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特別養護老人ホーム(特養)とは|入所要件は要介護3以上、人員基準、設備基準、報酬、施設数、老健・介護医療院との違い【2026年】

介護ツールナビ編集部公開

要点

特別養護老人ホーム(特養)は、老人福祉法第20条の5に基づく施設で、介護保険では入所定員30人以上のものが「介護老人福祉施設」として施設サービスを提供します(介護保険法第8条第27項)。要介護者のための生活施設で、入浴・排せつ・食事等の介護、日常生活上の世話、機能訓練、健康管理、療養上の世話を行います。平成27年4月からは新規入所が原則として要介護3以上に限られ、要介護1・2の人は特例入所になります。介護・看護職員は入所者3人に1人以上、居室は原則1人で10.65㎡以上、基本報酬は従来型589〜879単位・ユニット型670〜955単位(1日あたり)、施設数は令和6年10月1日時点で8,621施設です。

特養とは

老人福祉法第20条の5は、特別養護老人ホームを、第11条第1項第2号の措置(65歳以上で身体上または精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、居宅で介護を受けることが困難な人)に係る者や、介護保険の施設介護サービス費等の支給に係る者を入所させて養護する施設と定めています。介護保険では、介護保険法第8条第27項で、入所定員30人以上の特別養護老人ホームが「介護老人福祉施設」として、施設サービス計画に基づく「入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話」を行う施設とされています。

入所定員29人以下の特別養護老人ホームは、同法第8条第22項の「地域密着型介護老人福祉施設」として、市町村が指定する地域密着型サービスになります(令和6年10月1日時点で2,551施設)。

厚生労働省の第260回介護給付費分科会資料(令和8年7月)は、特養を「要介護高齢者のための生活施設」とし、入所者のうち市町村民税非課税世帯などの低所得者(利用者負担第1〜3段階)が6割を占めると説明しています。

入所要件:原則要介護3以上、要介護1・2は特例入所

手順入所要件の決まり方
  1. 平成27年4月から、新規入所は原則要介護3以上在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える施設に重点化。既に入所している人は継続して入所できる
  2. 要介護1・2は、やむを得ない事情がある場合に特例入所市町村の適切な関与のもとで、特例的に入所できる
  3. 特例入所の勘案事項は4つ認知症による症状・行動や意思疎通の困難さ/知的障害・精神障害等を伴う同様の状態/家族等による深刻な虐待の疑い/単身・家族が高齢や病弱で支援が期待できず地域のサービス供給も不十分。地域の実情に応じて自治体が必要と認める事情も考慮

法令では、指定介護老人福祉施設の基準第7条が、対象を「身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難な者」としています。要介護度の区分は、介護保険法第8条第22項の「厚生労働省令で定める要介護状態区分に該当する状態である者その他居宅において日常生活を営むことが困難な者として厚生労働省令で定めるもの」という定めが第27項の介護老人福祉施設にも及び(同項のかっこ書き)、介護保険法施行規則第17条の9が対象の要介護状態区分を認定省令第1条第1項第3号から第5号まで(要介護3〜5)とし、第17条の10が、要介護1・2のうち心身の状況や置かれている環境などの事情で居宅での生活が困難なことにやむを得ない事由があると認められる人を含めています。

第260回分科会資料によると、特養の入所申込者(要介護3〜5)は全体で25.3万人、うち在宅の人は10.6万人(41.7%)です(令和4年12月集計)。入所者の要介護度は、令和5年で要介護3が26.2%、要介護4が41.1%、要介護5が29.2%、平均要介護度は3.95です。

人員基準

職員の配置は「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第39号)第2条で定められています。入所者数は前年度の平均値で計算します。

職種配置基準(基準第2条第1項)
医師入所者に対し健康管理と療養上の指導を行うために必要な数
生活相談員入所者100人またはその端数を増すごとに1人以上
介護職員・看護職員常勤換算で、入所者3人またはその端数を増すごとに1人以上
看護職員の内訳常勤換算で、入所者30人以下は1人以上、31〜50人は2人以上、51〜130人は3人以上、131人以上は3人に50人またはその端数ごとに1人を加えた数以上
栄養士または管理栄養士1人以上(入所定員40人以下で他の施設の栄養士との連携があれば置かないことができる)
機能訓練指導員1人以上
介護支援専門員1人以上(入所者100人またはその端数を増すごとに1人が標準)

生活相談員と介護支援専門員は常勤が原則です。

設備基準:居室10.65㎡、廊下1.8m

同基準第3条は、居室・静養室・浴室・洗面設備・便所・医務室・食堂及び機能訓練室・廊下・消火設備その他の非常災害用設備を求めています。主な数値は次のとおりです。

  • 居室: 1室の定員は1人(必要と認められる場合は2人)、入所者1人あたりの床面積は10.65㎡以上。ブザーまたはこれに代わる設備を設ける
  • 食堂と機能訓練室: 合計で3㎡に入所定員を乗じた面積以上(食事と機能訓練に支障がない広さがあれば同一の場所でもよい)
  • 廊下: 幅1.8m以上、中廊下は2.7m以上
  • 医務室: 医療法上の診療所とし、入所者を診療するために必要な医薬品と医療機器を備える

ユニット型の施設(共同生活室を中心に、原則としておおむね10人以下、15人を超えないユニットで暮らす形)は、同基準第五章(第40条以下)の設備と運営(勤務体制)の定めに従います。

基本報酬と主な加算

第260回分科会資料によると、令和6年度改定後の基本報酬は次のとおりです(1日あたり)。

区分単位数算定事業所の割合
介護福祉施設サービス費(従来型個室・多床室)589〜879単位55.0%
ユニット型介護福祉施設サービス費670〜955単位38.4%

