更新情報11/5(木)

居宅介護・重度訪問介護の請求|所要時間の数え方・2時間の間隔・2人介護・実績記録票【2026年】

介護ツールナビ編集部公開

要点

居宅介護・重度訪問介護の請求は、実際にかかった時間ではなく、居宅介護計画(重度訪問介護計画)に位置付けた内容を行うのに要する標準的な時間で単位数を決め、利用者ごとのサービス提供実績記録票を作って、各月分を翌月10日までに請求する仕組みです(報酬告示・介護給付費等の請求に関する命令)。2026年9月時点の単位数は、居宅介護の身体介護が中心の場合の30分未満が256単位、重度訪問介護の1時間未満が186単位などで、令和8年度改定(令和8年6月施行)で訪問系に入った見直しは処遇改善加算の率と国庫負担基準です。居宅介護は1日に複数回算定するとき概ね2時間以上の間隔を空け、重度訪問介護は同じ事業者の1日分(0時から24時)を通算して算定します。

介護保険の訪問介護とはどう違うか

居宅介護・重度訪問介護は障害者総合支援法の障害福祉サービスで、介護保険法の訪問介護とは根拠の法律も報酬の告示も別です。この記事は障害福祉の居宅介護・重度訪問介護を扱います。介護保険の訪問介護のソフトと記録は訪問介護の介護ソフトの記事にまとめています。

居宅介護重度訪問介護介護保険の訪問介護
根拠の法律障害者総合支援法 第5条第2項障害者総合支援法 第5条第3項介護保険法 第8条第2項
対象障害者等重度の肢体不自由者その他の障害者で、常時介護を要するもの居宅要介護者
条文の定義居宅での入浴・排せつ・食事の介護その他の便宜居宅等での入浴・排せつ・食事の介護その他の便宜と、外出時の移動中の介護を総合的に行う居宅での入浴・排せつ・食事等の介護その他の日常生活上の世話
報酬の決まり報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)の第1同じ告示の第2介護報酬の告示(別の告示)

障害者総合支援法第7条は、介護保険法の介護給付など自立支援給付に相当する給付を受けられるときは、政令で定める限度において自立支援給付を行わないと定めています。

請求までの流れ

請求は、居宅介護計画を作る、提供の都度記録して利用者(障害児は保護者)の確認を受ける、月ごとに実績記録票と明細書をまとめる、翌月10日までに請求する、の順に進みます。

手順居宅介護・重度訪問介護の請求まで(運営基準・事務処理要領・請求命令)
  1. 居宅介護計画を作るサービス提供責任者が作り、利用者と同居の家族、指定特定相談支援事業者等に交付する(運営基準第26条)
  2. 提供の都度記録する提供日・内容を記録し、支給決定障害者等の確認を受ける
  3. 実績記録票を作る事業所番号単位で、利用者1人につき1月1件
  4. 請求する各月分を翌月10日までに、電子情報処理組織で審査支払機関へ
  • 計画の時間で算定する: 報酬告示は、居宅介護・重度訪問介護とも「現に要した時間ではなく」計画に位置付けられた内容を行うのに要する標準的な時間で算定するとしています(第1の注4、第2の注3)。留意事項通知は、計画の提供内容や時間が実際と合わないときは速やかに計画を見直し、大幅な乖離が続くときは当然に見直すよう求めています
  • 支給量の単位: 支給量は30分を単位(家事援助は最初の30分以降は15分を単位)に決まるため、決定された時間数が有効に使われるよう、利用者の希望等を踏まえて計画を作ります(留意事項通知)
  • 従業者の種別を計画に書く: 居宅介護は派遣する従業者の資格で単位数が変わるため、計画に従業者の種別も書きます(留意事項通知)
  • 記録の保存: サービスの提供に関する記録は、提供した日から5年間保存します(運営基準第42条。重度訪問介護は第43条で準用)

