更新情報11/5(木)

排泄支援機器の選び方|排泄予測・排泄検知センサー・自動排泄処理装置の違いと導入前の確認【2026年】

介護ツールナビ編集部公開

要点

排泄支援機器は、排尿の前に知らせる「排泄予測」、排泄の後に知らせる「排泄検知」、尿や便を自動で吸引・処理する機器などに分かれ、それぞれ目的が違います。国の「介護テクノロジー利用の重点分野」では、排泄前の予測は「トイレでの自立排泄を促すこと」や「オムツの使用を最適化すること」を目的とするとしています。選ぶときは、トイレ誘導につなげたいのか、おむつ交換のタイミングを知りたいのか、排泄物の処理の負担を減らしたいのかを先に決め、利用者が機器を装着できるか、通知を受けてトイレまで移動・誘導できるかを確かめます。

排泄支援機器の種類

仕組みと目的で分けると次のとおりです。製品の例と説明は、掲載DBに載せている各製品の公開情報からまとめたものです。

種類仕組み主な目的掲載製品の例
排泄予測(装着型)下腹部に付けた超音波センサーで膀胱の状態を計測し、排尿のタイミングを前もって知らせるトイレでの排泄を促す・トイレ誘導DFree HomeCare
尿量の測定超音波で膀胱内の尿量を測る。目安を段階で表示するもの、尿量や排尿後の残尿量を1回ずつ測る管理医療機器がある排尿のタイミングの予測、残尿の確認リリアムスポット2(尿量の目安を10段階で表示)・リリアム ワン
排泄検知ベッドに敷いたシート型センサーで、においをAIが検知し、尿と便の排泄を判定するおむつ交換のタイミングの把握、排泄パターンの記録Helppad2
自動で尿を吸引する機器体に当てたレシーバーに排尿すると、ポンプが自動で尿を吸引する排尿の介助・後始末の負担を減らすスカットクリーン(尿意を自覚できる方が対象)
排泄物処理(居室で使う便器)居室で使う便器で、排泄物を室外へ流す、または容器や袋に密閉して隔離するにおいを室内に広げない―
動作支援トイレ内での下衣の着脱など、排泄の一連の動作を支えるトイレでの動作の負担を減らす―

「排泄物処理」と「動作支援」は、国の重点分野の定義にある項目です。重点分野の全体は 介護テクノロジーの重点分野とは を参照してください。

比較排泄予測・排泄検知・自動排泄処理装置の違い

排泄予測

排尿の前に知らせる

  • トイレでの自立排泄を促す、トイレへ誘導する
  • 通知を受けてから、トイレまでの移動や誘導が間に合う体制が要る
  • 失禁をなくすものではない(厚生労働省のQ&A)
  • 在宅では特定福祉用具販売(令和4年4月1日から)

排泄検知

排泄の後に知らせる

  • おむつ交換のタイミングの把握、排泄パターンの記録
  • 検知後にすぐ交換に行ける体制と、記録の付け方が要る

自動排泄処理装置

尿や便を自動で吸引・処理する

  • 排泄物の処理の負担を減らす
  • 在宅では福祉用具貸与(要支援・要介護1の人は原則対象外など)

予測と検知は目的が違う

重点分野の定義では、排泄予測・検知の機器を「排泄を予測又は検知し、排泄タイミングの把握やトイレへの誘導を支援する機器」としています。予測と検知の違いは、知らせるタイミングです。

知りたいこと向いている方式前提になること
排尿の前にトイレへ誘導したい排泄予測通知を受けてから、トイレまでの移動や誘導が間に合う体制
おむつ交換のタイミングを合わせたい、排泄のパターンを知りたい排泄検知検知後にすぐ交換に行ける体制と、記録の付け方
膀胱にたまった尿や残尿の量を確かめたい尿量の測定測る人と、測るタイミングの決め方

重点分野の定義には、このほか次の点が挙がっています。機器を比べるときの目安になります。

  • 利用者が装着する機器は、容易に着脱でき、皮膚が弱い方などに配慮したものであること
  • 排尿と排便を区別して予測・検知できれば、評価を上乗せする
  • 介護記録システムやケアプラン作成支援ソフト、LIFE(科学的介護情報システム)などと連携してデータを使えれば、評価を上乗せする

