめられるソフトに限られます
選び方は介護ソフトの選び方で、ケアプランデータ連携の始め方はケアプランデータ連携システムで整理しています。
申請の前に必要なこと
広島県では、申請の前に研修の受講と介サポひろしまへの相談を済ませておくことが要件です。県のチラシは、この2つが「要件となりました」と案内しています。
- 研修の受講: 介サポひろしまか広島県介護福祉士養成施設協会が行う研修を、申請の前に少なくとも1つ受けます。令和8年度の対象は、6月16日の生産性向上普及促進セミナー(WEB配信。後から動画視聴も追加)、6月25日の介護テクノロジー定着支援研修会、6月25日・26日の「介護現場の生産性向上と職員定着のためにできること」(いずれも広島産業会館)でした。介サポひろしまの「介護DX普及推進セミナー(R8.2.3開催)」の動画を見た場合も受講とみなされ、令和7年度中に開かれた研修(小地域セミナーなど)の受講実績も考慮されます
- 介サポひろしまへの相談: 申請には介サポひろしまへの事前の相談が必要で、県のページの相談受付フォームから申し込みます。業務改善計画の作成や取組も、原則として介サポひろしまに相談するものとされています。介サポひろしまは県が令和6年7月1日に開設した相談窓口で、広島市南区比治山本町の広島県社会福祉会館内にあります(電話082-207-2423)
業務改善支援は、コンサルティング会社などと個別に契約して支援を受けるか、上の研修を受けるかのどちらかが要件です。メーカーや販売店による機器の操作説明は、業務改善支援の対象になりません。
選ばれる順番と審査の中身
広島県は、令和5年度から令和7年度までに「介護ロボット導入支援事業補助金」「介護事業所ICT導入支援事業補助金」「介護テクノロジー定着支援事業補助金」を受けていない事業所を優先して採択します。申請は、県の介護政策課・介サポひろしま・介護労働安定センター広島支部・日本福祉用具供給協会広島県ブロックの職員で作る「申請案件選定委員会」が審査し、採択の可否、優先順位、1件あたりの補助の限度台数を決めます。
選定委員会の採点基準は、次の4項目です。
| No. | 見る書類 | 評価する点 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 1 | 導入計画(活用計画) | 課題の解決と現場への定着までの工程が具体的か(使う職員の数・使う頻度など) | 30点 |
| 2 | 導入計画(目標と効果) | 達成したい目標や期待する効果が客観的な数値や指標で示されているか | 25点 |
| 3 | 導入計画(実施体制) | 現場に定着するまでの体制と役割が具体的か | 20点 |
| 4 | 検討会議録 | 経営者・現場責任者・現場スタッフを交えて検討したか(現場の声が吸い上げられているか) | 25点 |
申請の様式では、課題の解決と現場への定着までの工程を、概ね3年間の計画として書くよう求めています。申請に対象外の経費が入っていた場合や要件を満たしていない場合は補助額が減ることがあり、申請が多く予算を超えた場合はすべての申請額を交付決定できないことがあると、実施要綱は書いています。
広島県の補助を受けるための要件
広島県の実施要綱は、介護テクノロジーの導入支援かパッケージ型導入支援を受ける事業所に、次の要件をすべて満たすよう求めています。
- 委員会の設置(入所・泊まり・居住系): 短期入所・特定施設・小規模多機能・認知症グループホーム・特養・老健・介護医療院などは、利用者の安全と職員の負担軽減などを検討する委員会を置き、その会議録を申請時に出します
- ケアプランデータ連携(居宅系): 訪問介護・通所介護・福祉用具貸与・居宅介護支援などの事業所は、令和8年度内にケアプランデータ連携システムの利用を始め、実績報告で始めたことを示す資料を出します
- SECURITY ACTION: IPAの「一つ星」か「二つ星」を宣言します
- 業務改善計画: 厚生労働省の生産性向上ガイドラインなどを参考に業務改善計画を作り、交付事務局に出します
- 賃金への還元: 生産性向上が図られるとともに収支の改善が図られた場合は、職員の賃金へ還元し、その旨を職員に周知します
- LIFEと効果検証への協力: LIFEによる情報収集に協力し、厚生労働省などの効果検証にできる限り協力します
- 県内の普及への協力: 施設見学・広報・研修会への参加に協力し、ほかの事業者からの個別の照会にも応じます(職員や利用者の個人情報に関する照会に応じる必要はありません)
委員会の中身は生産性向上推進体制加算で整理しています。
導入後の報告と公表
補助を受けた事業所は、実績報告とあわせて、業務改善計画に対する効果を報告します。実施要綱は「補助を受けた翌年度から3年間」としていて、交付事務局のページは「導入次年度以降も2年間、各年度の2月末まで」と案内しています。報告の様式には、改善したい業務に従事する職員の総業務時間や超過勤務時間など、生産性向上推進体制加算の実績報告と同じ項目があり、導入前の実態を把握しておくよう求められています。
報告と補助額は原則としてホームページなどで公表される予定です。申請の様式では、公表に同意しない場合も、サービス種別・利用者数・職員数・導入内容・補助額などは公表し、法人名・事業所名・所在市町名などは公表しないとしています。
補助の対象になりやすいツールのカテゴリ
