通所リハビリテーション(デイケア)とは|通所介護との違い・人員基準・報酬・事業所数【2026年】

要点
通所リハビリテーション(デイケア)は、居宅の要介護者が介護老人保健施設・介護医療院・病院・診療所に通い、心身の機能の維持回復と日常生活の自立のために理学療法・作業療法などを受けるサービスです(介護保険法第8条第8項)。利用には主治の医師が必要と認めることが前提で、事業所には専任の常勤医師を置きます。この2点が、医師を置かない通所介護(デイサービス)との大きな違いです。報酬は提供時間・要介護度・事業所規模で決まり、7〜8時間の通常規模型は要介護1で762単位、要介護5で1,379単位です。事業所は請求事業所数で約7,800か所(令和7年4月審査分)あり、令和6年度の収支差率は2.0%で居宅サービスの中では低い水準でした。
通所リハビリテーションとは
介護保険法第8条第8項は、通所リハビリテーションを「居宅要介護者(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)について、介護老人保健施設、介護医療院、病院、診療所その他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、当該施設において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション」と定めています。
条文から読み取れる要点は3つです。
- 利用者: 主治の医師が、治療の必要の程度が基準に合うと認めた居宅要介護者
- 場所: 介護老人保健施設、介護医療院、病院、診療所(その他省令で定める施設)
- 中身: 理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション
デイサービスと呼ばれる通所介護(同条第7項)は、入浴・排せつ・食事等の介護と機能訓練を行うサービスで、医師の関与は要件になっていません。
通所介護(デイサービス)との違い
通所リハ
医師が必要と認めた人
- 病院・診療所・老健・介護医療院が行う
- 専任の常勤医師を置く
- PT・OT・STを利用者100人に1人以上
通所介護
要介護者(医師の認定は不要)
- 老人デイサービスセンター等が行う
- 生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員を置く
- 医師の配置の定めはない
| 項目 | 通所リハビリテーション | 通所介護 |
|---|---|---|
| 根拠 | 介護保険法第8条第8項 | 介護保険法第8条第7項 |
| 利用の前提 | 主治の医師が必要と認める | 要介護認定のみ |
| 実施できる施設 | 老健・介護医療院・病院・診療所 | 老人デイサービスセンター等 |
| 医師 | 専任の常勤医師1人以上 | 配置の定めなし |
| リハビリ専門職 | PT・OT・STを利用者100人に1人以上 | 機能訓練指導員1人以上 |
| 規模区分 | 通常規模型・大規模型 | 地域密着型・通常規模型・大規模型Ⅰ・Ⅱ |
通所介護の人員・報酬は通所介護向け介護ソフトの記事と地域密着型通所介護の記事で扱っています。
人員・設備の基準
人員と設備は「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)第111条・第112条に定められています。厚生労働省の分科会資料の整理では次のとおりです。
| 職種 | 基準 |
|---|---|
| 医師 | 専任の常勤医師1人以上。病院・診療所に併設の事業所、老健、介護医療院では、その施設の常勤医師との兼務でよい |
| 従事者(PT・OT・ST・看護師・准看護師・介護職員) | 単位ごとに利用者10人に1人以上 |
| 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 | 上記の内数として、単位ごとに利用者100人に1人以上。所要1〜2時間の場合は、適切な研修を受けた看護師・准看護師・柔道整復師・あん摩マッサージ師でもよい |
設備は、リハビリテーションを行う専用の部屋等で、3㎡に利用定員を乗じた面積以上が必要です。
事業所の規模は、前年度の1月あたりの平均利用延人員数で分けます。
- 通常規模型: 750人以内
- 大規模型: 751人以上
大規模型でも、リハビリテーションマネジメント加算の算定率が利用者全体の80%以上で、リハビリ専門職の配置が10対1以上なら、通常規模型の基本報酬を算定します。
基本報酬と主な加算
第270回介護給付費分科会資料(令和8年10月)の、1回あたりの基本サービス費(例)は次のとおりです。
| 要介護度 | 7〜8時間・通常規模型 | 7〜8時間・大規模型 | 1〜2時間・通常規模型 |
|---|---|---|---|
| 要介護1 | 762単位 | 714単位 | 369単位 |
| 要介護2 | 903単位 | 847単位 | 398単位 |
| 要介護3 | 1,046単位 | 983単位 | 429単位 |
| 要介護4 | 1,215単位 | 1,140単位 | 458単位 |
| 要介護5 | 1,379単位 | 1,300単位 | 491単位 |
このほか、2〜3時間、3〜4時間、4〜5時間、5〜6時間、6〜7時間の区分があります。主な加算は次のとおりです。
