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認知症ケア支援機器とは|重点分野「認知症生活支援・認知症ケア支援」の定義・加算・補助金・3つの型【2026年】

介護ツールナビ編集部公開

要点

認知症ケア支援機器は、厚生労働省と経済産業省が定める「介護テクノロジー利用の重点分野」のうち、令和6年6月28日の改訂で新しく加わった「認知症生活支援・認知症ケア支援」に当たる機器・システムで、認知機能が低下した高齢者等の自立した日常生活または個別ケアを支援するものと定義されています。令和8年3月の厚生労働省の課長会議資料に載っている令和7年度の調査では、この分野の機器を導入済みの事業所は居住系・入所・泊まり系1.3%、通所系0.5%、訪問系0.3%で、居住系・入所・泊まり系では重点分野の中でいちばん低い値です。介護報酬では、令和6年度改定で介護保険施設とグループホームに認知症チームケア推進加算((Ⅰ)150単位/月・(Ⅱ)120単位/月)が新設され、認知症の行動・心理症状(BPSD)を計画的に評価してチームでケアすることが評価されています。2026年10月26日時点で当サイトに掲載している認知症ケア支援のツールは8本で、認知機能をチェックするもの、職員の研修に使うもの、セラピー・会話のロボットに分かれます。

数字認知症ケア支援の数字(2026年10月26日時点)
  • 1.3%導入済みの割合(居住系・入所・泊まり系)令和7年度調査。通所系0.5%・訪問系0.3%
  • 150単位/月認知症チームケア推進加算(Ⅰ)(Ⅱ)は120単位/月。令和6年度改定で新設
  • 30万円国の資料の補助上限令和7年度当初予算の資料。移乗支援・入浴支援以外の介護ロボット
  • 8本当サイトの掲載数金額を公開しているのは2本

認知症生活支援・認知症ケア支援とは:重点分野の定義

厚生労働省の「介護テクノロジー利用の重点分野定義」では、「認知症生活支援・認知症ケア支援」を「認知機能が低下した高齢者等の自立した日常生活または個別ケアを支援する機器・システム」とし、次の機能を持つものとしています(箇条書きの「認知症生活支援」「認知症ケア支援」の見出しは、当サイトが分野名に合わせて付けたものです)。

  • 認知症生活支援: 認知機能の低下による日常生活のしづらさを解消し、高齢者等が操作しやすい工夫や介助者に情報共有される機能を持ち、日常生活の自立性の向上を支援するもの。認知機能が低下した高齢者等の支援に特化したものに限る
  • 認知症ケア支援: 認知機能が低下した高齢者等の認知機能、生活環境、表情等の情報を収集・蓄積し、それをもとに一人ひとりの特性に合わせた介護サービスの提供を支援する機能を持ち、介護サービスの質の向上とともに職員の負担軽減等が図られるもの

次の機能があれば加点評価されます。

  • 集めた情報を介護記録システム、ケアプラン作成支援ソフト、科学的介護情報システム(LIFE)などと連携できること
  • 集めた情報が介護支援専門員や地域包括支援センターを含む多職種に共有され、一人ひとりの特性に合わせたサービス提供を支援できること

この分野は、機能訓練支援、食事・栄養管理支援とともに令和6年の改訂で加わった3分野の1つで、改訂後の重点分野は令和7年4月から運用されています。9分野16項目の全体は介護テクノロジー利用の重点分野の記事で整理しています。

3つの型:認知機能チェック型・研修型・セラピー型

当サイトに掲載している8本を、公式サイトの説明で分けると3つの型になります。型の名前は当サイトの整理で、重点分野の区分ではありません。

比較認知症ケア支援ツールの3つの型(当サイトの掲載8本の整理)

認知機能チェック型

数分〜15分で測る

  • パソコン・タブレットのゲームや質問で、記憶力・注意力などを測る
  • 結果を指数で示し、変化を追う

研修型

職員が体験する

  • VRで認知症の中核症状を本人の視点で疑似体験し、感想を共有する

セラピー型

情緒を落ち着かせる

  • アザラシ型・赤ちゃん型のロボットや、認知症ケアに特化した会話ロボット
型掲載している製品公式サイトで対象としている種別
認知機能チェック型のうKNOW、脳体力トレーナーCogEvo(コグエボ)、あたまの健康チェック、LMN-MSP01 もの忘れ相談プログラム搭載タブレットCogEvo: 施設系・通所系/LMN-MSP01: 地域包括支援センター/のうKNOW・あたまの健康チェック: 明示なし
研修型VR認知症明示なし
セラピー型PARO(パロ)、かまって「ひろちゃん」、だいちゃんPARO: 施設系・通所系/ひろちゃん: 施設系/だいちゃん: 施設系・通所系

認知機能チェック型は、重点分野の定義でいう「認知機能、生活環境、表情等の情報を収集・蓄積」する機能に近く、セラピー型はコミュニケーションロボットの記事で扱う「見守り・コミュニケーション(コミュニケーション)」の分野にも当たる製品です。