居宅介護の単位数:5つのサービス類型と所要時間

居宅介護サービス費は、身体介護・通院等介助(身体介護を伴う/伴わない)・家事援助・通院等乗降介助の5つの類型と、所要時間で単位数が決まります。2026年9月時点の報酬告示の単位数は次のとおりで、令和6年度改定で決まった値です。

所要時間身体介護中心・通院等介助(身体介護を伴う)中心家事援助中心通院等介助(身体介護を伴わない)中心
30分未満256単位106単位106単位
30分以上45分未満404単位(30分以上1時間未満)153単位197単位(30分以上1時間未満)
45分以上1時間未満(同上)197単位(同上)
1時間以上1時間15分未満587単位(1時間以上1時間30分未満)239単位275単位(1時間以上1時間30分未満)
1時間15分以上1時間30分未満(同上)275単位(同上)
1時間30分以上2時間未満669単位311単位に、1時間30分から15分増すごとに35単位を加算345単位に、1時間30分から30分増すごとに69単位を加算
2時間以上2時間30分未満754単位(同上)(同上)
2時間30分以上3時間未満837単位(同上)(同上)
3時間以上921単位に、3時間から30分増すごとに83単位を加算(同上)(同上)

通院等のための乗車・降車の介助が中心の場合(通院等乗降介助)は、1回(片道)につき102単位です。乗車と降車を分けて算定することはできず、運転している時間は算定の対象になりません(留意事項通知)。

類型ごとの対象と、従業者の資格による扱いは次のとおりです(報酬告示 第1の注、留意事項通知)。

類型対象・算定の決まり
身体介護中心区分1以上の利用者。基礎研修課程修了者等が行うと所定単位数の100分の70。重度訪問介護研修修了者(身体障害者の直接支援の経験あり)が行うと重度訪問介護の単価で算定
通院等介助(身体介護を伴う)中心区分2以上で、歩行・移乗・移動・排尿・排便のいずれかについて告示で定める支援が必要と認定された利用者。基礎研修課程修了者等・旧外出介護研修修了者が行うと100分の70、重度訪問介護研修修了者(身体障害者の直接支援の経験あり)は重度訪問介護の単価で算定
家事援助中心区分1以上で、単身か、同居の家族等の障害・疾病等で家事が難しい利用者。障害・疾病がなくても同様のやむを得ない事情で家事が難しい場合を含む。基礎研修課程修了者等・重度訪問介護研修修了者が行うと100分の90
通院等介助(身体介護を伴わない)中心区分1以上の利用者。基礎研修課程修了者等などが行うと100分の90
通院等乗降介助自ら運転する車両への乗車・降車の介助に加えて、乗車前・降車後の移動等の介助か、通院先での受診等の手続・移動等の介助を行う。基礎研修課程修了者等などが行うと100分の90

居宅介護の所要時間の数え方:30分未満と2時間の間隔

居宅介護は短時間に集中して支援する業務を前提に短時間の単価が高く設定されているため、1回の訪問を分けて算定しないよう、所要時間と訪問の間隔に決まりがあります(留意事項通知)。

  • 2時間の間隔: 1日に居宅介護を複数回算定するときは、概ね2時間以上の間隔を空けます。単に1回の居宅介護を複数回に区分して行うことは適切ではないとされています
  • 別の類型を挟むとき: 身体介護中心を30分、続けて家事援助中心を30分、さらに続けて身体介護中心を算定するように、別の類型を組み合わせて高い単価を複数回算定することは不適切な運用で、この場合は前後の身体介護を1回として算定します
  • 例外: 身体の状況等で短時間の間隔で短時間の訪問を複数回行わなければならない場合や、別の事業者の居宅介護との間隔が2時間未満の場合は、この限りではありません。緊急時対応加算の対象の居宅介護は、前後の居宅介護との間隔が2時間未満でも、それぞれの所要時間で算定します(所要時間を合算する必要はない)
  • 30分未満の目安: 「所要時間30分未満」で算定する場合の所要時間は20分程度以上です(夜間・深夜・早朝は除く)。所要時間は実際に居宅介護を行った時間で、準備に要した時間は含みません
  • 交代したとき: 1人の利用者に複数の従業者が交代して居宅介護を行った場合も、1回として合計の所要時間で算定します