要介護度ごとの正確な単位数は告示(指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準)で確認してください。令和6年度改定では、協力医療機関との連携体制の構築と定期的な会議の実施などが行われ、介護ロボットやICTの活用を評価する生産性向上推進体制加算(Ⅰ 100単位/月)もあります。収支差率は令和6年度決算(税引前、物価高騰対策関連補助金を含まない)で1.4%、地域密着型介護老人福祉施設は2.2%です。

施設数と利用の状況

統計時点数
介護サービス施設・事業所調査令和6年10月1日8,621施設(前年比+73、0.9%増)、定員604,469人
同調査(地域密着型介護老人福祉施設)令和6年10月1日2,551施設(前年比+34、1.4%増)
介護給付費等実態統計令和6年度(10月審査分)11,077施設、受給者65.6万人

令和6年の施設・事業所調査では、1施設あたりの定員は70.4人、利用率は94.5%、経営主体は社会福祉法人が95.7%です。介護給付費等実態統計の11,077施設は請求に基づく数で、施設・事業所調査とは集計の方法が違います。特養に併設または空床を使って行う短期入所生活介護(ショートステイ)の基準と報酬は短期入所生活介護の記事にまとめています。

老健・介護医療院との違い

介護保険の3つの施設サービスの違いは、介護医療院の記事に法律上の定義の表があります。特養は「生活の場」、老健は「在宅復帰」、介護医療院は「長期療養と生活」が役割です。

比較特養と老健の違い

特養(介護老人福祉施設)

生活の場。入所期間の定めはない

  • 介護保険法第8条第27項。老人福祉法の特別養護老人ホーム
  • 新規入所は原則要介護3以上
  • 介護・看護職員は入所者3人に1人以上。医師は必要な数
  • 居室は原則1人、10.65㎡以上

老健(介護老人保健施設)

在宅復帰を目指す施設

  • 介護保険法第8条第28項。都道府県知事の開設許可
  • 要介護1から入所できる
  • 医師は常勤換算で入所者100人に1人以上、看護・介護職員は3人に1人以上
  • 療養室は定員4人以下、8㎡以上

老健の人員基準と在宅復帰の仕組みは介護老人保健施設の記事にまとめました。

令和9年度改定に向けた論点

第260回分科会資料は、特養の論点として、中重度の高齢者が増える中で入所者のニーズにこたえ安定的にサービスを提供する方策、経過的小規模介護老人福祉施設(平成17年度以前に開設した定員30人の施設)など特別な基本報酬を設定している類型の扱い、算定率が低い加算(退所時等相談援助加算・在宅復帰支援加算、在宅・入所相互利用加算、小規模拠点集合型施設加算など)の整理を挙げています。協力医療機関の3要件を満たす体制の整備割合は特養で67.9%、感染症対策向上加算を算定していない特養は約7割と示されています。これらは2026年10月28日時点の論点で、改定内容として決まったものではありません。改定の全体のスケジュールは令和9年度介護報酬改定の記事にまとめています。

介護ソフトの選び方

特養の記録・請求は、介護職員・看護職員・栄養士・介護支援専門員が1つの記録を共有する場面が多く、施設サービス計画、看護記録、栄養ケア計画、看取りの記録をどこまで1つのソフトで扱えるかが分かれ目です。施設系向け介護ソフトの比較と施設の立場からの探し方で絞り込めます。介護テクノロジーの導入は特養で幅広く普及しており、導入費の補助は介護テクノロジー導入支援事業の記事にまとめています。

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編集部スコア順(2026年11月5日時点)。当てはまる41本のうち15本を表示。スコアは機能の優劣ではなく、選ぶための公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

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よくある質問

要介護1・2でも特養に入れますか

原則は要介護3以上ですが、やむを得ない事情により特養以外での生活が困難と認められる場合は、市町村の適切な関与のもとで特例的に入所できます。厚生労働省の資料が挙げる勘案事項は、認知症による症状・行動や意思疎通の困難さ、知的障害・精神障害等を伴う同様の状態、家族等による深刻な虐待の疑い、単身や家族が高齢・病弱で支援が期待できず地域のサービス供給も不十分、の4つです。平成27年4月より前から入所している人は継続して入所できます。

特養と地域密着型特養は何が違いますか

入所定員です。介護保険法第8条第27項の介護老人福祉施設は定員30人以上、第22項の地域密着型介護老人福祉施設は定員29人以下です。地域密着型は市町村が指定し、原則としてその市町村の住民が利用します。令和6年10月1日時点で、介護老人福祉施設は8,621施設、地域密着型介護老人福祉施設は2,551施設です。

特養に医師はいますか

指定介護老人福祉施設の基準第2条は、医師を「入所者に対し健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数」と定めていて、常勤の人数は決まっていません。医務室は医療法上の診療所とし、必要な医薬品と医療機器を備えることになっています。老健が医師を常勤換算で入所者100人に1人以上と定めているのとは違います。

特養の入所待ちはどれくらいいますか

厚生労働省の第260回介護給付費分科会資料によると、各都道府県が把握している要介護3〜5の入所申込者は全体で25.3万人、うち在宅の人は10.6万人(41.7%)です(令和4年12月集計)。

出典

  1. e-Gov法令検索「介護保険法(平成9年法律第123号)」
    https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123
  2. e-Gov法令検索「老人福祉法(昭和38年法律第133号)」
    https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000133
  3. e-Gov法令検索「介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)」
    https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100036
  4. e-Gov法令検索「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)」
    https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100039
  5. 厚生労働省「社会保障審議会介護給付費分科会 第260回 資料1 介護老人福祉施設」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001720275.pdf
  6. 厚生労働省「令和6年介護サービス施設・事業所調査の概況」
    https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/service24/dl/gaikyo.pdf

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月28日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

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