サービス担当者会議とは|開催が必要な場面、やむを得ない理由と照会、テレビ電話の同意、第4表の書き方、運営基準減算【2026年】

要点
サービス担当者会議とは、介護支援専門員(ケアマネジャー)が居宅サービス計画(ケアプラン)の作成のために、利用者と家族の参加を基本としつつ、計画の原案に位置付けたサービスの担当者を招集して行う会議です(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準第13条第9号)。利用者の状況に関する情報を担当者と共有し、原案の内容について専門的な見地からの意見を求めます。計画を新しく作るとき、要介護更新認定・区分変更認定を受けたとき、計画を変更するときに開き、やむを得ない理由があるときは担当者への照会で意見を求めることができます。テレビ電話装置等で開くこともできますが、利用者や家族が参加する場合はその同意が必要です。開催していないと居宅介護支援費は所定単位数の100分の50に減算され、2月以上続くと算定できません。会議の要点は第4表に記録し、完結の日から2年間保存します。
- 100分の50開かないときの減算運営基準減算。2月以上続くと算定しない
- 2年間記録の保存完結の日から(基準第29条第2項)
- 第4表記録する標準様式サービス担当者会議の要点
サービス担当者会議とは
基準第13条第9号は、サービス担当者会議を「介護支援専門員が居宅サービス計画の作成のために、利用者及びその家族の参加を基本としつつ、居宅サービス計画の原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者(…)を招集して行う会議」と定義し、介護支援専門員はその開催により「利用者の状況等に関する情報を担当者と共有するとともに、当該居宅サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする」としています。アセスメントから原案の作成、会議、同意、交付までの一連の流れは居宅介護支援事業所の記事で説明しています。
解釈通知(老企第22号)は、利用者や家族の参加が望ましくない場合(家庭内暴力等)には必ずしも参加を求めるものではないとしています。
開催が必要な場面
基準第13条が開催を求めているのは次の場面です。新規作成・更新認定・区分変更のときは、やむを得ない理由がある場合に担当者への照会等で代えられます(第9号・第15号のただし書)。
| 場面 | 根拠 | 求められること |
|---|---|---|
| 居宅サービス計画を新規に作成するとき | 第13条第9号 | 原案の内容について担当者から専門的な見地からの意見を求める |
| 要介護更新認定を受けたとき | 第13条第15号イ | 計画の変更の必要性について意見を求める |
| 要介護状態区分の変更の認定を受けたとき | 第13条第15号ロ | 同上 |
| 居宅サービス計画を変更するとき | 第13条第16号(第9号の準用) | 新規作成と同じ |
| 福祉用具貸与を継続するとき | 第13条第22号 | 必要に応じて随時開催し、継続の必要性を検証する |
このほか、テレビ電話装置等を使ったモニタリング(居宅への訪問を2月に1回に減らす方法)を行うには、サービス担当者会議等で主治の医師・担当者その他の関係者の合意を得ていることが要件の一つです(第13条第14号ロ)。令和6年度改定で入ったこの仕組みは居宅介護支援事業所の記事にまとめています。
やむを得ない理由がある場合:照会で意見を求める
第13条第9号のただし書は、利用者(末期の悪性腫瘍の患者に限る)の心身の状況等により、主治の医師または歯科医師の意見を勘案して必要と認める場合「その他のやむを得ない理由がある場合」に、担当者に対する照会等により意見を求めることができるとしています。解釈通知は、やむを得ない理由の例として次の3つを挙げています。
- 末期の悪性腫瘍の利用者で、主治の医師等の意見を勘案して必要と認める場合(主治の医師等が日常生活上の障害が1か月以内に出現すると判断した時点以降を想定)
- 開催の日程調整を行ったが、サービス担当者の事由により参加が得られなかった場合
- 居宅サービス計画の変更であって、利用者の状態に大きな変化が見られない等における軽微な変更の場合
計画の「軽微な変更」に当たる場合は、サービス担当者会議の開催など基準第13条の一連の業務を必ずしも行わなくてよいとされています(「居宅介護支援等に係る書類・事務手続きや業務負担等の取扱いについて」の別添)。同じ別添は、会議を開く必要がある場合でも、必ずしも計画に関わるすべての事業所を招集する必要はなく、変更に関わらない事業所には照会等で意見を求めることが想定されるとしています。
- 開催が必要な場面か確かめる新規作成・更新認定・区分変更・計画の変更・福祉用具貸与の継続。軽微な変更なら開かなくてよい
- 日程を調整して招集する利用者と家族の参加を基本にする。テレビ電話装置等を使うときは利用者等の同意を得る
- 参加できない担当者には照会するやむを得ない理由がある場合は照会等で意見を求める
- 第4表に要点を記録する開催日・出席者・検討した項目・検討内容・結論・残された課題。照会した内容と回答も書く
- 2年間保存する居宅介護支援台帳の一部として、完結の日から2年間
テレビ電話装置等での開催:利用者・家族が参加するなら同意が要る