導入前に確かめること

在宅向けの排泄予測支援機器について、厚生労働省は販売の前に確認すべき点を留意事項通知とQ&Aで示しています。施設で使う場合も、同じ点が導入の判断材料になります。

手順排泄予測の機器を導入する前の確認(留意事項通知とQ&Aから)
  1. 目的を理解する排泄予測はトイレでの自立した排泄を促すためのもので、Q&Aは「失禁をなくすものではない」ことの理解を求めています
  2. 装着できるか確かめる製品によっては、体型や体質により装着が難しい人もいるとされています。装着した後の様子も確かめます
  3. 通知を受けて動けるか確かめる本人や介助者が通知を理解でき、トイレまでの移動や誘導ができるか。居室からトイレまでの介助の方法と時間も確認します
  4. 試用してから決める通知から排尿までの時間は人によって違うため、留意事項通知は販売の前に一定期間試すことを勧めています

施設で使う場合は、あわせて次も確かめます。

  • 通知を誰の端末で受けるか。夜間に受けた通知に誰が対応するか
  • 排泄の記録を介護記録ソフトに取り込めるか、手で書き写すか(提供元に確認します)
  • 専用ジェルやパッドなど、使うたびに要る消耗品と、その費用

在宅で介護保険を使う場合

在宅の利用者は、排泄予測支援機器を「特定福祉用具販売」(購入費の支給)で、自動排泄処理装置を「福祉用具貸与」(レンタル)で使える場合があります。対象と条件は次のとおりです。

品目介護保険での扱い対象・確認点
排泄予測支援機器特定福祉用具販売(令和4年4月1日から給付対象)常に装着して膀胱内の状態を感知して尿量を推定し、一定の量に達したと推定したときに排尿の機会を自動で知らせるもの。専用ジェルなど装着のたびに使うものや専用シートなどの関連製品は対象外
自動排泄処理装置福祉用具貸与尿や便が自動で吸引され、尿や便の通り道になる部分を分けられる構造のもの。要支援・要介護1の人は原則対象外。尿だけを吸引するもの以外は、要介護2・3の人も原則対象外(いずれも例外の判断あり)
自動排泄処理装置の交換可能部品特定福祉用具販売レシーバー・チューブ・タンクなど尿や便の通り道になる部品。専用パッド・洗浄液など排泄のたびに使うものは対象外

排泄予測支援機器の留意事項通知とQ&Aでは、次の点が示されています。

  • 対象: 運動動作の低下や、排尿のタイミングが分からない・伝えられないなどでトイレでの自立した排尿が難しくなっている人のうち、排尿の機会が予測できれば失禁を避けてトイレで排尿できると見込める人
  • 利用が想定しにくい人: 要介護認定の調査項目「排尿」の直近の結果が「介助されていない」または「全介助」の人(十分に検討して自立した排泄が期待できる場合は対象としてよいとされています)
  • 医師の所見: 販売の前に、主治医意見書や医師の所見などで膀胱の機能を確かめる
  • おむつ交換の時期を知る目的では使えない: 常に失禁している人のおむつ交換の時期をつかむための給付は適切でないとされています
  • 要支援・要介護4・5の人: 通知で示す状態に当てはまり、自立した排尿が期待できれば対象にできます

掲載製品では、DFree HomeCare が特定福祉用具に認定されていると公式サイトで案内しています。

普及の状況と補助金

厚生労働省が重点分野の資料で示している排泄支援の普及率は0.5%で、見守り・コミュニケーション(30.0%)や移乗支援(9.7%)と比べて低い水準です(いずれも『令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査結果』からの引用)。事業所で導入する費用は、都道府県の介護ロボット・ICTの導入支援の対象になることがあります。仕組みは 介護テクノロジー導入の補助金 を参照してください。

排泄支援機器の一覧

掲載している排泄支援機器を、選ぶための公開情報がそろっている順(採点方法)に並べています。スコアは機能の優劣ではありません。全製品は 排泄支援のカテゴリ で比べられます。