実績記録票では、2時間以上サービスの間隔が空かなかった場合、1行にサービス時間全体の開始時間と終了時間を書き、備考欄に空き時間を書きます(事務処理要領)。

数字所要時間と請求で押さえる数字(報酬告示・留意事項通知・請求命令)
  • 2時間居宅介護を1日に複数回算定するときの間隔概ね2時間以上空ける
  • 20分程度居宅介護の「30分未満」の所要時間夜間・深夜・早朝を除く
  • 8時間重度訪問介護の単価の区切り超える部分は95%相当で設定済み
  • 翌月10日請求の締め切り各月分を翌月10日まで

重度訪問介護の単位数と1日の通算

重度訪問介護は、同じ場所に長時間滞在してサービスを提供する業務形態を前提に、8時間を区切りとする単価になっており、同じ事業者が1日に複数回行ったときは1日分の所要時間を通算して算定します(留意事項通知)。重度訪問介護の対象者・サービス内容・介護保険との関係は[重度訪問介護とは]の記事(/blog/judo-houmon-kaigo)にまとめています。

所要時間単位数
1時間未満186単位
1時間以上1時間30分未満277単位
1時間30分以上2時間未満369単位
2時間以上2時間30分未満461単位
2時間30分以上3時間未満553単位
3時間以上3時間30分未満644単位
3時間30分以上4時間未満736単位
4時間以上8時間未満821単位に、4時間から30分増すごとに85単位を加算
8時間以上12時間未満1,505単位に、8時間から30分増すごとに85単位を加算
12時間以上16時間未満2,184単位に、12時間から30分増すごとに81単位を加算
16時間以上20時間未満2,834単位に、16時間から30分増すごとに86単位を加算
20時間以上24時間未満3,520単位に、20時間から30分増すごとに80単位を加算

単位数は報酬告示 第2の1で、病院等に入院・入所中の障害者に提供した場合(ロ)も同じ単位数です。算定の決まりは次のとおりです(報酬告示・留意事項通知)。

  • 対象者: 区分4以上で、2肢以上に麻痺等があり歩行・移乗・排尿・排便のいずれも「支援が不要」以外に認定されている人か、行動関連項目の合計点数が10点以上の人
  • 1日の通算: 1日は0時から24時まで。翌日0時以降の分は所要時間1時間から改めて通算します。通知の例では、1日に7時間30分を2回行うと通算15時間で「12時間以上16時間未満」で算定します。1日に複数の事業者が行う場合は、事業者ごとに通算します
  • 0時をまたぐとき: 0時が属する30分の範囲の端数は1日目に含めます。通知の例では、22時45分から6時45分までの8時間は、1日目1時間30分、2日目6時間30分として算定します
  • 1時間未満の目安: 「所要時間1時間未満」で算定する場合の所要時間は概ね40分以上です。1日3時間を超える支給決定が基本ですが、キャンセル等で1日の利用が3時間未満になった場合も請求できます
  • 居宅介護との併算定: 同じ事業者が重度訪問介護に加えて身体介護・家事援助等の居宅介護サービス費を算定することはできません。事業所が希望の時間帯に提供できず、他の事業者が身体介護等を提供する場合はこの限りではありません
  • 入院・入所中: 区分4以上で入院・入所の前から重度訪問介護を受けていた人に、病院等と連携して意思疎通の支援などを行った場合に、利用開始から90日以内で算定します。90日を超えて市町村が認めた場合は所定単位数の100分の80で、30日ごとに市町村が必要性を認めます
比較居宅介護と重度訪問介護の算定の違い(報酬告示・留意事項通知)

居宅介護

短時間に集中して支援

  • 30分・1時間などの区切りで1回ごとに算定
  • 1日に複数回なら概ね2時間以上空ける
  • 家事援助は最初の30分以降は15分単位
  • 従業者の資格で100分の70・90などになる