  1. 1

    脳体力トレーナーCogEvo(コグエボ)3.0/5

    株式会社トータルブレインケア・認知症ケア支援

    料金公開TAIS施設系・通所系

  2. 2

    PARO(パロ)2.0/5

    エヌ・デーソフトウェア株式会社・コミュニケーションロボット

    料金は問い合わせ施設系・通所系

  3. 3

    VR認知症1.5/5

    株式会社シルバーウッド・認知症ケア支援

    料金は問い合わせ

  4. 4

    かまって「ひろちゃん」1.5/5

    ヴイストン株式会社・コミュニケーションロボット

    料金公開施設系

  5. 5

    LMN-MSP01 もの忘れ相談プログラム搭載タブレット1.0/5

    株式会社LIMNO・認知症ケア支援

    料金は問い合わせ地域包括支援センター

  6. 6

    あたまの健康チェック®1.0/5

    株式会社ミレニア・認知症ケア支援

    料金は問い合わせ

  7. 7

    だいちゃん1.0/5

    株式会社ザハーモニー・コミュニケーションロボット

    料金は問い合わせ施設系・通所系

  8. 8

    のうKNOW1.0/5

    エーザイ株式会社・認知症ケア支援

    料金は問い合わせ無料で試せる

編集部スコア順(2026年11月5日時点)。当てはまる8本のうち8本を表示。スコアは機能の優劣ではなく、選ぶための公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

比較表は認知症ケア支援のカテゴリで、施設系・通所系の立場別の一覧は施設系・通所系のページで見られます。

関係する加算:認知症チームケア推進加算・認知症専門ケア加算・認知症加算

認知症ケア支援の機器は、介護報酬では認知症の行動・心理症状(BPSD)の評価やケアの記録、職員の研修と組み合わせて使うことになります。厚生労働省の「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」の単位数と要件は次のとおりです。

サービス加算単位数主な要件
認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人保健施設、介護医療院認知症チームケア推進加算(Ⅰ)150単位/月(新設)周囲の者による日常生活に対する注意を必要とする認知症の者が利用者・入所者の1/2以上。BPSDの予防等に資する認知症介護の指導に係る専門的な研修の修了者等を1名以上配置し、複数人の介護職員からなるチームを組む。対象者ごとにBPSDの評価を計画的に行って値を測定し、チームケアを実施する。カンファレンス、計画の作成、定期的な評価、ケアの振り返り、計画の見直しを行う
〃認知症チームケア推進加算(Ⅱ)120単位/月(新設)(Ⅰ)の対象者の割合・評価・カンファレンス等の要件を満たし、BPSDの予防等に資する認知症介護に係る専門的な研修の修了者を1名以上配置してチームを組む
訪問介護、訪問入浴介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護認知症専門ケア加算(Ⅰ)・(Ⅱ)3単位/日・4単位/日(定期巡回・随時対応型訪問介護看護と、夜間対応型訪問介護のサービス費(Ⅱ)では90単位/月・120単位/月)(Ⅰ)は認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上の者が利用者の1/2以上、認知症介護実践リーダー研修等の修了者の配置、会議の定期開催など
通所介護・地域密着型通所介護認知症加算60単位/日(変更なし)看護職員・介護職員を常勤換算で2以上加配。認知症の者の割合が15%以上。専門的な研修の修了者を1名以上配置。従業者に対する認知症ケアの事例検討・技術的指導の会議を定期的に開催(令和6年度改定で新設)
小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護認知症加算(Ⅰ)〜(Ⅳ)920・890・760・460単位/月(Ⅰ)(Ⅱ)は令和6年度改定で新設。研修修了者の配置、専門的な認知症ケアの実施、会議の定期開催など

認知症チームケア推進加算の研修・ワークシート・算定率は認知症チームケア推進加算の記事で説明しています。

認知症チームケア推進加算は、認知症専門ケア加算(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定している場合は算定できません。BPSDの評価を「計画的に行い、その評価に基づく値を測定」する要件は、認知機能や行動の情報を記録・蓄積する機器の使いどころです。ただし、加算の要件は研修修了者の配置とチームでの取り組みで、機器の導入は要件ではありません。

関係認知症チームケア推進加算の取り組みの流れ(令和6年度改定の要件)
  1. BPSDの評価対象者ごとに計画的に
  2. 値を測定
  3. チームケア研修修了者と介護職員
  4. 振り返り
  5. 計画の見直しカンファレンスで

認知症介護基礎研修のeラーニングの受講料や申込の流れは認知症介護基礎研修の記事で説明しています。研修型のVR認知症は、こうした研修とは別の、事業所が任意で行う職員向けプログラムです。

導入率:居住系でも1.3%

令和8年3月の全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料に載っている「介護現場における生産性の向上等を通じた働きやすい職場環境づくりに資する調査研究事業」の調査結果では、認知症生活支援・認知症ケア支援機器の導入状況は次のとおりです(訪問系n=1,152、通所系n=785、居住系、入所・泊まり系n=2,565。資料の「居住系、入所・泊まり系」を当記事では「居住系・入所・泊まり系」と書きます)。