サービス担当者会議はテレビ電話装置その他の情報通信機器(テレビ電話装置等)を活用して行うことができます。ただし、利用者または家族が参加する場合は、テレビ電話装置等の活用について本人たちの同意を得なければなりません(第13条第9号)。解釈通知はテレビ電話装置等を「リアルタイムでの画像を介したコミュニケーションが可能な機器」としています。解釈通知は、活用にあたって個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」と厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を守るよう求めています。この記述は令和3年の改正で解釈通知に加わったものです。
事業所間の情報共有ツールの選び方は介護の情報共有ツールの記事、委託先のセキュリティの確かめ方は介護ソフトのセキュリティ確認の記事にまとめています。
第4表「サービス担当者会議の要点」の書き方
会議の記録は、標準様式の第4表「サービス担当者会議の要点」に書きます。記載要領は、会議を開催した場合はその要点を、開催しない場合や担当者が出席できない場合は照会の内容等を記載するとしています。令和6年7月4日の様式改正(介護保険最新情報Vol.1286、令和7年4月施行)でも第4表の欄は変わっていません。
| 欄 | 記載要領のポイント |
|---|---|
| 開催日・開催場所・開催時間・開催回数 | 開催回数は、当該会議の開催回数を書く |
| 会議出席者(所属・職種・氏名)、利用者・家族の出席 | 出席できない担当者がいる場合は、その所属(職種)・氏名と出席できない理由も書く(他の書類で確認できる場合は省略できる) |
| 検討した項目 | 出席できない担当者がいる場合は、照会(依頼)した年月日・内容・回答を書く。会議を開催しない場合は、その理由と、担当者の氏名・照会した年月日・内容・回答を書く |
| 検討内容 | サービス内容だけでなく、提供方法・留意点・頻度・時間数・担当者等を具体的に書く。「検討した項目」と1つの欄に統合してもよい |
| 結論 | 会議で得られた結論 |
| 残された課題(次回の開催時期) | 社会資源が地域に不足していて未充足になった事項、本人の希望等で利用しなかったサービス、次回の開催時期・開催方針など |
記載要領は、第三者が読んでも内容を把握・理解できるように書くことを求めています。第1表から第7表までの構成と、ソフトで作る流れはケアプラン作成ソフトの選び方にまとめています。
記録の保存:完結の日から2年間
基準第29条第2項は、居宅介護支援台帳として「第十三条第九号に規定するサービス担当者会議等の記録」を整備し、完結の日から2年間保存することを求めています。居宅サービス計画、アセスメントの結果の記録、モニタリングの結果の記録も同じ台帳に含まれます。条例で5年などに延ばしている自治体もあるため、介護記録の保存期間の記事で所在地のルールの確かめ方を見てください。
開催しないとどうなるか:運営基準減算
居宅介護支援費の告示(指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準)注6は、厚生労働大臣が定める基準に該当する場合に「運営基準減算として、所定単位数の100分の50に相当する単位数を算定する。また、運営基準減算が2月以上継続している場合は、所定単位数は算定しない」と定めています。その基準(平成27年厚生労働省告示第95号第82号)は、基準第4条第2項と、第13条第7号、第9号から第11号まで、第14号・第15号(これらを第16号で準用する場合を含む)に適合していないことです。運営基準減算に該当する場合は初回加算も算定しません。
| 開催していない場面 | 減算の期間(留意事項通知) |
|---|---|
| 居宅サービス計画を新規に作成した場合 | 計画に係る月から、状態が解消された月の前月まで |
| 要介護更新認定を受けた場合 | 同上 |
| 要介護状態区分の変更の認定を受けた場合 | 同上 |
留意事項通知は、やむを得ない事情がある場合を除くとしたうえで、市町村長は守らない事業所に指導し、従わない場合は特別な事情がある場合を除き指定の取消しを検討するとしています。厚生労働省のQ&Aでは、2月以上継続した場合の「所定単位数は算定しない」の適用は2月目からです。居宅介護支援費の単位数と逓減制は居宅介護支援事業所の記事、運営指導で見られる書類は運営指導の記事で説明しています。
施設・介護予防支援でのサービス担当者会議
介護老人福祉施設では、計画担当介護支援専門員が施設サービス計画の原案について、サービス担当者会議の開催、担当者に対する照会等により意見を求めます(指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準第12条第6項)。更新認定・区分変更認定のときの開催は同条第11項です。テレビ電話装置等と入所者等の同意の扱いは居宅と同じです。
介護予防支援では、指定介護予防支援等の基準第30条第9号が同じ仕組みを定め、第17号が更新認定・区分変更認定時、第24号が介護予防福祉用具貸与の継続検証のための随時開催を定めています。記録は同基準第28条第2項で完結の日から2年間保存します。地域包括支援センターの業務全体は地域包括支援センターの記事にまとめています。
会議の記録と照会を介護ソフトでどう扱うか
居宅介護支援の介護ソフトでは、第4表の作成、出席できなかった担当者への照会の記録、会議の日付と更新認定・区分変更の時期の突き合わせが、運営基準減算を防ぐうえで要になります。選ぶときは、第4表の欄が標準様式どおりか、照会の年月日・内容・回答を残せるか、認定の有効期間から会議の時期を知らせてくれるかを確かめます。居宅介護支援の介護ソフトの比較一覧は居宅介護支援の介護ソフトと居宅介護支援の立場別ページ、ケアプラン作成に特化したソフトはケアプランのカテゴリで見られます。