重度訪問介護

長時間の見守りと介護

  • 区分4以上の対象者に提供
  • 同じ事業者の1日分(0時〜24時)を通算
  • 8時間を超える部分は8時間までの単価の95%相当で設定(単位数表に反映済み)
  • 外出時の移動中の介護は移動介護加算

2人で訪問したときの扱い

2人の従業者が同時に1人の利用者に居宅介護・重度訪問介護を行った場合、告示で定める要件を満たせば、それぞれの従業者の分について所定単位数を算定します(報酬告示 第1の注10、第2の注7)。

  • 居宅介護で2人が認められる例: 体重が重い利用者に入浴介助等の重介護を提供する場合や、エレベーターのない建物の2階以上の居室から歩行困難な利用者を外出させる場合などです。単に安全確保のために深夜に2人で提供した場合は、利用者側の希望で利用者や家族の同意を得た場合を除き、対象になりません(留意事項通知)
  • 資格の違う2人: 1人が基礎研修課程修了者等、重度訪問介護研修修了者などで、もう1人がそれ以外の場合は、それぞれの単位数を別に算定します(留意事項通知)
  • 重度訪問介護の熟練従業者の同行: 区分6の利用者への新任従業者の支援や、重度障害者等包括支援の対象となる支援の度合にある人への初めて従事する従業者の支援に、熟練従業者が同行することを市町村が認める場合は、それぞれ所要時間120時間以内に限り所定単位数の100分の90で算定します(報酬告示 第2の注7)。原則として1人の利用者につき年間3人の従業者まで(市町村が認めればそれ以上)です(留意事項通知)

実績記録票では、1時間を2人で提供した日は、その日の算定時間数を1時間とし、合計欄に2時間(1時間×2人)と書きます。2人の時間がずれたときや、2人の資格要件が違うときは、行を分けて書きます(事務処理要領)。

早朝・夜間・深夜と主な加算・減算

早朝・夜間は所定単位数の100分の25、深夜は100分の50を1回につき加算します(報酬告示 第1の注11、第2の注8)。時間帯は、早朝が午前6時から午前8時、夜間が午後6時から午後10時、深夜が午後10時から午前6時です。

時間帯をまたぐときは、実際に提供した時間帯で算定するのが原則で、最初の30分(重度訪問介護は最初の1時間)はサービス開始時刻の時間帯で算定します(開始時刻の時間帯の提供が15分未満(重度訪問介護は30分未満)なら、多くの時間を占める時間帯)。土日祝日等を想定した加算はありません(留意事項通知)。

加算・減算居宅介護重度訪問介護
特定事業所加算(Ⅰ)20%・(Ⅱ)10%・(Ⅲ)10%・(Ⅳ)5%(Ⅰ)20%・(Ⅱ)10%・(Ⅲ)10%
特別地域加算1回につき所定単位数の100分の15同じ
緊急時対応加算1回100単位(利用者1人に月2回まで)。地域生活支援拠点等で届出をした事業所は更に50単位同じ
初回加算200単位/月200単位/月
利用者負担上限額管理加算150単位/月150単位/月
喀痰吸引等支援体制加算100単位/日100単位/日
重度障害者への加算-重度障害者等包括支援の対象となる支援の度合の人は100分の15、区分6の人は100分の8.5
移動介護加算-1時間未満100単位〜3時間以上250単位
そのほかの加算福祉専門職員等連携加算 564単位/回(90日間で3回まで)行動障害支援連携加算 584単位、入院時支援連携加算 300単位、移動介護緊急時支援加算 240単位/日
同一建物減算同一敷地内建物等の利用者などは100分の90、同一敷地内建物等に50人以上居住する建物の利用者は100分の85-
  • 緊急時対応加算: 居宅介護では、計画に位置付けられていない身体介護中心・通院等介助(身体介護を伴う)中心の居宅介護を、要請から24時間以内に行った場合です。要請のあった時間、要請の内容、提供時刻、加算の算定対象である旨などを記録します(留意事項通知)
  • 初回加算: 利用者が過去2月に、その事業所からサービスを受けていない場合に算定します。サービス提供責任者が同行した場合は、同行訪問した旨を記録します(留意事項通知)
  • 利用者負担上限額管理加算: 上限額管理を行った場合に算定し、負担額が上限を実際に超えているかは条件になりません(留意事項通知)。上限額管理の締め切り(翌月3日・6日)は障害福祉ソフトの選び方で扱っています