補助の対象になるかは、製品ごとにTAISの「介護テクノロジー」の選定と県の実施要綱で確かめてください。実施要綱が集中的に支援するとしている見守り機器・介護記録ソフト・インカムと、1台100万円の区分の移乗支援・入浴支援のカテゴリを並べます。事業所の管理者向けには管理者のページでもツールをまとめています。
介護ソフト
介護ソフトの一覧もあわせて見てください。
見守り機器
見守り機器は1台の基準額30万円の区分です。選び方は見守りセンサーの選び方で、見守り機器の一覧でも比べられます。
インカム・情報共有
TAISの「介護業務支援」に載るインカムと、それと同水準と判断されたインカムは1台の基準額100万円の区分です。チャットなどの情報共有ツールはこの区分に入りません。情報共有ツールの一覧もあわせて見てください。
移乗支援・入浴支援
移乗支援と入浴支援の機器は1台の基準額100万円の区分です。移乗支援の一覧と入浴支援の一覧も参照してください。
よくある質問
令和8年度の広島県の補助にこれから申し込めますか
新しく申し込むことはできません。受付期間は令和8年7月13日から8月7日まででした。2026年10月4日時点で、県と交付事務局のページに追加募集の案内はありません。
補助金のことは広島県に問い合わせればよいですか
県は、事業所や販売業者からの直接の問い合わせには答えないとしています。補助金の問い合わせは、導入を検討している事業所から、交付事務局の一般社団法人日本福祉用具供給協会 中国支部 広島県ブロック事務局(電話090-9050-8042、月〜金曜日9時〜17時)に連絡します。
過去に補助を受けた事業所も申請できますか
実施要綱に申請を禁じる記載はありませんが、令和5年度から令和7年度までに県の「介護ロボット導入支援事業補助金」「介護事業所ICT導入支援事業補助金」「介護テクノロジー定着支援事業補助金」を受けていない事業所が優先して採択されます。
障害福祉の事業所もこの補助を使えますか
この事業の対象は介護保険のサービス事業所と養護老人ホーム・軽費老人ホームです。障害福祉の事業所には、県の「障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業」が別にあり、補助率は3/4です。この事業は広島市・呉市・福山市にある事業所を対象外としています(障害児入所施設は呉市・福山市を含む)。
出典
- 広島県「令和8年度「介護テクノロジー定着支援事業」補助金制度について」
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/64/kaigotechnology2026.html - 広島県「令和8年度介護テクノロジー定着支援事業 告知チラシ」
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/670922.pdf - 一般社団法人日本福祉用具供給協会中国支部広島県ブロック(広島県の補助金交付事務)「令和8年度 介護テクノロジ―定着支援事業について」
https://www.fukushiyogu-hiroshima.jp/tec_support_2026/ - 広島県「令和8年度介護テクノロジー定着支援事業実施要綱」(交付事務局掲載)
https://www.fukushiyogu-hiroshima.jp/wp-content/uploads/2026/05/00-youkou_2026.pdf - 広島県「令和8年度介護テクノロジー定着支援事業申請案件選定委員会 設置要綱」(交付事務局掲載)
https://www.fukushiyogu-hiroshima.jp/wp-content/uploads/2026/05/01-sentei_inkai_2026.pdf - 広島県「令和8年度介護テクノロジー定着支援事業案件評価項目・採点基準」(交付事務局掲載)
https://www.fukushiyogu-hiroshima.jp/wp-content/uploads/2026/05/02-hyoka_kijun_2026_1.pdf - 広島県「令和8年度介護テクノロジー定着支援事業 交付申請書類一式(7/2更新)」(交付事務局掲載)
https://www.fukushiyogu-hiroshima.jp/wp-content/uploads/2026/07/shinsei_2026.xlsx - 広島県「令和8年度介護テクノロジー定着支援事業 報告申請書一式(9/2更新)」(交付事務局掲載)
https://www.fukushiyogu-hiroshima.jp/wp-content/uploads/2026/10/houkoku_2026.xlsx - 広島県「障害福祉サービス事業所等デジタル技術導入支援事業について」
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/shidoukensa/robotict.html - 広島県「介護職場サポートセンターひろしまの御案内」
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/64/kaisuppo-hiroshima.html
制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月4日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。


