会議で共有した予定・実績をサービス事業所とデータでやり取りする仕組みはケアプランデータ連携システムの記事で説明しています。
よくある質問
サービス担当者会議は、家族が出席しなくても開けますか
基準第13条第9号は「利用者及びその家族の参加を基本としつつ」としています。解釈通知は、利用者や家族の参加が望ましくない場合(家庭内暴力等)には必ずしも参加を求めるものではないとしています。
担当者が全員そろわないときはどうすればよいですか
開催の日程調整を行ったが、サービス担当者の事由により参加が得られなかった場合は、やむを得ない理由として、その担当者に照会等で意見を求めることができます。第4表の「検討した項目」の欄に、照会した年月日・内容・回答を記録します。
テレビ電話やオンライン会議で開いてもよいですか
テレビ電話装置等を使って開くことができます。解釈通知は、テレビ電話装置等をリアルタイムで画像を介したやり取りができる機器としています。利用者または家族が参加する場合は、テレビ電話装置等の活用について本人たちの同意が必要です(基準第13条第9号)。
開催しなかった場合の減算はいくらですか
居宅介護支援費の所定単位数の100分の50を算定する運営基準減算になり、減算が2月以上継続している場合は所定単位数を算定しません(告示注6)。運営基準減算に該当する場合は初回加算も算定しません。
出典
- e-Gov法令検索「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)」
https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100038 - e-Gov法令検索「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)」
https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100039 - e-Gov法令検索「指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成18年厚生労働省令第37号)」
https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100037 - 厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(老企第22号)」の一部改正 新旧対照表(令和6年3月)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001227941.pdf - 厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(老企第22号)」の一部改正 新旧対照表(令和3年3月)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000772388.pdf - 厚生労働省法令等データベース「指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第20号)」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82aa0254&dataType=0&pageNo=1 - 厚生労働省法令等データベース「厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82ab4584&dataType=0&pageNo=3 - 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(老企第36号)」新旧対照表(令和6年3月)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001227887.pdf - 福祉医療機構 WAM NET「老企第36号 新旧対照表(平成18年改定)」
https://www.wam.go.jp/wamappl/bb05Kaig.nsf/0/b35f2c1bd937f1e34925713b0036a100/$FILE/rouki_36.pdf - 厚生労働省「適用要件一覧 201 居宅介護支援費」
https://www.mhlw.go.jp/content/000925364.pdf - 厚生労働省「別紙1 居宅サービス計画書標準様式及び記載要領」
https://www.mhlw.go.jp/content/000764680.pdf - 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1286 「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」の一部改正について」(令和6年7月4日)
https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2024/0704143313623/ksvol.1286.pdf - 厚生労働省「居宅介護支援等に係る書類・事務手続きや業務負担等の取扱いについて」別添
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001221646.pdf - 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001230329.pdf
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