サービス提供実績記録票の書き方

実績記録票は、明細書に添えて提供したサービスの内容の詳細を明らかにする資料で、居宅介護は様式1、重度訪問介護は様式3-1を使います(事務処理要領)。1つの事業所(事業所番号単位)で、利用者1人につき1月に1件作り、同じ月の同じ様式を2件に分けて作ることはできません。

欄居宅介護(様式1)重度訪問介護(様式3-1)
契約支給量身体介護・通院等介助(伴う)・家事援助・通院等介助(伴わない)・通院等乗降介助の区分ごと契約した支給量
サービス内容・状況「身体」「通院等(伴う)」「家事」「通院等(伴ず)」「乗降」の略称。減算対象の従業者なら(基礎)(重訪)を併記入院・入所中は「入院」、90日を超えて市町村が認めた場合は「入院(長期)」
計画居宅介護計画の開始・終了時間と計画時間数(乗降は回数)重度訪問介護計画の開始・終了時間と計画時間数(全体と移動介護の時間数)
サービス提供時間実際の開始時間と終了時間実際の開始時間と終了時間
算定時間数2人派遣は合計欄に人数分の時間。資格が変わったら行を分ける計画時間数。移動介護加算の「3時間以上」を適用する場合は「4」
加算の欄初回加算・緊急時対応加算・福祉専門職員等連携加算を算定する日に「1」同行支援(区分6は「1」、重度障害者等包括支援の対象者は「2」)、初回加算・緊急時対応加算・行動障害支援連携加算・移動介護緊急時支援加算に「1」
備考通院等介助の運転中の時間(「運転中0.5h除く」など)、「同一建物減算」「同一建物減算(大規模)」-

利用者確認欄は、原則としてサービス提供の都度、記載内容を示して確認を求めます(事務処理要領)。運営基準第19条も、提供の都度、提供日・内容などを記録し、支給決定障害者等(障害児は保護者)の確認を受けるよう定めています。

請求の締め切りと方法

介護給付費等の請求は、各月分について翌月10日までに行います(介護給付費等の請求に関する命令 第5条)。請求は事業所ごとに電子情報処理組織を使って審査支払機関に行い、電子的な請求が難しい事業者は、当分の間、請求書・明細書に実績記録票などの資料を添えて市町村に提出できます(附則第2条)。

事務処理要領では、居宅介護・重度訪問介護の明細書は命令様式第二で、請求書・明細書は指定事業所番号単位で作ります。請求が遅れた場合でも、請求権が5年の時効で消滅しない限り、市町村は請求を受けて支払うとしています。国保連の電子請求受付システムでの送信の流れと、複数の事業所を使う利用者の上限額管理は障害福祉ソフトの選び方にまとめています。

令和8年度改定で訪問系に変わったこと

令和8年度の報酬改定(令和8年6月施行)で居宅介護・重度訪問介護に関わるのは、福祉・介護職員等処遇改善加算の率の引上げと、国庫負担基準の見直しです。基本報酬の単位数は、上の表の令和6年度改定の値のままです(令和8年度改定事項、報酬告示)。

処遇改善加算の率ⅠイⅠロ(新設)ⅡイⅡロ(新設)ⅢⅣ
居宅介護44.6%45.6%43.1%44.1%37.6%30.2%
重度訪問介護37.2%38.2%35.7%36.7%30.2%24.8%

処遇改善加算は、ほかの加算・減算を反映した単位数に率を掛けて算定します(報酬告示では、居宅介護は「1から4の2までにより算定した単位数の1000分の446」など)。Ⅰロ・Ⅱロは、生産性向上や協働化に取り組む事業者への上乗せの区分です。国庫負担基準は市町村に対する国の負担の上限で、事業所の報酬の単位数ではありません。