サービス類型導入済み未導入無回答
訪問系0.3%87.9%11.8%
通所系0.5%93.2%6.2%
居住系・入所・泊まり系1.3%93.4%5.3%

同じ調査で、居住系・入所・泊まり系の見守り支援機器は47.2%、介護業務支援機器(介護記録ソフト等)は56.4%が導入済みです。居住系・入所・泊まり系では、認知症生活支援・認知症ケア支援機器が重点分野の中でいちばん低く、通所系は排泄支援機器(0.4%)に次いで低い値です。

料金と補助金

2026年10月26日時点で当サイトに掲載している8本のうち、金額を公式サイトに載せているのは2本で、だいちゃんは月額制とだけ案内しています。

製品公式サイトの料金(2026年10月26日時点の掲載DB)
脳体力トレーナーCogEvo(コグエボ)介護保険事業所向け「CogEvo Care」は初年度38万円(初期費用14万円+年間利用料24万円、税別)、2年目以降24万円/年。個人向け「CogEvoパーソナル」はTAIS掲載で月額1,500円(税別)+本体希望小売価格48,000円
かまって「ひろちゃん」「にこにこバージョン2」税込8,800円。通常版や施設向け5個セットは問い合わせ
だいちゃん月額制。故障時の修理・交換も月額費用に含むと案内されているが、金額の記載はなく問い合わせ

のうKNOW、あたまの健康チェック、VR認知症、LMN-MSP01、PAROは問い合わせ制です。のうKNOWは「導入される規模や頻度により異なります」と案内され、VR認知症はVR機材のレンタルを1台から4泊5日〜1か月単位で対応するとしています。

介護テクノロジー導入支援事業では、重点分野に当てはまる介護ロボットが補助の対象で、国の令和7年度当初予算の資料では移乗支援・入浴支援以外の機器の補助上限は30万円(補助台数は必要台数)です。認知機能チェックのクラウドサービスや研修プログラムがこの事業の対象になるかは、国の資料からは分かりません(2026年10月26日時点)。都道府県の実施要綱と窓口で確かめてください。補助率・上限・受付期間は介護テクノロジー導入支援事業の記事と都道府県ごとの記事(補助金の一覧)にまとめています。CogEvoは個人向けがTAISに掲載されています。TAISでの調べ方はTAISの記事で説明しています。

選ぶときに確かめること

重点分野の定義と加算の要件、掲載DBの項目から、確かめる点を挙げます。効果の数字や事例は公的資料に無いため、ここでは扱いません。

  • 目的: 利用者の認知機能の変化を測って記録したいのか(認知機能チェック型)、職員の理解を深めたいのか(研修型)、利用者の情緒を落ち着かせたいのか(セラピー型)
  • 記録との連携: 重点分野の定義では、介護記録システムやLIFEとの連携、多職種への共有が加点評価の項目です。認知症チームケア推進加算のBPSDの評価を記録するなら、測った値を介護ソフトに残せるかを確かめます
  • 対象の種別: 公式サイトが施設系・通所系・地域包括支援センターのどれを想定しているか。当サイトの8本のうち、対象を明示しているのは5本です
  • 料金の形: 初期費用と年額・月額、本体の購入が要るか、レンタルがあるか

よくある質問

認知症ケア支援機器を入れると加算がつきますか

いいえ。認知症チームケア推進加算、認知症専門ケア加算、通所介護の認知症加算は、研修修了者の配置、対象者の割合、会議やカンファレンスの開催などが要件で、機器の導入は要件ではありません。機器は、BPSDの評価の記録や職員の研修を支えるものとして使います。

認知症チームケア推進加算はどの事業所が算定できますか

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人保健施設、介護医療院です。(Ⅰ)150単位/月、(Ⅱ)120単位/月で、認知症専門ケア加算(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定している場合は算定できません。

補助金は使えますか

介護テクノロジー利用の重点分野に当てはまる介護ロボットは介護テクノロジー導入支援事業の対象で、国の令和7年度当初予算の資料では移乗支援・入浴支援以外は30万円が上限です。クラウドの認知機能チェックや研修プログラムが対象になるかは国の資料からは分からないため、都道府県の窓口で確かめてください。

コミュニケーションロボットとは別の分野ですか

重点分野では「見守り・コミュニケーション(コミュニケーション)」と「認知症生活支援・認知症ケア支援」は別の分野です。当サイトではPARO、かまって「ひろちゃん」、だいちゃんを両方のカテゴリに載せています。コミュニケーションの分野の定義はコミュニケーションロボットの記事で説明しています。

出典

  1. 厚生労働省「介護テクノロジー利用の重点分野定義」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001268136.pdf
  2. 厚生労働省「「ロボット技術の介護利用における重点分野」を改訂しました」(令和6年6月28日)
    https://www.mhlw.go.jp/stf/juutenbunya_r6kaitei_00001.html
  3. 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001230329.pdf
  4. 厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業(令和7年度当初予算)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001476528.pdf
  5. 厚生労働省「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料(令和8年3月・高齢者支援課)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001669793.pdf
  6. 公益財団法人テクノエイド協会「福祉用具情報システム(TAIS)」
    https://www.techno-tais.jp/

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月26日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

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