  1. 1

    DFree HomeCare3.0/5

    DFree株式会社・排泄支援

    料金公開無料で試せるTAIS

    下腹部に装着した超音波センサーで膀胱の状態を計測し、排尿のタイミングを事前に通知するウェアラブル型の排泄予測機器。介護保険の特定福祉用具にも認定されている。

  2. 2

    Helppad2(ヘルプパッド2)1.5/5

    株式会社aba・排泄支援

    料金は問い合わせTAIS

    ベッドに敷くだけでにおいをAIが検知し、尿と便の排泄を判定するシート型センサー。専用アプリで排泄パターンを記録し、おむつ交換タイミングの把握に使う。

  3. 3

    スカットクリーン1.0/5

    パラマウントベッド株式会社・排泄支援

    料金公開

    レシーバーを当てて排尿するとモーターポンプが自動で尿を吸引する自動採尿器。尿意を自覚できる方が対象で、寝たままでも座ったままでも使用できる。

  4. 4

    リリアムスポット21.0/5

    株式会社リリアム大塚・排泄支援

    料金公開

    超音波で膀胱にたまった尿の量の目安を10段階で表示するヘルスケア機器。音声ガイダンスにも対応し、排尿タイミングの予測に使う。

  5. 5

    リリアム ワン0.5/5

    株式会社リリアム大塚・排泄支援

    料金は問い合わせ

    超音波により膀胱内の尿量(排尿後であれば残尿量)を単回測定する管理医療機器。重さ約200gで、クラスⅡの医療機器認証を取得している。

編集部スコア順(2026年11月5日時点)。当てはまる5本のうち5本を表示。スコアは機能の優劣ではなく、選ぶための公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

よくある質問

排泄予測と排泄検知は何が違いますか?

排泄予測は、膀胱の状態などから排尿の前にタイミングを知らせ、トイレへの誘導につなげるものです。排泄検知は、排泄した後にそれを知らせ、おむつ交換のタイミングの把握などに使います。国の重点分野の定義では、排泄前の予測はトイレでの自立排泄を促すことやオムツの使用を最適化することを目的とするとしています。

排泄予測の機器を使えば失禁はなくなりますか?

なくなるものではありません。厚生労働省のQ&Aは、排泄予測支援機器はトイレでの自立した排泄を促すことが目的で、失禁をなくすものではないと理解したうえで使うよう求めています。通知から排尿までの時間は人によって違うため、一定期間試してから導入を決めます。

在宅で排泄予測の機器を介護保険で買えますか?

令和4年4月1日から、排泄予測支援機器は特定福祉用具販売の対象です。対象は、トイレでの自立した排尿が難しくなっている人のうち、排尿の機会が予測できればトイレで排尿できると見込める人で、販売の前に医師の所見で膀胱の機能を確かめます。常に失禁している人のおむつ交換の時期をつかむ目的では、給付は適切でないとされています。

出典

  1. 厚生労働省「「介護テクノロジー利用の重点分野」の定義」(令和6年6月改訂)
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001268136.pdf
  2. 厚生労働省「(参考)介護テクノロジー利用の重点分野の全体図と普及率」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001268135.pdf
  3. 厚生労働省 老健局高齢者支援課「介護保険最新情報Vol.1059」(令和4年3月31日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/000923059.pdf
  4. 厚生労働省「介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会(第3回)参考資料1-3 告示に関する解釈通知」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001668163.pdf
  5. 厚生労働省「要支援・要介護1の者に対する福祉用具貸与について」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000875875.pdf

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年9月26日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

この記事で扱ったツール

  1. 1

    DFree HomeCare3.0/5

    DFree株式会社・排泄支援

    料金公開無料で試せるTAIS

  2. 2

    Helppad2(ヘルプパッド2)1.5/5

    株式会社aba・排泄支援

    料金は問い合わせTAIS

  3. 3

    スカットクリーン1.0/5

    パラマウントベッド株式会社・排泄支援

    料金公開

  4. 4

    リリアムスポット21.0/5

    株式会社リリアム大塚・排泄支援

    料金公開

  5. 5

    リリアム ワン0.5/5

    株式会社リリアム大塚・排泄支援

    料金は問い合わせ

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