移動支援は市町村の事業

移動支援は障害者総合支援法第77条第1項第8号の市町村の地域生活支援事業で、居宅介護・重度訪問介護のような全国一律の報酬告示はありません。対象・単価・記録と請求の様式は市町村の要綱で決まるため、利用者の住む市町村の案内で確かめてください。

ソフトを選ぶときに確認する点

居宅介護・重度訪問介護の請求ソフトは、計画の時間と実際の時間を分けて持てるか、2時間の間隔と1日の通算を自動で判定できるか、実績記録票の様式1・様式3-1をそのまま作れるかで確かめます。

観点確かめること
1. 計画と実績居宅介護計画(重度訪問介護計画)の時間と実際の提供時間を別に登録し、算定は計画の時間で行えるか。従業者の資格による100分の70・90を自動で当てられるか
2. 居宅介護の間隔1日に複数回の訪問で2時間未満の間隔を検知し、実績記録票を1行にまとめて空き時間を備考に書けるか。別の類型を挟む組み合わせを警告できるか
3. 重度訪問介護の通算0時から24時の1日分を通算し、0時をまたぐ訪問の端数を1日目に含められるか。入院中・90日超の扱いを区別できるか
4. 2人介護と同行2人派遣の行分け、合計欄の人数分の時間、熟練従業者の同行(120時間以内・100分の90)を記録できるか
5. 時間帯と加算早朝・夜間・深夜の加算を時間帯のまたぎ方の決まりどおりに計算できるか。緊急時対応加算の要請時刻・内容の記録、同一建物減算を扱えるか
6. 記録と確認ヘルパーが訪問先で提供日・内容を記録し、利用者の確認を受けた形で残せるか。5年間保存できるか
7. 請求と上限額管理明細書と実績記録票から請求データを作り、翌月10日までに送信できるか。上限額管理者・関係事業所のどちらの立場も扱えるか
8. 処遇改善加算の率令和8年6月からの率(Ⅰロ・Ⅱロを含む)に対応しているか
9. 移動支援・介護保険移動支援を市町村ごとの単価で請求できるか。介護保険の訪問介護も運営しているなら同じソフトで扱えるか

2026年9月29日時点で当サイトに掲載している障害福祉ソフトのうち、公式サイトの対応サービスに居宅介護が入っているのは21本、重度訪問介護が入っているのは20本です。居宅介護に対応する21本のうち、料金を公式サイトに載せているのは7本、無料で試せると案内しているのは16本、移動支援も対応サービスに挙げているのは12本、介護保険の訪問系も対象にしているのは9本です。障害福祉サービスのうち訪問系(居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護)と移動支援だけに対応しているのは3本(かんたんヘルパーさんR、おもいやりケアシステム、楽すけ(障がい者総合支援版))で、このうちかんたんヘルパーさんRとおもいやりケアシステムは介護保険の訪問介護にも対応しています。ほかの18本は通所系・入所系などの障害福祉サービスにも対応しています。上の表の自動判定の有無は製品ごとに違うため、提供元に確かめてください。

順位ツールスコア料金無料で試せる対象第三者認証
1カイポケ(障がい福祉)4.5¥18,000/月〜(月額制)あり障害福祉Pマーク
2Blue Ocean Note3.5記載なしあり施設系・通所系・訪問系・居宅介護支援・訪問看護・障害福祉・地域包括支援センターPマーク
3CAREKARTE(ケアカルテ)3.5要問い合わせ記載なし施設系・通所系・訪問系・居宅介護支援・訪問看護・障害福祉・福祉用具貸与ISMS
4ケアマザー3.5¥6,670/月〜(月額制)あり施設系・居宅介護支援・障害福祉記載なし
5かんたんヘルパーさんR3.0月額制あり訪問系・障害福祉記載なし
6かんたん請求ソフト3.0¥4,980/月〜(月額制)あり障害福祉未確認
7介舟ファミリー3.0¥5,500/月〜(月額制)あり通所系・訪問系・居宅介護支援・訪問看護・障害福祉・福祉用具貸与Pマーク
8SimpleCase2.5¥15,000/月〜(月額制)あり障害福祉Pマーク・ISMS
9knowbe(ノウビー)2.5月額制あり障害福祉記載なし
10おもいやりケアシステム2.5要問い合わせあり訪問系・障害福祉Pマーク
11わかるくん2.5¥3,000/月〜(月額制)あり障害福祉記載なし
12ケア・オール2.5要問い合わせあり障害福祉Pマーク
13FTCare-i2.0要問い合わせあり障害福祉記載なし
14MAPs for NURSING CARE2.0要問い合わせあり施設系・通所系・訪問系・居宅介護支援・訪問看護・障害福祉Pマーク・ISMS
15かんたん支援記録カンタン支援計画2.0従量制あり障害福祉記載なし