- リハビリテーションマネジメント加算: (イ)6月以内560単位/月・6月超240単位/月、(ロ)6月以内593単位/月・6月超273単位/月、(ハ)6月以内793単位/月・6月超473単位/月。事業所の医師が利用者(家族)に説明し同意を得た場合は270単位/月を加算
- 短期集中個別リハビリテーション実施加算: 110単位/日
- 認知症短期集中リハビリテーション実施加算: (Ⅰ)240単位/日、(Ⅱ)1,920単位/月
- 生活行為向上リハビリテーション実施加算: 1,250単位/月(6月以内)
- 退院時共同指導加算: 600単位/回
- 入浴介助加算: (Ⅰ)40単位/回、(Ⅱ)60単位/回
- 科学的介護推進体制加算: 40単位/月
- 介護職員等処遇改善加算: (Ⅰ)イ 10.3%・ロ 11.1%、(Ⅱ)イ 10.0%・ロ 10.8%、(Ⅲ)8.3%、(Ⅳ)7.0%
減算には、送迎を実施しない場合(片道▲47単位)、同一建物に居住する者等に提供する場合(▲94単位/日)があります。
介護予防通所リハビリテーション(要支援1・2)は月額定額で、要支援1が2,268単位/月、要支援2が4,228単位/月です。
- 主治の医師必要性を認める
- 指示・情報提供
- ケアマネジャーケアプランに位置づけ
- 依頼
- 通所リハ事業所医師と専門職が計画作成
- 提供・評価
- 利用者リハビリを受ける
事業所数と経営の状況
| 統計 | 時点 | 数値 |
|---|---|---|
| 介護サービス施設・事業所調査 | 令和6年10月1日 | 8,030事業所(前年比▲94、▲1.2%) |
| 介護給付費等実態統計(請求事業所数) | 令和7年4月審査分 | 7,769事業所 |
請求事業所数は、第270回分科会資料の推移で近年ゆるやかに減っています。収支差率(令和6年度決算、税引前、物価高騰対策関連補助金を含まない)は2.0%で、分科会では委員から「他の在宅サービスに比べ、通所リハビリテーションの収支差率は低いため、基本報酬の見直しが必要ではないか」という意見が出ています(第270回資料の意見の整理)。資料が挙げる論点は、リハビリテーションマネジメントの推進と退院時共同指導加算の拡充の2つです。
事業所の運営では、医師と理学療法士などが共同で作る通所リハビリテーション計画の作成・評価と診療記録への記載(指定居宅サービス等基準第115条)、LIFE(科学的介護情報システム)への提出が記録業務になります。リハビリ計画の作成を支える製品はリハビリ支援ツールの一覧に、通所系の記録・請求を扱う介護ソフトは通所系向け介護ソフトの比較と通所系の立場からの探し方にまとめています。
よくある質問
通所リハビリテーションと通所介護は何が違いますか
通所リハビリテーション(介護保険法第8条第8項)は、主治の医師が必要と認めた要介護者が、病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院でリハビリを受けるサービスで、事業所に専任の常勤医師を置きます。通所介護(同条第7項)は、老人デイサービスセンター等で入浴・排せつ・食事等の介護と機能訓練を受けるサービスで、医師の配置は求められていません。
デイケアに医師は必要ですか
必要です。指定居宅サービス等基準第111条で、通所リハビリテーション事業所の医師は常勤1人以上とされ、厚生労働省の資料では「専任の常勤医師1以上」と整理されています。病院・診療所に併設されている事業所、介護老人保健施設、介護医療院では、その施設の常勤医師との兼務でよいとされています。
通所リハビリテーションの事業所は全国にいくつありますか
令和6年介護サービス施設・事業所調査(令和6年10月1日時点)で8,030事業所です。介護給付費等実態統計の請求事業所数は、令和7年4月審査分で7,769事業所でした。
通常規模型と大規模型はどう分かれますか
前年度の1月あたりの平均利用延人員数が750人以内なら通常規模型、751人以上なら大規模型です。大規模型でも、リハビリテーションマネジメント加算の算定率が80%以上で、リハビリ専門職を10対1以上配置していれば、通常規模型の基本報酬を算定できます。
出典
- e-Gov法令検索「介護保険法(平成9年法律第123号)」
https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)」
https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100037 - 厚生労働省「社会保障審議会介護給付費分科会 第270回 資料3 通所リハビリテーション」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001758861.pdf - 厚生労働省「令和6年介護サービス施設・事業所調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/service24/dl/gaikyo.pdf - 厚生労働省「社会保障審議会介護給付費分科会 第258回 資料1 通所介護・地域密着型通所介護」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001725439.pdf
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