編集部スコア順(2026年11月5日時点)。当てはまる21本のうち15本を表示。スコアは機能の優劣ではなく、選ぶための公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

当てはまる21本をすべて見る

居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護に対応したソフトは、居宅介護・重度訪問介護ソフトの比較一覧で料金・無料で試せるか・対応サービスを比べられます。障害福祉ソフト全体の比べ方は障害福祉ソフトの選び方に、すべての障害福祉ソフトは障害福祉ソフトのカテゴリに、立場別のまとめは障害福祉の事業所向けのページにあります。比較表の「スコア」は公開情報がそろっているかの目安で、機能の優劣ではありません(採点方法)。

よくある質問

居宅介護の訪問が予定より長くなったら、実際の時間で請求できますか?

できません。報酬告示は、現に要した時間ではなく、居宅介護計画に位置付けられた内容を行うのに要する標準的な時間で算定するとしています。計画の時間と実際の時間が合わない状態が続くときは、速やかに居宅介護計画を見直して変更します(留意事項通知)。

同じ日の午前と午後に居宅介護に入ったら、2回算定できますか?

概ね2時間以上の間隔が空いていれば、それぞれ算定します。2時間以上空かなかった場合は、実績記録票に1行でサービス時間全体の開始・終了時間を書き、空き時間を備考欄に書きます。身体の状況等で短時間の訪問を複数回行わなければならない場合や、緊急時対応加算の対象の訪問は、例外として扱われます(留意事項通知・事務処理要領)。

重度訪問介護と居宅介護を同じ利用者に同じ事業所から提供できますか?

同じ事業者が重度訪問介護に加えて身体介護・家事援助等の居宅介護サービス費を算定することはできません。事業所が利用者の希望する時間帯に提供できず、他の事業者が身体介護等を提供する場合は例外です。外出時に行動援護の方が適している場合は、重度訪問介護に加えて行動援護サービス費を算定できます(留意事項通知)。

請求が翌月10日に間に合わなかったらどうなりますか?

請求の期限は翌月10日です(請求命令 第5条)。事務処理要領は、請求が遅れた場合でも、請求権が5年の時効で消滅しない限り、市町村は請求を受けて給付費を支払わなければならないとしています。遅れた月の請求の受付時期は、国保連や市町村の案内で確かめてください。

出典

  1. e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」
    https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000123
  2. e-Gov法令検索「介護保険法」
    https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123
  3. e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171
  4. e-Gov法令検索「介護給付費等の請求に関する命令」(平成18年厚生労働省令第170号)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100170
  5. 厚生労働省 法令等データベース「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第523号)
    https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1
  6. 厚生労働省「指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」(令和8年度改定後)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001705650.pdf
  7. 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」
    https://www.mhlw.go.jp/content/001216035.pdf
  8. 厚生労働省・こども家庭庁「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について(報告)」(令和8年4月)
    https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/9f9feb89-fdff-44e8-8acf-39fbf62521bf/6033c96b/20260423_councils_shingikai_shougaiji_shien_9f9feb89_02.pdf
  9. 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」(最終改正 令和8年7月)
    https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001721666.pdf

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年9月29日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

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